砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

届かせ方は馬それぞれ 関屋記念予想

決まった血統要素とか配合形ってのがないレースなんだな。


レッドアリオンスマートオリオンでいいと思うんだが・・・前半1000mを12秒前後でダラダラとラップして終いをビュンっと弾けるのが関屋記念で、それを千四馬の持続力+小回り瞬発によって踏破してもいいし、中距離的な瞬発力で3Fをビュンっと駆け抜けてもいい。600m超の長いストレートがこの不思議な傾向を支えている。

ロングストレートとは言え平坦コースを持続ラップでジワジワとやるのは中距離的差し馬には非常に有効で、息が入らない展開を33秒で弾けるというのは難しい話なのだ。だから中距離馬は別次元で競馬をしなきゃならないわけで、それってつまり浜中デニムin宝塚と同じことをしなきゃならないのだわ。

(inじゃなくてbyかも。)

それよりも中距離馬のネックになるのはスパイラルでも複合でもないノーマルカーブで、前を淀みなく受けてから直線に入ってからスッパァーン!と音を立てて突き抜け始める千四馬を相手にすると加速力不足が否めない。重賞級中距離差し馬の身上とは4F的な鋭さであって、ノーマルカーブだとそれを少し発揮しづらい。みんな大好きジャスタウェイなんかはあと1Fくらい延長しても12秒くらいで突っ込めそうな脚色だった。

複合コーナーの東京だと3角からペースを上げて4角でフワッと広げる、それで淀みなく流れ込めるんだがねぇ。だから例え中距離馬とて3F瞬発で走らなければならない。ストレッチランナーが躍動しそうな舞台だが、実はそうでもないのだ、と。

サトノギャラントが新潟だけ好成績なのはこれが原因。スパイラルカーブをこなす機動力はないし、複合コーナーを好む持続力もまたない。だけど3F限定の瞬発力では重賞級なのだと。北村宏司が横ノリチックに別次元で受けてからの3F瞬発。「前が鈍れば儲けもの」という度外視競馬でしか走れない悲しい馬なのだわ。牝馬的とも言える。

これで函館を好走しているのはなんでだろうなぁ。登りを苦にしないのか?それなら阪神千八とかミドルペースの東京千八の方が頑張れるんじゃなかろうか。

アルマディヴァンはラトロ的突進力をハイインローを重ねることで持続力増し増しにした、という1400m馬で、よくよく見てみればバランスの取れた配合だからこれを前走で買えなかったのは失策。「父メジロ母父メジロとかネタ馬じゃん!!!」とVMで騒いでいたのを引っ張ってしまったのだわ。

母父×父母では名ステイヤーメジロブライトが出ているわけで、それを母母の極端なラトロ血脈がマルゼンスキーを刺激し、その米血がクリアアンバーに流れこむ。そしてそれをサンデーサイレンスが中距離芝へ寄せる。マイル志向の千四馬の出来上がりだ。

ラトロで短距離へ誘導しているから夏でこそマイルを走れるタイプだろう。前走はフロックではなく、メンバーの傾向は変わらないのでここでも好走は間違いない。妙味から言えばスマートオリオンよりこちらに頼みたいところ。勝ち切りまで。

似たような機動力持続力兼備の馬にはシャイニープリンスがいるかな。中山マイル好走馬と言えばメイショウスザンナクイーンSで穴をぶち開けていた。千四的加速と持続力で淀みない流れをぶち差すという観点から言えば似ているレースかもしれない。

関屋記念は結構中山外回り巧者が穴をあけていて、「淀みなく流れる」「ちょっと緩める」「4角をスルッと回る」「再加速!」という流れはまるまる同じ。スパイラルカーブと登坂の分だけ差しが決まりやすいが、その分だけ損をする先行馬をここで狙いたいところ。ハクサンムーンが新潟マイルを走るところ見てみたいなぁ。実績的に全く無意味な行為だけども。こう・・・サイレンススズカみたいな大逃げをマイルでやって欲しいのだわ。興味本位~。

勢いで突っ込むスプリント逃げ馬に持続力など入らないのだわ。差し返すなんて以ての外。行って行って「あー」と潰れるべき。それを活かすならばサンデーサイレンスの中距離誘導を信じて距離延長&大逃げよ。差し返す気力があるならば2Fくらいの休みを入れることでもう一回脚を使えるんじゃないかと。

いっつも「あれはサイレンススズカの特権ではないんじゃなかろうか」と思うのよ。でもメイショウナルトにはそれが出来なかった。武豊が「あ、持ってかれた。あかんわー」と抑えずに飛んでいった金鯱賞では華々しく散ってしまったものな。だから無責任にいろんな馬にそれを求めてしまう。なのにジャパンカップエピファネイアは考えなかったという大失策。

やはりスプリンターじみた加速力とサンデーサイレンス的なスロー溜めは両立しない。あんな柔軟性を持っているのになぜアレだけ鋭くゲートを出られるのか。逆もまた然り。

武豊ディープインパクトが敵となったときに乗りたい馬としてサイレンススズカを挙げたのは、おそらくこの馬が競馬の範疇を超えたところにいたからだと思う(といっても世界一サイレンススズカに魅せられた男だから、という理由が最も正しい)。ディープインパクトは競馬の中では強い。あの鋭い決め手とスタミナは常識の範囲内では最強だろう。だけど少しそれを逸脱したハーツクライに敗れたあたりに弱点は見えていて、サイレンススズカの世界ではディープは弾けきれないはず。あくまで中距離で迎え撃つという想定ならば。

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