砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

安田記念回顧

馬場が速いのはもちろんのこと、パワーをも要する馬場だった。

4歳馬は1着~6着・8着・12着で、1分31秒台で踏破したのも4歳馬だけ。Hyperionが本格化する段階では厳しく、北米の血で駆け上がる様な馬が多い。

アエロリットが本領発揮し、サトノアレスが想像以上に弾けたイメージ。サングレーザーは好騎乗でも枠のロスは払拭出来なかった。この5着は強い内容だ。

Danehillで駆け上がる

サトノアレスは気性に難しいところがないので、マイルCSでも面白い。内枠でも外枠でも仕事が出来るだろう。

ただ勝ち切るイメージが沸かない。中山千八とかの方が得意そう。

下手のルメール

ルメールはやはりモズアスコットを手の内に入れていない様子であり、まだまだ「残り100m」までの仕事は出来ていなかった。とりあえず直線へ向けただけだろう。

手応え良く持ち込んだが、直線でどういう進路を得るかってプランはなかったように見える。

だからこそスワーヴリチャードを超えることはありえない・・・という読みだったがミルコが道を開けたのでね。一昔前の福永騎手に近い騎乗で「いやー、馬が強かった(笑)」みたいな勝ち方。開くかも分からない内を選ぶあたりがルメールの上手さではあったけれど。

ド下手のミルコ

スワーヴリチャードがアエロリットを目標にしていたら、モズは残り100mまで真っ直ぐに追い出せなかったはずよ。ミルコがここまで下手を打つとは思わない。メインでこれほどのミスを犯すミルコは初めて見る。

やっぱり外が伸びるという感覚を持っていたのかな。結局は栗東の騎手なのよねぇ。そういやミルコは完全にハマったアエロリットに相対したのは初めてだったのかも。

クイーンSにはいなかったし、NHKマイルCでは騎乗馬のカラクレナイが沈没していた。ヴィクトリアマイルでもアエロリットまで差していないし。

秋華賞のアエロリットしか見ていなかった弱さがあった。

ハーツクライ

そもそもハーツクライ産駒への仕事を全うしていれば外に併せへ行こうだなんて思考にゃ及ばないのよ。ハーツの敵はいっつも前の馬であり、差されることなんてありえない。それが東京のハーツクライだわ。

好位をとって、差しを封じながらきっちりと前を捉える。今回のミスから考えると・・・「真後ろから差されない」という特徴でもあるのだね。好位競馬って追っかけの差しにはやられない。そりゃそうだ。

追っかけが真っ直ぐ差して、追っかけられるんが外へ内へとフラフラするんでは差されて当然。けれど着差に当然とは言いづらく、やっぱり距離適性もあるんだろう。4分の1サンデーの限界が。

しまいに

「前を行くRoberto×Nureyevをハーツは捉えきれず、後出しのルメールBuckpasserは勝負の外。」という結果への経過を辿っていたと思う。

負けて強しのスワーヴリチャード、勝利の方程式を描くアエロリット戸崎、秋へ繋がるモズアスコットの好走。そんな感じの、俺好みの終幕ではなかったか。

あの切れ味なら最後の最後にモズはスワーヴを差したのかな。ミルコのハーツ適性、モズアスコットの強さを見るのにとっても重要な要素なのだけれども・・・。

こういうハーツのイメージが固まるほどにジャスタウェイの謎が深まる。この馬って想像よりずっと変な表現なのかも。好位のリファーズスペシャルを外からぶっこ抜くビューパーダンス

あの天皇賞の結末をジャスタウェイ産駒から紐解く日が来るのだろう。


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