砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

サンデー×Haloニアリー×Roman×ハイインロー

靭やかさを伝えるサンデー種牡馬二大巨塔と言えばマンカフェとディープ。この二頭はサンデーと相似配合を取ることでHalo的靭やかさをカバーしている。Romanパワーをよく使えるPocahontasを使っていることも大きい。

しかしRomanパワーとHalo靭やかのバランスを取ることは難しい。ゼンノロブロイは米血パワーが優っているために切れてからの先がないことが多く、そのくせストライドで走るから重賞級産駒でも競走馬として致命的なものを抱えていることが多い。

このゼンノロブロイに有効なのがHaloクロスで、これは前脚をピンッと伸ばすことに特化した配合。全体的な靭やかさには一歩足りないので、それ以上のものはTourbillonでカバーする。ペルーサは累代でクロスを入れているし、トレイルブレイザーRiverman×DamascusコスモネモシンIn the Wings(Sadler's Wells×Mill Reef)だ。靭やかではなく全体的な緩慢さを求めるのであればMr. Prospectorクロスだろう。

Hail to ReasonGold Diggerと見ればマイニング≒Haloとも見られる。ただこれはニアリーを根拠としたニアリーで、Nothirdchance≒Molly DogwoodやNasrullah≒Royal Chager、St. Jamesクロスなんかを根拠としている。Haloとマイニングの緩い相似配合と言った方が適切かもしれない。

なのでHaloクロスとミスプロクロスが混在することはゼンノロブロイ配合にはありえない、と仮説を立てて見たのだがハートビートソングがまさにそれだ。これがまた少し緩慢な馬でねぇ・・・。しかも手足がぶっとい。トニービン緩慢をアメリカン馬体で動かしている感じだろうか。

ただトニービンの緩慢というのは本格化によって改善される。その時に米血が作用していると手先の力強さにも影響が出るらしく、ハートビートソングは1年半の長期休養を終えると砂へ転向。目黒記念宝塚記念で見せていた少しの緩慢さは鳴りを潜め、Fair Trial+米血の回転力で休養後初戦のペテルギウスSを快勝した。

ゼンノロブロイの弱点でもあったハイインローの不足をトニービンで補い、残りの4分の3を米血統で相似配合的に組み合わせるという大技的配合。ステゴメジマックの黄金配合に似たものがある。

ロブロイ産駒はミスプロクロスを入れると全体のアクションが緩くなる。これにHaloクロスが入ると前駆も緩くなるので本来ならばまともに走る様なものにはならないのだが、トニービンを組み入れることで「4分の3米、4分の1英」の形をとり、これがサンデーサイレンスのハイインローだけをクロスする。そうなると緩慢な動きながらも我慢強く動く産駒が出来上がり、本格化によって米血+Fair Trialの回転力が表面化する・・・という仕組みだね。

対してステゴメジマックは母父のメジロマックイーンが強烈なスタミナ血脈=緩慢で、「ステイゴールド×メジロマックイーン」の段階ではふにゃふにゃであるはずだ。それをノーザンテースト(ニアリー)クロスで米血やPretty Pollyの本格化のパワーアップでガチガチの頑強へもっていく。ゴールドシップメジロマックイーンの馬体で柔らかに動くが、関節は強靭な筋肉に覆われていて動き自体は緩さを感じさせない。オルフェーヴルは脚がノーザンテーストだから柔らかく動いても回転力が損なわれない。

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