砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

偉大なる兄

ブラッド・スポーツってのは伊達じゃない。


兄弟対決ってのはやはり燃える。

最強三冠馬ナリタブライアン

最強古馬ビワハヤヒデ

最も話題性のある兄弟対決はこの争いになるでしょうか。実現はせず。

でもこの御方らは全兄弟ではないんだよね。

今最も熱い全兄弟と言えば・・・

何になるだろう。

少し前ならドリームジャーニーオルフェーヴルだっただろうかね。

直接対決云々は無理だったけどG1を制しまくりの恐るべき馬だった。

アベレージを言うならディープ×クロウキャニオンか。

4頭全てがG1に出走するというとてつもない配合。

(4頭だよね?ボレアス、マウントシャスタ、カミノタサハラ、ベルキャニオン)

「兄より優れた弟云々」

って話になるとディープインパクトブラックタイドになりましょうか。

兄のブラックタイドスプリングSを制した重賞1勝馬

ところが一つ下のディープインパクトはG1を7勝した「日本現代競馬の結晶」。

このディープインパクトと全兄弟、ということで兄貴も弟も種牡馬として余生を過ごしているわけです。

(兄のブラックタイドの他に弟のオンファイアってのもいる。)

ブラックタイド産駒の方がダート戦績が良い、とかの違いがあるのも面白い話)

もう少し遡ると・・・アグネスフライトアグネスタキオンがいる。

アグネスフライト武豊駆るエアシャカールを相手にダービーをハナ差制した馬。

エアシャカールは森厩舎だったかな?皐月賞菊花賞を制しているからハナ差で三冠を失ったことになる。

結果としてストップザ三冠の立役者となったアグネスフライト

古馬になってからはパッとせずに引退。

その一つ下からアグネスタキオンが出る。

あれですよ「幻の三冠馬」とか洒落た称号を得た底知れない名馬。

デビュー以来無敗のまま皐月賞を楽勝。しかし故障に泣いて引退。種牡馬入り。

種牡馬としてはダイワスカーレットという史上最強牝馬を出したり、ディープスカイというオールラウンダーも出した。

ディープスカイは初勝利まで6戦かかったもののそこから一気に大覚醒。

07年10月から08年6月初頭まで11戦を走り、キングカメハメハ以来となるNHKマイルC、ダービーの変則二冠を達成。

名対決となった08年の秋の天皇賞・・・ウオッカダイワスカーレットの直接対決では3番人気。

最強古牝馬を相手に0.0秒差の3着。ジャパンカップではウオッカを打倒するも伏兵スクリーンヒーローに敗れる。

春初戦は大阪杯だが元祖ステマの化け物ドリームジャーニーに及ばず。コレもクビ差の接戦で2着。

次走の安田記念は東京専用機のウオッカに完敗。4分の3馬身差で2着。

その次の宝塚記念もやはり元祖ステマに敗れる。

ウオッカらと叩き会えるスピードはアグネスタキオンの血統そのもので、

急逝したアグネスタキオンの後継として故障を機に引退、種牡馬入り・・・。

ところがディープスカイはバリバリのパワータイプとしての側面を見せたのだorz

走る馬はみな道悪で走る走る。ていうか道悪でしか走らないorz

ダートで走ったりしちゃってよくわからないことになっている。

話を戻して。

アグネスタキオンの全兄としてアグネスフライト種牡馬入りしたのだが・・・

全くと言っていいほど活躍馬を出さないまま引退。ダービー馬という華々しい戦績と裏腹に惨めであった。

そのアグネスフライトがWP8で朝日杯、皐月賞、ダービー、と連勝中。

「こなくそっ!」

血統ってのは本当に大事ですよねぇ。

エルコンドルパサーというインブリードの神様みたいな馬がいます。

外国産馬ですが日本人が生産した馬ですかね。おそらく。生産もオーナーも渡辺隆名義だし。

昔からオーナーの方々ってのは海外拠点を持っていたりするんですね。

フサイチペガサスなんかもいるし、エイシンの馬主も海外で馬作りしてるよなぁ。

エルコンドルパサーキングマンボ×サドラーズウェルズ×シアトルスルー×(リザベル)

ニアリークロス、同血クロスなんかが濃い。

そして非サンデー系。トニービンブライアンズタイムなんかのたぐいもない。

サンデーサイレンスの良い所ってのはほぼ完璧にアウトブリードになることであるらしい。

だからサンデー×ブライアンズタイムってのは微妙に成功しなかった。

(サンデー系のゴールドアリュールと母父ブライアンズタイムはダート向きに成功するんだっけ?)

