砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

競馬と血統

血統についてもっと取り組んでもいいのかなぁ、と思う。

「血統と実際の走り、関係があんのかよ」

俺は思っておりました。

だって血統でしょ?

織田信長織田信秀と土田御前との配合だから頭が切れるはずだ。だが気性は荒い」

とか分かりようがない。

そら徳川家康は祖父が清康であるから配合次第では隔世遺伝もありえるよ?

平氏平氏インブリード気味でもあるだろう。

でもそんなの関係ないよね?平氏とか言っても自称だし。

だから馬も血統とかあまり関係ないだろう、と。

でもそんなことはなかった。

世界が狭いからさ。馬の世界。

元をたどれば3頭の馬にたどり着く、という狭い世界だ。

そこから数万頭(テキトーな数。そのくらいじゃない?)に広がった程度。

幾つもの血統が生まれては途絶え、生まれては途絶え。その繰り返し。

そして現代日本ではサンデーサイレンスが主軸。

父系に、母系にサンデーサイレンスの血が混じっていない国産馬はほとんどいないだろう。

重賞クラスとなれば尚更だ。たまにキンカメと非サンデーサイレンスの配合があるだけ。

つまり現在の日本ではサンデーサイレンスの血統に対してどういう相手をつけるか、ということしか考えられていない。

(言葉が過ぎるが言い過ぎというほどでもないだろう)

(更に遡るとサンデーサイレンスにはヘイルトゥリーズンがある。この祖父の血統もまた強く、シンボリクリスエスなどもこの血統であり、アンコイルドのジャイアンツコーズウェイの母系にも同様の血統が見られる。世界を股にかける大種牡馬だ)

(さらに言えばリアルシャダイもこの血統。蛇足)

サンデーサイレンス(面倒くさいので以下SS)の血統にはどんな馬がいるのか。

古い順に・・・

ダンスインザダークステイゴールドスペシャルウィークアグネスタキオンマンハッタンカフェデュランダルネオユニヴァースゼンノロブロイダイワメジャースズカマンボハーツクライディープインパクト

種牡馬として一定の成果を残しているものでもこれだけいる。

スズカマンボは今年の牝馬2冠メイショウマンボの父。それ以外は凡庸)

(上は現役時にG1勝ちのある馬である。例外としてサムライハートなんかが種牡馬として活躍している)

このSS系種牡馬が大いに幅を利かしているのが現状だ。

大きく対抗しているのがキングカメハメハということになるが、SS系の母を持つ産駒も多い。

ところが完全に「非SS系」を貫きながらもめちゃくちゃ強い馬がいる。ロードカナロアだ。

スプリント路線を荒らし回り、今年ではマイルにまで手を出した。そして勝った。めっちゃ強い。

着実に「非SS系」の血統が育っている証拠。喜ばしい。

しかし母系のSS系は決して馬鹿に出来ないのが現状である。

世代を経てそれは顕著になっていくだろう。例がスペシャルウィークだ。

母父としては一定の成果に収まったSSだが母父父(母の祖父)として2度目の成功が待っているのではないか。

(それにしたって非SS系種牡馬の存在が厳しい。ロードカナロアは王道距離の馬じゃないからな)

とまぁ、血統とは馬鹿に出来ないのだよ。

なぜならば淘汰されていくから。良い物を良い物を、と追い求める精神があるから。

(馬からしたら迷惑な話だと思う。)(用なしになった馬が静かに暮らせる牧場が出来たら良いのにね)

(用なしという言い方もひどいが競馬の常である)

(世の中の機械が全て消滅したら農耕馬として・・・いや、農耕は無理だろう。)

良血であろうとも現役時の成績が良かろうとも、産駒が駄目なら種牡馬としては駄目なんです。

その血統は残らないんです。

例えば安藤帯刀という名馬が戦国時代にいたけれど子孫は長州軍相手に敵前逃亡するのよ。

そういう子孫を残してしまうシステムってのは競馬界においては罪なんです。ギルティなんです。

良い物だけを残し、悪いものはなくす。

世界を狭めるような行為が続く。拡大と共に縮小が起きる世界。

ね?とりあえずまとめきれない段階まで俺は来てしまったんだ。どうしよう。

とりあえずそういうことで競馬の血統というのは狭い世界なんですよ。

その中で年間何百何千何万というレースが行われて血統に対する結果が生まれる。

その結果を受けて生産者ってのは配合を行うわけです。試行と結果がある。

セリの価格だって血統で決まるわけでしょ?(大体は)

血統は大切なんです。

ただし、例外はあるわけです。

というかその例外を包括しながら競馬の血統があるわけです。

馬券を買う、という意味の競馬の方も「試行と結果」が全てなんですよ。

可能性を絞る意味でも、可能性を広げる意味でも、血統を学ぶことは大切な気がするのです。

正直な話、コスモネモシンの悲劇を繰り返したくないのです。

いや、繰り返しては欲しい。だがその時は勝者でいたい。

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