砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

神戸新聞杯とオールカマーの回顧

ルメール×Buckpasserがここもトニービンの脚を封じる

キセキはルーラーシップ×ディープインパクトで母はグレーターロンドンの全姉。2代母ロンドンブリッジは「ND+Prince John」の相似配合で、母はディープインパクトの持つ「ND+Princequillo」のスピードを増幅した形。ルーラーシップはこの類の速さに頓着しない種牡馬であるから、「Nasrullah×Hyperion」の影響を強くした中距離馬に出たのは順当。

しかしこうした持続力と瞬発力を封じるのがルメール×Buckpasserの仕事であった。前に強い逃げ馬や先行馬がいると破綻する競馬であるが、こうして後方からの仕掛けにはめっぽう強い。長い脚を追い込んでこようとも11秒前半の脚が延々と続くわけもなし、むしろ残り200mで突き放してしまう。

・驚天動地の秘策、マイネル大知のドスロー&4Fド瞬発

よくよく考えてみるとマイネル軍団はみな3角前からまくって行った行ったをしたり、後続に脚を溜めさせないスパート戦を中山で実践していたのだ。だからこそ俺はロングスパート巧者をチョイスしたのだが、信頼できない中山外のラップと言えども、これでは反応することは出来ない。

やっていることは田辺の東京逃げ切りである。「登り切ってから少しだけファイトバックしてくれるなら、あとは惰性で入線できる」という考え方であるが、それを中山でやるのかと。L100mで登り切るレイアウトなんだけど・・・。

あるいは若武者田中博康エリ女である。いずれにしても中山でやるには無茶過ぎる戦術であるが・・・確かにこのメンツが相手なら有効な手立てだ。俺の本命馬はみんなゴールドシップしちまった。

ルージュバックを勝たせたのはヒロシではなく戸崎だろう。塞翁が馬、結果として馬に馴染んだ主戦の仕掛けと同調することとなった。ルージュバックにああいった強い負荷の続くスパートを踏破するものはなく、あそこで少し溜めが入ったからこそ登坂後に一伸びした。

ミルコが外回り馬を中山でエスコートする時に使う手法でもある。早めにストライドを伸ばさせて、4角でやや取り残され気味に脚を溜める。そこからもう一度伸びさせる、という。ドゥラメンテもそうなる予定だったわけだが・・・あれは馬のエンジンを見誤っていたよなぁ。手応えが良すぎて強引に前を退ける必要が出てしまった。今年のペルシアンナイトではクリーンにやっている。

しかしこれほど戸崎のために後方が膠着したレースも久しぶりで、最後に見たのはおそらく・・・有馬記念ジェンティルドンナ。どれほどレースが動こうとも主軸に居座り続けて最後はきちんと差し切ってしまう。この騎手って何か磁場でも発しているのかってくらいにすんごい位置を取って勝ち切るんだよなぁ。

でも今回は引き寄せすぎた。北村宏司エイシンフラッシュ三浦皇成をやっているのを傍目に差しきれたはずである。

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