ブライアンズタイムサンデーサイレンスは遡れば同じヘイルトゥリーズン系)

なので肌に回ってしまえば濃ゆい血を受け入れられる。

エルコンドルパサー、母父サンデーサイレンス、という最高のニックスはかくして生まれた。

日本人の所有馬で初めてジャパンカップ3歳制覇を成し遂げたがこのエルコンドルパサーだったりする。

(後にジャングルポケット内国産馬で初の3歳制覇。)

NHKマイルC勝ちなど、当時の規定の都合上マイラーとして使わざるをえなかったが

ジャパンカップでは見事に中距離馬としての本気をみせた。(当時のクラシックはマル外の出走ができなかった)

ジャパンカップは全盛期を過ぎたエアグルーヴにコンマ4秒差をつける完勝。

4歳は海外に拠点を移して挑戦を続けた。凱旋門賞を2着。

で、種牡馬入り。残念ながら3世代を残して急逝。

その3世代が抜群の動きを見せた。

重賞馬は8頭。G1制覇は3頭。

特にヴァーミリアンはG1相当を9勝。

川崎記念を隔年2勝。JBCクラシックを3連覇。ジャパンカップダート帝王賞東京大賞典フェブラリーステークスなどを勝利。

その産駒が今年とうとう出走してきていますな。

その母はダイワメジャーと同血で母父はやはりサンデーサイレンス

すると大活躍はイマイチ期待できなさそうである。

サンデーサイレンスによる血の希釈、そこからのエルコンドルパサーが一気に濃縮。

このバランスが最高に良くてエルコンの種牡馬実績は跳ね上がった(らしい)

更にサンデーサイレンス肌ってのは良血が多かった。

ヴァーミリアンはそれの最たるものと言っていいでしょう。

ディープインパクトステイゴールドに非サンデーのお嬢様が集合したわけですよね。

それを超えるくらいの名血お嬢がエルコンドルパサーに集まったはず。なんたって凱旋門賞2着だ。

例えばハーツクライの母親なんかにもエルコンドルパサーはつけられているしね。

これにネオユニがつけられて現3歳牝馬の最終兵器とも言えるオメガハートロックがいます。

エアグルーヴの半姉にもエルコンはつけられてる。これにファルブラヴがつけられてアイムユアーズです。

アイムユアーズはゴテゴテのとんこつラーメンみたいな馬ですね。内回りの鬼です。

そういったこともあってヴァーミリアンが父の様な活躍が出来るかと言えばイマイチ分からん、と。

母父エルコンが上のように成功している面もあるし失敗はないだろうけど。

栗山親分のブログでちょうどヴァーミリアン産駒の話をしてたのが書き始めのきっかけでありまして。

(親分、とつけたのはなんとなく)

「お、トチノニシキの孫が頑張ってんのかっ!」と。

「へ?サンデーサイレンスクロスで芝向きになるの!?ロマンあふれるぅっ!」

って事を書きたかった。でも聞きかじりの言葉がトントコトントコと溢れて収集が尽かなくなってしまった。

ともあれ、エルコンドルパサーノーザンダンサーで弄ってなんぼなんですね。

ミスプロは父からの一本で良いようです。

なんやかんやでヌレイエフで継続クロスさせたりするエアジパングみたいのもいますが

そういう場合は劇薬とも思えるアウトブリードがガツンと主張されております。

エアジパングの母父はHaloでここはなんにも弄くられておりませんね。

「緊張、緩和のリズム」ってやつですか。

サンデーサイレンスクロスのノットフォーマルという馬も母母がアウトだしなぁ。

母母のトロフィーポイントはオジジアン×マジェスティックライト×バックパサー

ロイヤルチャージャーやウォーアドミラルなんかのクロスはあるけど現代のメイン血統は全くのゼロ。

あれじゃないですかね。隠し味の集合体。

それに濃厚なインブリードを投入するマンハッタンカフェヴァーミリアン

・・・エルコンドルパサーってインブリードしてなんぼ、みたいなイメージになってきた。

いつか自身がクロスされる日がくればいいね。

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