砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

マーメイドSの良し悪し

阪神内2000mは牝馬には過酷な条件である。だからディアデラマドレの瞬発力が勝ったり、シャトーブランシュの粘り差しが届いたり、求められる末脚が一定ではない。

昨年などはその年のエリ女勝ち馬が横綱相撲で勝ちにいって負けているのだから面白い。馬が強い弱い以前に、その馬の持つ特性がハマるかどうかにかかっている。

「お前こんな馬だったのか」と思わされるレースも少なくない。牝馬戦線ではまず問われないであろう適性が浮き彫りになるのだ。だから予想は難しく、楽しい。馬券も荒れるから穴党の皆さんワックワク。

そのパターンに当てはまるのは・・・メイショウマンボだろう。「お前こんなところで走るのか!嘘だと言ってくれ!」という内容で踏破する可能性は少なくない。まぁこれは気の悪さが出ているから関係ないけれどね。

ある日突然走りだすかもしれないのが怖いところだが、それはまぁ最後方で勝負と関係のないところでレースを続けなきゃならない。シンガリ負けがイメージほど多くないのがミソで、前走のVMでも潰れた馬の何頭かを交わしている。前が急激に詰まらなければ1分32秒台で踏破していた可能性はあるだろう。

つまり身体能力は着順ほど衰えていない。あとは馬の気持ちが回復するのを待つしかないだろう。前走の出来が悪くなかっただけに、ここでの一変があっても驚けないのも事実。かといってこの馬が中距離馬かと言えばそうでもないがね。

ここでも殿からストレスなく展開して13着くらいに破れてさ。それで・・・中京記念あたりで一変してくれたらいいな。

面白そうなのはアカネイロかな。マデイラの全妹なら過酷な条件で一変してもおかしくない。スロー瞬発になった前前走の野島崎特別よりパフォーマンスは上げてくるはず。明らかに夏馬だしな。ま、ここは穴人気必至だろうけれど・・・。

ヒルノマテーラは柔らかすぎるかな。四位のオッサンがハマるのも分かる気がする。

なんかこう・・・芯が通った柔らかさではないんだけれども、柔らかいなりにまとまった何かがあるんだよね。日本で大成する靭やかさではないけれども「ヒルノ」っぽい柔らかさだよね。

辻牧場はハッピースプリントやアンビシャス、アドマイヤデウスなどを輩出したところか。コンサーンナッカは流行血統を使っちゃいないが面白い配合だな。「4分の3米、4分の1チリ」の配合で、チリ血統の内約は「米、アルゼンチン、フランス、チリ」で、更にこのチリ血統の内約は「フランス、フランス、イギリス、アルゼンチン」である。多国籍っ!

母父Concernは父Broad Brushの代表産駒。ウイニングポストでもよく目にする馬である。Broad Brush自身が日本とも縁のある血統であることは周知の通り。ノボトゥルーがあり、そしてブロードアピールがある。

Turn-toスピードの権化の如き馬だが、その恐ろしきはHow=Cherokee Roseのクロスを持つことにあるだろう。ナスキロ柔い「のに」の正体はPrincequilloの引き方が非常に優れているところにある。

マンハッタンカフェという血統に対してNatalma≒Cosmahの仕組みをほとんど使わないことは拙いだろう。しかし異系血統でここまでAllegedを弄ったのだから先はある。配合そのものは面白いもので、サンデーサイレンスクロスも悪くない。ここで重賞を勝つようならばアイリッシュダンスダンシングキイアグネスフローラなどのレベルにあると言えるかも。

別に競争能力に優れた仕組みとは思わない、ってのは強調する。面白いけれどマンハッタンカフェの能力を引き出すには二つ三つ足りないだろう。それをやったのがエプソムCの有力馬なのだ。

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