砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

いとしきみんなのエルコンドルパサー クイーンS予想

ウイポでは絶対に延命させる大好きな馬だ。


キングマンボ直系馬というとレモンドロップキッドとかキングズベストなどがいて、あとはアルカセットとかかな。ウイポの話を引きずると系統確立が微妙に面倒なラインに位置する。

主流はキングズベストで4分の3姉には世界的名牝かつ名繁殖であるアーバンシーがある名血で、この産駒にはガリレオシーザスターズがある。キングズベストの産駒にはワークフォースエイシンフラッシュがあって、親子ともども日本で種牡馬生活をスタートしており活躍が期待される、と。日本にはまたキングカメハメハもいるしね。

これらのラインナップの通りにミスプロ系にしては芝路線に特化した系統で、Sadler's Wellsとのニックスもあってそれは一層加速する。このニックスを最速で実践したのがエルコンドルパサーであり、その血の濃厚を一手に引き受けて希釈させたのがサンデーサイレンスであったのだ・・・。

そのニックスをダイワメジャーと血の間柄となるスカーレットレディを相手に行ったのがヴァーミリアンで、これはダート路線で無双の活躍・・・。ううん、二つとないわけじゃないかな。一流ダート馬として標準程度の活躍。まぁ最多賞金額とか最多G1(Jpn1)勝利とか、その程度だからね。8歳までダラダラとした現役生活の末だから。標準標準。

エルコンドルパサー自身は芝向きの産駒も多く出したし、ヴァーミリアンの様なダート馬も多く出した。アイルラヴァゲインというスプリンター(といってもこれは母トキオリアリティーの影響力が半端ない)も出し、ソングオブウインドという菊花賞馬も出した。その上ダートの帝王まで輩出したのだからエルコンのオールマイティっぷりはすごいものである。

ただスカーレッドレディってのはダイワメジャーと同血だがダート的な何かを伝えるんだね。ダイワメ産駒はダートをさっぱり走らないもんだが。カレンブラックヒルコパノリチャードとか、道悪に強いからダートを走らせてみて散々な結果になっている。

だけど父の母としてはダイワメジャー的な役割を果たす様子で、ヴァーミリアンの産駒で芝を勝っているのは3頭。2頭がサンデークロスで1頭がノーザンテーストクロスになったカーリーエンジェルの娘。

ノットフォーマルがそのサンデークロスの一頭。母父マンハッタンカフェ。マンカフェってのもまた米血パワーでズドーンズドーンと走ったり、サンデーサイレンスの柔らかさで中距離から長距離までをこなしたりとなかなか大変。

基本は柔軟な馬体を伝えるのだが、それを何で堅めるかでえらい違いを生む種牡馬なのだね。なんたってRibot直系の王道その一、Allegedを抱えているのだ。ちなみにその二はKey to the Mint。ダンスインザダークと同様にRibotの名血を抱えた馬は長距離的な産駒もパワー突進スピードの産駒も両方出せるのだな。

ダンスインザダークも母父としてとうとうG1馬を出したわけであるからマンカフェも母父としてなんかやってのけて欲しいものだが・・・。非ノーザンダンサーのメリットを超えるものがダンスにはあるのかもしれないからなぁ。ラブリーデイほどオールマイティってものに特化した馬も珍しい。キンカメの底力とも言えるのだろうが。

マンカフェのA級産駒はみな母がノーザンダンサークロスで、例外はRibotクロスを使ったスタミナ馬orダート馬。超例外は母父メジロマックイーンのスタミナを加えたラブイズブーシェとなるだろうか。繁殖作りとしての観点から考えるとノーザンダンサークロスというのは難しいもんで、非ノーザンダンサー種牡馬や一本しか引かない繁殖牝馬は有用ではあるが、超長期的に考えれば少し難しい話。Hyperionだってハイインローの形で3*4くらいのニアリーを抱えていれば数世代後には非常に便利な繁殖であろう。

だからNijinsky×Key to the Mintのダンシングキイとか、マルゼンスキー×セントクレスピンのキャンペンガールとか、Alzao×Bustedウインドインハーヘアとか、トニービン×Lyphardアイリッシュダンスとか、こういった配合系の母を持つサンデー系こそが長期的にも有用なのだろう。何故ならばサンデーサイレンスノーザンダンサーはニックスの関係にあり、ノーザンダンサーHyperion血脈もまたニックスなのだから。

なのでマンハッタンカフェはそういう「ノーザンダンサー的名繁殖」の嫁さんを相手に一流馬を出したかったわけなのだが、残念ながら名種牡馬サンデーサイレンスだからこそこれだけの嫁さんが集まったのだわなぁ・・・。マンハッタンカフェの母や自身の配合がダメというつもりはさらさらないよ?近親にはビワハイジがあって、全妹のマンハッタンフィズからは重賞勝ち馬が2頭出ている。またルージュバッククイーンズリングという評価待ちの馬はいるのだからマンカフェ自身もまた評価待ちの段階(数十年後くらいに評価は定まると)。

難しいよなぁ~。大抵のサンデー直仔は自身の抱えるノーザンダンサーを弄ることで大物を出すわけで、SSという日本の競馬史を塗り替えた馬とNDという世界の競馬史を塗り替えた馬のスーパーコンボで配合を成立させているのよ。マンカフェなんてRibotという地味な名血(いや超優良種牡馬なんだけども)を相手にしないといけないわけで、流石にNDを比較対象とすると長打力も打率も劣ってしまう。

だからマンカフェもNDをスイッチとしたら後継が出てしまえば上のメリットをディープ直仔、ハーツ直仔、ステゴ直仔に対して持つことが出来る。だけどそれが出てこないんだわなぁ・・・。

