砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

まぎれなしの化け物 中山記念回顧

カオスモスは1400mに出走しているだけあって落ち着かない走り。前半3Fは36.5秒とスローだが800m~1200m間の3Fは34.5秒というハイラップ・・・というかこれはもう1400m戦のラップだ。森のオヤジは明らかにG2の出走手当目的だろう。1800mを見据えた調教が施されたとは思えないラップだよ。

おっそろしいのはドゥラメンテとミルコだ。前半の最速11.3秒を刻んだところで付いて行ってない。あくまでも淀みなく行って1400mの12.0秒・・・いや、これはちょいと眉唾ものだが遅くなったのは間違いないのだろう。この4角手前で少しペースダウンしたところを狙い撃って差を詰めている。

一部の関東騎手が得意とする「単独番手からの後方潰し」だ。ケイアイエレガント吉田豊VMでやったのと同じ理屈で差しを封じたのだわなぁ。もし外がふさがっていたり前に馬がいたりすればアンビシャスかリアルスティールに差されていただろう。ミルコの運びは完璧だった。

そして究極の後傾ラップを軽々とこなしたドゥラメンテが最も素晴らしい。12.9-12.1-11.9-11.6-11.5-11.6-11.7-11.1-11.5くらいで走っているんじゃなかろうか。(あくまでイメージ。多分Mahmoud様が上げてくださるのではないかと思う。くださらぬならサラブレですなぁ)

ジャスタウェイみたいな最強千八馬もいないしハイペースになればドゥラメンテの差しが決まるだろうとは思っていたが、それよりも競馬のしやすい展開になったのかもしれない。差すなら外を回らなきゃならないし、単独の好位からサラッとまくって突き放した実際の展開に持っていけたのは僥倖と言うべきか。

いや僥倖ではあるまい。外枠から出していって好位の外にはつける予定だったのだろう。ドゥラメンテのエンジンならこの更に外へ突っかけられることはないし、向こう正面でも前が動かないなら自分から動くことも前へ突っかけることも出来る位置だ。単独好位は濡れ手で粟というものだが勝ちの目を得たのはミルコの決断が故のこと。

普段からこういう騎乗をすりゃいいものを。どうしてお手馬じゃないとゲートを出せないのだ。

とにかくドゥラメンテは素晴らしい。一昨々年の秋天に出走すればジャスタウェイと同じくらい走るに違いない。あとは一昨年のエピファネイアの様にジャパンカップを走れるかどうかだな。

リアルスティールは普段通り。もう少し弾けてくれてもよかったんだが・・・休養明けだからもう少し評価は保留としたい。菊花賞の走りを見る限りではSir GaylordSecretariatというかSomethingroyalクロスの影響が強いと見えて、それなら1800mは少し忙しいのかもしれない。11.8秒前後を刻む2000m戦の走りを見たいところ。ディープ✕嵐猫はキズナラキシスエイシンヒカリなどを見ての通りに2000m以上で走ってなんぼだろう。(桜花賞アユサンは見て見ぬふり)

アンビシャスもまぁこのくらい走るのね、と。ドゥラメンテと同様に適性より距離は短くあったろうし、内回りは決して得手とはしない。でも4角手前でペースダウンしちゃったから外回り馬は飛んできてもおかしくないからな。それは昨年のスプリンターズで証明されたとおり。

まぁここはナスペリオンの勝利だったな。ジャスタウェイヌーヴォレコルトドゥラメンテトニービンの3連勝だ。

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