砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

オルフェ=ドリジャニのSSパワー

彼らがクソみたいに鋭く動くのは緩和材料としてのサンデーサイレンスが強く作用しているからだ、と。

奴らの脚は良質な刀の様であり、4振りの刀が芝を切り刻みながら走っている。つまり脚自体がもう靭やかなわけで、横に反っても大丈夫なんじゃないかと思わせるくらいだ。

その靭やかさの源泉であるSSをクロスすることで「(競走能力を除外しない範囲内で)柔らかすぎる」産駒を出すことが可能とする・・・と思う。

ただオルフェ=ドリジャニにはSSクロスは早いのだわ。もう少し熟成させたい気持ちがある。

というのもこの配合のモデルをHyperionとすればAureoleの様に一定の異系を保つことで競争能力を阻害しないはずなのよ。ND緊張を恐れる必要はさほどない。・・・ないと言えばないけれど強い馬作りを考えたら必要はあるよなぁ。

戦前と戦後では競争能力が違うはずで、特に二十世紀後半から現代にかけては馬のスピードはひどく向上しているはず。だから古い配合論はあんまり意味をなさないだろうなぁ、と。セントサイモンは偉大だったかもしれないが実際にセクレタリアトフランケルダンシングブレーヴと競わせたら案外だろう。

だけどラブリーデイみたいな配合でもあれだけ走るわけだから配合論の根っこはさほど変わらないようにも思える。難しいもんだいよねぇ~。

話を戻してAureoleの配合。これはセントサイモンに対してCylleneとHampton系をクロスすることで異系を取っている。だからオルジャニもRoyal Chager系とかNasrullahを重ねることでノーザンダンサーの緊張はそんなに気にはならないだろう、という予想。

いや、ネアルコを重ねるのは違うかな。せめてNasrullah≒Royal Chagerとしてもう一つ違うものを・・・やっぱMy BabuのToulbillon系かね。あとはちょこちょこVictoria Park的な米血をちょいちょい入れるとか、Hyperionを違った方法で入れるとか。

つまりはグランマスティーヴィンスを弄りなさいってことよな。ここいじっておけば多少のノーザンダンサークロスは許すぞ!という意気込みが聞こえるっ!

ノーザンテーストニアリーも有効かもしれないが・・・うーむ。Storm Bird×Lyphardなんかを重ねて見たいな。ノーザンテースト≒嵐鳥でNDとChop Chopをクロスして、嵐鳥≒LyphardでNDとHurry OnとGainsboroughをクロスする・・・!そして残ったFair Trialを好相性のSpecialで回収するって仕組み。あとMy BabuはDamascusで弄ろうかねぇ。

そんな繁殖いねぇよ。ウイバリ肌にしか。

[追記]

SSクロスの成功ってのはやはり足し算引き算の仕組みが必要であると予想されて、過去にそういう性質の血統がクロスによって成功したかと言えば案外そうでもないんじゃないか・・・と。

Mr. ProspectorNorthern Dancerのクロス密度の違いはそこにあると見えて、競争能力を阻害しない比較的中庸的な血がクロスで成功した歴史がある。サンデーサイレンスがそれにあたるかと言えばそうでもなくて、これはどっちかと言うとMr. Prospector側の血であろう。

ヴァーミリアンのサンデーの使い方はゼンノロブロイワークフォースに対するミスプロと同じに見える。(モチジュン先生はこれらの馬のミスプロクロスは靭やかさを増すとおっしゃる)

なので「頑強な父母がその間でSSクロスを行う」という厳しい条件がある。ノットフォーマルの父は砂の名馬ヴァーミリアンで母自身は未出走だがその全兄はダート馬。ダート×ダートでは大抵の場合でダート馬が出るが、それをSSクロスで芝の重賞馬を出したという図式である。これだけの影響を出す血のクロスは手を出しづらい。

SSクロスには「強烈なパワーを伝えるSS持ち馬」が必要である。それは「SSを以ってしてもパワーを緩和しきれなかった」という強烈なパワーを持っていなければならず、SS直仔のラインナップを見てもそんなおかしな種牡馬はいないのだわ。

いるとしたら母父SSの種牡馬。それも父系が強烈なパワーを伝える奴!もしルーラーシップキングカメハメハの強靭を伝えるならばドゥラメンテは有力かもしれないな。あとはティンバーカントリー直系のアドマイヤデウスとかも有力だしワークフォースもそういう配合で馬を出すならば面白そう。そしてハービンジャークロフネフレンチデピュティなどのノーザンダンサー系よな。

あともう一つの可能性としてSSクロスが芝的頑強を伝えることもありえる。こればかりは配合によるから試してみなきゃ分からないんだが、米血の収まり方次第では「ミスプロの靭やか」と同じように「サンデーの硬さ」が表現される時もあるのではないか。

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