砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

「Peace Classic」を買った。

70週年を祝うピースの最高級品。「ザ・ピース」より500円高い。

「この70週年ってなんだ」とタバコ屋で話をして

「今年がそうらしくてピースのパッケージが全部変わってるんだよ」

「限定版出るんだけど買う?」

というわけで予約して買ったわけだね。タバコ屋で予約なんてシステムを使ったのは初めてだね。ましてやタバコそのものを予約するとは。

ザ・ピースと同じ仕組みのカンカンを開けてみると、それよりもずっと高貴な香りがする。タバコじゃなくてシガレットだなぁ、なんて意味の分からない感想を抱いた。

甘いことをプッシュして今のピースがあると思う。ピースのアロマなんてすごく甘い匂いがするし、缶ピースもザ・ピースも甘い。けれどこいつは主流煙が甘い。これは衝撃的である。洋酒のようなただれた甘さが香る。

あとは何も変わらんな。ザ・ピースと何にも変わらない。500円はこの甘い香りに集約されている・・・という嗜好品である。おそらく殆どの喫煙者が何も知らずにこのタバコを吸っても特に何も感じないだろう。知る人ぞ知る、という様な美味さがあるわけでもない。ちょっとお高いケーキでも食ったほうがありがたみがある。

500円のタバコも1500円のPeace Classicも何ら変わりはない。けれどパッケージとマニア心だけで3倍の値段に納得がつくのだから面白いものだ。「香り」の理由だけでいいのである。

その香りをひきだすために味わいが犠牲になっている感すらあるのだ。しかも普通に吸うだけではその香りを楽しむことは出来ない。紫煙を燻らせ鼻からそれを吸いに行かねばならない。

静かに、静かに楽しむ心がなければならない。500円にそんな魅力はない。1500円だからこそその魅力がある。

1日のルーティンを終えてソファにもたれる。「この一服のために」と静かに楽しむ。誰と話すでもなく、何をするでもなく、衰えた嗅覚を刺激するただれた臭いに体を縮めて。

[fin]