砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

オークス展望

今年のオークスも例によって謎混戦。。

桜花賞上位もそりゃ強いが、フローラSのサトノワルキューレもだいぶ強い。パイオニアバイオも本番でもう一つ上の走りがある配合だろう。

まんずまんず、困るところ。

桜花賞オークス

アーモンドアイなんてのは実にオークスで走らなさそうな馬だが、桜花賞を万全に勝ち切った馬がオークスで大負けすることは少ない。

レーヌミノルレッツゴードンキといった例もあることにはあるが、ロードカナロア産駒という色眼鏡で見る必要はないだろう。サクラバクシンオーの様に極端なスプリンターではないし、配合からしてもマイラーではない。千八馬ではあろうが、オークスは千八馬で足りる。(ソウルスターリングも千八気味)

ラッキーライラックについても同様である。桜花賞上位陣が距離に困ることはない。

好走のルーラーシップ

ディープも多いがKingmambo系も多い。特別登録の段階ではルーラーシップが4頭いて、ロードカナロアが1頭、キングカメハメハが1頭、エイシンフラッシュが1頭、母父キンカメが2頭。何だそれは。(ウスベニノキミ・シスターフラッグ・ウインラナキラは抽選対象)

特にルーラーシップは抽選対象を含めて4頭を送り出していて、中でもリリーノーブルが王道オール好走中。距離延長で逆転の可能性を秘めている。

過去にハーツクライ産駒のヌーヴォレコルトレッドリヴェールハープスター相手に逆転のG1勝利を収めていて、これと被る戦績だ。トニービンとしての東京適性も同じであるから、桜花賞以上の走りが見られるはず。

サトノワルキューレ批判

ヒアトゥウィンは間違いのない名繁殖で、ディープのリピーターとなるのももっともな話である。

ただこの配合でヒアトゥウィンの全てが表現されているかと言えば、そんなことはない。名繁殖の仔ではあるが、超がつく好配合ではないだろう。

ディープインパクトがなして世界中の繁殖を相手に出来るか。Almahmoudを共通言語とした「4分の3Northern Dancer、4分の1サンデーサイレンス」を展開するに優れているからだろう。

だからディープインパクトの配合において「異系」なんてのは要らない。ウインドインハーヘアが優れた血統なのだから、これを異系として運用することばかりが重要だ。ディープの得意技ってそれだけでしょ。

ディープに対して異系を持ち込むってのはディープ産駒としてのメリットを放ることと同じだ。一からメリットをチクチクと構成していって、それで勝負しなくてはならない。ヒアトゥウィンとしての優秀をディープインパクトの構成血統と遺伝から作り上げなくてはならない。

その難儀な道が覇道であったか・・・「夏草の賦」を思い出す。司馬遼太郎もしばら~く読んでないなぁ。

圧倒中のNever Bend

ソウルスターリングアパパネまでNever Bend持ちが勝ち馬となっている。

RivermanMill Reefといった「Nasrullah×Princequillo×La Troienne」の形を取らなかったのはジェンティルドンナのみで、他はみなこの形でNever Bendを引いている。牝馬三冠かつJC二連覇の馬が例外であることに異論はない。

シーザリオ以来、オークスは「Nasrullah×Princequillo×La Troienne」の巣窟と化している。奇しくもそれは「4分の1サンデー」時代の幕開けと同じくしている。

トールポピーよりの10年間で11頭の勝ち馬が出ている。そのうちアパパネソウルスターリングを除いた9頭が「4分の1サンデー」であり、またそこからジェンティルドンナを除いた8頭が母系に「Nasrullah(≒Royal Chager)×Princequillo×La Troienne」を持つ。

この流れからNever Bendの一強体制が築かれた。

Nasrullahの緩和

サンデーサイレンスに対してNever Bendを引くと、当然だが、Royal Chager≒Nasrullahのニアリークロスが発生する。火を見るより明らか。

重要なのは、スローの場合は濃密なNasrullahの集合が望まれることだ。そしてそれをサンデーサイレンスによって緩和するのである。ディープインパクト産駒の強さは「2分の1非Nasrullah」による確固たる受け入れ体制があるためだと考えられる。

だが2分25秒を切る速い決着の場合は、むしろそれが壁の役割を果たす。ソウルスターリングジェンティルドンナNasrullahの緩和がしっかりしている配合で、特にジェンティルドンナの配合には見るべきものがある。

Nasrullah的な柔さによって踏破するのが常道である。だが、S級オークス勝ち馬はNasrullahに頼らない。

だからこそDanzig

Nasrullahに頼らない以上は、これと同格の短距離血統を持ってこなくてはならない。

候補はいくらでもある。NureyevやTudor Minstrelも一つであるが、ジェンティルドンナソウルスターリング級を見込むならばDanzigがベストチョイス。

Nureyevを挙げた様に、Nasrullah持ちの血統でも構わないだろう。その場合は優れたアウトブリードを持ってこなくてはならないが、ディープ×Nureyevの配合でクリアされる。

Danzigの経由としてはChief's CrownやDanehillがよろしい。ジェンティルドンナのBertoliniはニアリーの関係にある名血が多くあるので、それを狙うのも一つだろう。好配合なら母父ヤマニンパラダイスが馬券となることも?


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