砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

2024年凱旋門賞予想

海外の血統を見るのはすごく楽しいのですが、パッとイメージしづらいところはありますよねぇ・・・。

 

ルックドゥヴェガはStorm Cat直系としてやるべきことをやっているという配合。しかし配合的にはワンアンドオンリー的な重ね方をしていますので、仏ダービーからどれだけ上向いてくるかは疑問。

自身を含めて父子3代仏ダービー馬であり、母方の親族にも仏ダービー馬を持ちます。大層なお坊ちゃまですが、確かに配合が良いんですよね。父Lope de Vegaが種牡馬としてすごく良い配合をしていますし、その勘所を押さえた配合ですから、そりゃ良いとしか言いようが。

しかしロンシャンではちょっと疑問符がつくのは確かで、サトノクラウンを内回りパワーに寄せたようなイメージ。東京でもちょっと直線が長そう。

 

ただ、近頃はですね、「晩成型La Troienne表現」的なものが現れているんですよね。そういう時代になったのだ、という。

これはPretty PollyとLa Troienneが8分の1レベルでセットされることがすごく増えたためです。スペシャルウィークの母キャンペンガールみたいにAureoleとBuckpasserをセットにしちゃう血統って少なかったんですよね。

これの影響を最も受けるのはスプリント界隈でして、マル外の血統とかこの観点で異質なのですよ。国内はサンデーサイレンスがインブリードされたりされなかったりする影響で、あんまりなんですが。

ルックドゥヴェガもNever BendとLa Troienneがセットになっていることが多い。これが仏で伸びているStorm Cat父系なのだ・・・という感慨深さとともに、血統的な面倒くささにげんなりしますね。

 

つまるところ、ShamardalもHigh ChaparralもCape Crossも「Never Bend×Princequillo(ナスキロラトロ)×Pretty Polly×Northern Dancer」なわけで、更に言えばFair TrialやUmidwar、Tourbillonの濃ゆいところもセットですか。

そうした中で父がMachiavellian3×3で、母がShirley Heights4×4。父母間でMr. Prospector5・5×5ですね。そしてSharpen UpやLorenzaccio、Wild Risk的な要素もしっかり抑えています。これはネオユニヴァース~ジュエラーに見るMachiavellianとして真っ当な思想といえるでしょう。

ということはこれ、Haloとしても正しい配合なんですよね。

 

そんで最後となりますが、それぞれの4分の1において、最も異彩を放つのが名種牡馬候補として躍動中のLope de Vega、その母である、Lady Vettoriです。そりゃこの血統背景と繁殖成績ですから、名繁殖に数えるのもやぶさかではないレベル。

この血統を雑に評価しますと「ガッチガチのアウトブリードなのに名繁殖候補」というもので、明確な根拠を持たないのに一定のレベルを仔へ伝えているんですよね。こういうのがいっちばん強いんですが、明確な根拠のない配合を継続させているとも。

フランス人はたまに「8代以内に根拠があればセーフ」みたいな配合馬を出してきますから。そしてフランス人はNorhtern Dancerの加護を徹底的に軽視する傾向がありまして、Lope de Vegaはその集大成と言っても良いでしょうね。(Norhtern Dancer5×6でMachiavellian3×3)

Lady Vettoriというのはそういう血統の母なんですが・・・この血統は最も濃厚なPretty Polly血脈といえるVaguely Nobleを抱えながらも、La Troienneを引かない血統。フランス人は「古き良き」ものをちゃんと現代の4分の1まで引き継いでいるんですねぇ。

だもんで私は繁殖牝馬としてジュエラーを高く評価しますし、バルドウィナが大好きです。非La Troienneという思想はこれからすごく高い価値を得るはずなのですよ。ただ・・・サンデーサイレンスはびこる日本競馬においてはどうでしょうかねぇ。

 

 

◎ルックドゥヴェガ

◯ロスアンゼルス

△シンエンペラー

 

サンウェイは全兄も競争馬も成功している好配合ですが、流石に使い詰めなので軽視せざるを得ません。とりあえず一番の好配合と思えるルックドゥヴェガを筆頭。

デリウスも良さそうですが、配合のやっていることがフサイチコンコルドなので外差しベターかと。武豊の内ですから出番はなさそう。

△シンエンペラーは好配合の好表現で、着順通りに3歳春にレガレイラ(POG指名)を追い抜いていきました。まさしく本格化途上で愛チャンピオンSからの上積みが期待できますが、ここに足りるかどうか。その難しさゆえの軽斤量とも言えますが。

◎ルックドゥヴェガは直線の長さとマッチするかどうかが気になるものの、フランスの名家出身の好配合馬ですし、一族の悲願となる凱旋門賞制覇を成し遂げてほしいです。

◯ロスアンゼルスはCamelot産駒のKingmmambo3×3のDanehill4×3。パワーアンドパワーなのに芝で成功しているのはフサイチコンコルド的要素のためで、同じフサイチコンコルド表現なら外のフサイチコンコルド表現を。

やっぱりね、サドラー×ニジンスキーの織りなす諸々は最優秀ですから。世界的に。

 

[fin]