砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

東京優駿展望 ペース

逃げ馬がいないのである。


皐月賞クラリティスカイが淡々と逃げていった様にまともに逃げられる馬がいないのが実情。スピリッツミノルは出ムチまで使って行くくらいだから綺麗には逃げてくれなくて、ムチで追い立てる分だけ2F目に無理が出るから道中はスローで刻みたい。京都新聞杯の終い1Fは11.6秒だ。

しかしミノルはミノルでアビ≒ストームザミント2*2を肝とし、母父にラムタラを据えたスタミナ配合だ。距離延長は間違いなくプラスで、中距離血統のサンデーサイレンスが遠いことにも意味はありそうだ。ただ酒井学は仕掛けどころでは度胸が良いけど道中は余力を残そうとしてスローに落ち込ませやすいタイプだ。13秒を見ることはないにしても12秒後半を2つ3つ刻みはするだろうなぁ。

だから度胸の良い2番手3番手が前半で余力を残せるならばロングスパート・・・それも前崩れ気味に誘導されるはずだ。コメート嘉藤がいるし、コスモ大知がいる。二頭とも東京2400mで積極騎乗をするにはバックボーンが薄いけれど条件が揃えば早目の仕掛けで後ろを離しに行くしかないだろう。

そういう展開になればドゥラメンテが得をするんだよねぇ・・・。ジワジワと加速する展開になればエアグルーヴ牝系が躍動するんだろうな。

もし「本来の京都新聞杯勝ち馬」ってのを選ぶとしたら毎日杯勝ちのミュゼエイリアンだろうか。スタミナ豊富に長く良い脚を使うのであるから・・・昨年のハギノハイブリッドみたいなものだと思う。同じRoberto直系であるしね。さすがにキズナみたいな持続切れは持っていないけれども・・・。

そのミュゼエイリアンが横ノリ騎乗だから・・・まず間違いなく先行を狙ってくる。もちろん狙うだけであって、無理だと思ったら極端に下げるのも横ノリさんである。ゲートさえ上手く出てくれれば逃げ先行の薄いメンツだから前受けするはずなんだ。折り合いがめちゃくちゃ難しい馬ってことではないしね。

基本的に「中団に据えたい馬+差し巧者」がそろったレースだからスローは内定している。ペースを乱そうとする騎手は少ないし、そういう競馬が上手い馬もいない。ミノルのマイペースになると考えりゃ終いが活きるドスローでしょ。東京2400mなら4Fスパートはない。3Fまで落としたまんまだ。後ろが追い立てない限りは・・・。

嘉藤と大知がいるから追い立てるとは思うんだよね。あと和田竜もいるし。ポルトドートウィユ武豊もしぶとい脚を使うエアグルーヴ牝系であるからジワジワとスパートしてくるだろうし、ミュゼエイリアン横ノリにしたってのんびりとした3F競馬に付き合うタマじゃないだろう。

スローから緩やかな4F競馬。今の馬場だと終い1Fは11.8くらいで収まりそうなんだよなぁ・・・。ドゥラメンテが前受けするならば余裕で届かせるだろうが、外からではハナ差クビ差で届かないという読みでも間違いなさそうである。

もしもサトノクラウンがロスなく中団からパッと抜けてきたならば・・・負荷のかからない展開ならドゥラメンテ破りもありえるだろうし、こういった展開ならリアルスティールもまた信頼度は高い。

だけどドゥラさんはドゥラさんであの脚を披露しているのだから・・・外外をストライドロスなく走ったら簡単に差しきっちゃうんじゃね?と思える。4Fくらいのスパートを軽くこなせるでしょ。あの馬は。

でも内々でストライドを伸ばさせながら4角で外へ大きく開く・・・というアホな騎乗をした末脚だから手放しでスゴイスゴイと誉めるのも違うんだわな。ミルコがコントロールしきれなかったのは手前によるものが大だろうが、スピードに乗りすぎていたせいもある。だからストライドロスと距離ロスを最小限に抑えた中山における最高の騎乗だったんだよ、あれは。馬の能力を間がれば33.9秒の末脚は当たり前だろう、と。

でも・・・仮にドゥラメンテサトノクラウンのさらに外へまわしていたらどうなっていただろう?結果を思うとサトノクラウンクラリティスカイは交わせていたとかんがえられるじゃない?さらにブライトエンブレムも交わしていたら?もうそれはすごい馬だよねぇ。間違いなくとんでもない馬だ。

でも実際にやったのはゴルシのワープ事件と大差ない。馬場悪を通ったか斜行をかましたかの違いだけ。進路による部分が大きいのだから「すごい上がりを使った!」とはあんまり思えないのよなぁ・・・。ストライドロスなく経済コースを通ったドゥラメンテが高速上がりを使ったからなんだというの。そんなの誰も測る尺度を持たないんだからすごすぎてよく分からんって。

でも大外まわして3着4着なら「ワンアンドオンリーディープブリランテあるぞ!」とわかりやすいじゃん?過去の勝ち馬なんかと比べることが出来るんだから買いやすいだろう。しかし差し競馬で挑んできそうなんだから「ルーラーシップの甥が差し追い込みかぁ」とトーンダウン。ルーラーシップだって先行策でG1を勝った馬だしさ。でも気性が荒いからコントロールは非常に難しそう。

そしてそもそもミッキードリームと16分の15が同血なのだ。16分の1がどれだけ大切かってのを承知でいうけれどもね。それでもナタ切れっぽさとかは変わらないし(むしろガーサントの分だけナタ切れっぷりUP!)、本質的には先行タイプの馬だろう。でも気性の荒さがあるから距離延長の分だけそっと出しておきたい、というのはあるでしょ。

でもキズナにしても差し追い込みがベストではない。モチジュン先生が「佐藤哲三でのキズナも見たかった」と仰る様な馬だ。横ノリが追い込み馬を逃がすこともあるように、逃げと追い込みの適性は曖昧なのだと思う。ゲートで決まるんじゃないかな?

先行馬の差し追い込みでも展開次第では届くのが東京優駿なのだ。終い11.9秒でキズナは届かせてきたのだ。・・・よくよく考えるとあれってエピファネイアが勝ち切ったはずのレースなのにディープの化け物が一頭だけ無理矢理届かせてきたんだな。逃げたアポロソニックだって残っているのに16~14番手あたりにいたキズナが差し届かせるんだもの・・・。

それならドゥラメンテが届かせてもおかしくないな。さすがに11.6秒くらいで締めるレースになれば違うだろうが、11.8秒なら届かせるかね。11.9秒なら間違いなく届かせてくるだろう。

コンマ1秒溜めるか溜めないか。そんなシビアなレースになりそうだなぁ。

[fin]