砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

POG2018~2019 2位リバーシブルレーン

http://www.jbis.or.jp/horse/0001218229/pedigree/

ステイフーリッシュの4分の3弟。配合だけを見れば、どちらかと言えばこちらが上だろう。

ハーツクライ×Robertoではグレイルとタイムフライヤーが今年の3歳戦線を彩っていて、この方向で社台系のハーツクライ配合は完成されつつある。2016年産においてはディープよりハーツの方が配合に優れている。

競争においては別だけれども。

Haloの後継者

ハーツクライは先行から後出しに突き抜ける競馬の達者で、スワーヴリチャードもシュヴァルグランジャスタウェイも長い脚を使って差し込む馬ではない。(ウインバリアシオンも)

その点ではあんまり「Hyperionらしい」種牡馬ではないし、Hyperionを詰め込むほどにHaloぶりが上がるという不思議ぶり。東京の好位が指定位置の追走マイスター。

対するRoberto

好位最強のハーツクライにRobertoを入れる・・・というのは愚策も愚策で、俺は嫌い。Robertoの馬群嫌いがオンとなりやすいし、Kris S.でも経由しない限りは小回り向きに出る。つまりまくり馬に出てしまい、後出し最強のハーツクライとは具合が悪い。

ただ上記の様な配合を構成するには問題が多すぎる。・・・だって名繁殖でないと無理なんだもん。かといってワンアンドオンリーヌーヴォレコルトといった配合を作る繁殖牝馬も絶滅寸前だ。時代は「4分の3ND繁殖牝馬」で、「NDクロス種牡馬」である。

なのでNorthern Dancerに強い抵抗を持つ血統を抱えなくては配合が成立しない。モズカッチャンの様に祭りを開催するのも一つであるが「4分の1サンデー」を構成する場合はそうも言っていられない。

RobertoとLa Troienne

「4分の2ND、4分の1サンデー」のディープインパクト配合は晩成傾向にあるだろう・・・ということでワグネリアンをダービーの予想印から外した。だからこそ菊花賞で見直す予定であって、まさかダービーホースになろうとは。

けれどハーツクライの場合はやや趣が異なる。La Troienneから早熟を取り入れられるので、この絡みから配合を成立させられるのである。

特にシルバーレーンの場合はChieftainを抱えるのでBuckpasserとの相性が良い。グレイルも良い配合であるがロックオブジブラルタルではNorthern Dancerの緊張が強すぎる。その上Bold Rulerをクロスしてしまい、小足より器用さが際立つ。

なのでBuckpasserを重ねるに留めるキンカメがいいだろう。NDもそんなに濃くはない。なによりブラックホークを見習うならばNureyevを使うべきだ。

KingmamboとLa Troienneを組み合わせて成功するってのは珍しいのよねぇ。アーモンドアイの配合を考えて気づいたことだ。NureyevとBuckpasserの合わせ技は非常に珍しいのだわ。

ということでシルバーレーンはキンカメがベター。

Halo競馬とキングカメハメハ

基本的にキンカメ産駒というのはねじ伏せることがない。綺麗に抜け出す。

つまりサンデーサイレンスとの組み合わせからHaloぶりを引き出しているわけで、ドゥラメンテだって先に動いた時は終いが鈍る。際立った末脚を見せるけれども、早仕掛けに秀でているわけじゃぁない。

HaloというよりもBuckpasserの傾向であるが、最後の最後に抜け出すってわけでもないのよね。けれど母父としてのキングカメハメハBuckpasserぶりをよく見せる。デニムアンドルビーも登ってから一気に詰め寄っていた。

そのあたり、「まくれないRoberto」として出るハーツRobertoにおいては重要な要素である。中山の大舞台を制するには「登ってから駆けつけ」なくてはならない。つまり「サンデー×Nijinsky×Buckpasser」というスペシャルウィーク的な表現を兼ねる必要が。

半端者なれど

「まくれないし、登ってから駆けつけるにも脚が足りない」という難しさがこの馬の本質である。だが母カウアイレーンはマイラーであり、ここからスピードを持ってくることも出来る。

ならばワグネリアンの様に外からダービーを先行することも出来るはず。グレイルがとろいのはRainbow Questが大きな理由。これを通さない枝であれば先行も出来るし、切れる末脚も使えると思う。

ハーツ×キンカメ×Robertoってのは外枠から先行できる配合だとおもうなぁ。


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