そういう「次世代」に繋げたいマンハッタンカフェを据えた意味を考えるとノットフォーマルって素晴らしい配合形なのよ。父ヴァーミリアンはND5*4*4の緊張をサンデーの緩和で乗り越えたエルコンドルパサーの王道配合だということはかなり上に書いた。しかしこの配合には次がなくて、NDクロスの緩和が難しいという弱点だけしか見当たらない。スクリーンヒーローみたいに「2分の1ND」の組み合わせで乗り越える方法もエルコンさんのおかげで難しいからね。

だけどこういった強い緊張を上手に上手に交わしてきた歴史を競馬ってのは持っていて、「緊張している?緩和出来ない?jそれなら以前緩和した血統を緊張させればいいじゃない」ということをイギリスさんはやってきた。そのイギリス的手法をノットフォーマルはやっているわけだね。

少し気になるのはMr. Prospector≒Majestic Prince。ノットフォーマル自身はミスプロ直系で、それに触るべきか触らぬべきかが少しわからない。ここでニアリーすることで次の世代のミスプロクロスが光るのかもしれないし、その逆かもしれない。4分の1異系をとることがベストなのか、それともNDを除いた相似配合としたことがベストなのか、難しいな。

次はおそらくミスプロクロス・・・もしかしたらKingmamboクロスを土台とした相似配合か緊張と緩和をとることになるだろうし、その時はラトロ血脈を緊張させるダート馬かスプリンターで大成するのだろう。Woodman直系かSeeking the Gold直系とかを相手にするのかなぁ。アドマイヤドンin韓国とかマイネルラヴとかモンテロッソとか。あとはRibotの緊張も試みるアイルハヴアナザーという手も・・・ないかなぁ。トワイニングというのも面白かっただろうが。

ということで結構長期的に考えた馬なので現時点では好配合ではあるけど走りに繋がる配合形ではない。芝馬の母父として期待できそうではあるけれど芝馬の父としては少し無理がある気もする。だけどサンデーサイレンスクロスで芝重賞を勝ったという事実が楽しい。

父がダート馬のわりに脚さばきが綺麗なのはその影響であることに違いなく、そして中山マイルってのは芝馬の俊敏性よりもダート馬の持続力で踏破できる事は一昨々年のアジアエクスプレスでも分かる。エルコン的持続力でダートG1(Jpn1)を勝ちまくったヴァーミリアン直仔(脚さばき良好)ならば中山マイルはベスト条件。そして中山マイルが得意なスプリント勝ち馬というのはクイーンSで買いたくなる。

SSクロスということはつまりHaloクロスでもあるわけで・・・。そしてHaloクロスということはHail to ReasonクロスでもあるのでSadler's Wellsにも通じている。この父系からの継続がまた妙味ありの楽しいところ。

でもHaloを弄くると芝の鋭さがオンになりやすく、Halo≒Sir Ivorディープインパクトがそうであるように外回り的なイメージの血統。だけどネオユニヴァースダイワメジャーなどがそれを使うことで素早さを補完していることから、ヴァーミリアンにおいてもそれは有効だろう。

というよりもスカーレットレディ自体がダイワメジャーと同血なのだからダイワメジャーの黄金配合に近い方法で底力や芝向き鋭さを補完できるはずだ。だからPretty Polly弄りがあればちょいとおもしろかったんだが・・・どうもエルコンドルパサーで走っている様に見えるから必要はないと言えばないのかもしれんね。

ノットフォーマルのケツの下がり方はエルコンらしいがモーションはまるで似つかない。これはサンデーサイレンスクロスの影響だろう。だから東京マイルをスローで受けて33.6秒で追い込むことくらいはできて、12.3-11.7-11.2-11.3の流れから最後まで脚を持続させながら前へ迫るくらいは出来る。小回りをスパッと切る類の脚ではなく、持続力で押し切る脚だ。

ドスロー桜花賞では二番手でのんびりと追走。前に突き放された後は馬群に飲まれそうになりながらも踏ん張って踏ん張って、最後の最後に外差し勢にバーッと差された5着。差したのはクルミナルにコンテッサトゥーレ、クイーンズリングだけ。

このサンデーらしさを持ちながらも息切れして負けたことがないというのは馬券的財産だよ。レッドリヴェールという持続戦の鬼はいるけれど、こっちだって底は見せていない。鬼の様にHyprionを組み込んだこの馬をなめちゃいけない。Alibhaiの(ニアリー)クロスなんて数えるのが面倒くさいくらい山ほど詰まっているしハイインローだってFlower Bowl≒Tuder Minstrel≒Hillary≒Aristophanesなどがある。

・・・

ありゃ。La Menina=Gay Hostess6*6なのか。ほへー、スカーレットインクの牝系をクロスしてるとは知らなんだ。しかもAlibhai×Mahmoudと言えばDetermineもそうだろう?そんでよくよく見てみればFlower Bowlが上の姉妹と父を同じくする姪っ子だ。。La Menina=Gay Hostess≒Determine≒Flower Bowl6*6*8*8だわ。

無茶を言えばLady Angela≒AlibhaiとNearcoとMahmoudが共通してLa Menina=Gay Hostess≒Northern Dancerというのも一つだわな。上のニアリークロス群にNorthern Dancer5*5*6が加わるということだなっ!愉快な話だぜ!

これって結構安上がりな馬を並べてるけれどめちゃくちゃ凝った配合だな。枠の有利不利でレッドリヴェールを退けることもあるんじゃねぇの・・・?

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