砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

関屋記念登録馬チェック その2

タガノエトワール~良配合の不思議表現

 キンカメサンデートニービンノーザンテーストまでがドゥラメンテと同じ。こちらはダイナフェアリーの牝系で、ダイナカールと比較すると少々見劣りするかもしれないが、ファンシミンの名牝系であることに変わりはない。だがサマーベイブ-シーサイドブリーズとエアグルーヴアドマイヤグルーヴを比較すると大きな差が見られる。

 母シーサイドブリーズは旧中京と新潟で好成績があり、勝ち上がりも新潟であった。トニービンのしぶとさは感じさせない、どちらかと言うとサンデーサイレンスノーザンテーストの靭やかさを伺わせる戦績である。

 これにキンカメということになると、悩ましい。HornbeamクロスよりもNijinskyノーザンテーストが表現される可能性があって、それが中京記念の好走につながったのではないか・・・という考え方が出来る。キングカメハメハというよりもダンスインザダークにイメージは近いかも。

 だから配合形から考えられるほど登坂を好まず、阪神外1800mを得意とするのは平坦と下りで大部分を構成するコースであるからだろう。Hyperion絡みのクロスを持つだけに切れより粘りの働きの方が得意で、そのくせ平坦好き。それなら小倉の中距離や京都内2000mを得意とするのは当然で、新潟外マイルもスロー前受けを条件として得意分野と言えるだろう。(登坂で差を詰めることは多いが、それ以降の伸び脚は凡庸。)

ダノンリバティ~偉大な叔父たちを追いかけた凡馬

 キンカメ✕エリシオ✕スカーレットレディ。2代母スカーレットレディヴァーミリアンキングスエンブレムソリタリーキングの母で、本馬はソリタリーキングと4分の3を同血とする同父の甥叔父の関係。かなりの良血と言えよう。

 3歳春には芝路線の雄として皐月賞へ出走するも芳しくない結果。夏には叔父にならってダート挑戦。初戦のレパードSを2着で飾り、その後もBSN勝1着、シリウスS2着と順調に進んでいった。ところがみやこS6着、チャンピオンズC12着と大きな躓きを見せ、再び芝へ戦場を戻した今春は早々に六甲Sを勝利した。

 判断の難しい馬であることに違いはなく、芝ダート両面で時計の限界が見え隠れする。サトノギャラントみたいなタイプと言えて、脚を上手に繰り出してやればOP戦まではなんぼでも勝てる。

 キンカメ✕エリシオというだけならば芝中長距離の先行馬という風でもあるが、Fairy King≒NureyevかつNijinskyノーザンテーストかつMr. Prospector直系。特異点とも言うべきスカーレットレディがダート向きのパワーを伝えるので、このLa Frambetteの輪はパワー増幅に大きな役割を果たしている。だがエリシオは芝の血統だ。

 G1馬を輩出するほどの好配合に水を差すと地味に強い地味に勝てない馬が生まれる。またこの配合の虚しさはヴァーミリアンともニアリーであることだ。サトノギャラントはスティンガーの七光であったが、本馬は配合そのものが名馬の叔父を追いかけたものである。虚しさ具合はダントツにこちらが上である。

ダンスアミーガ~エルコンを尻に敷いたバクシンオー産駒

 ノーザンテーストNijinskyMr. Prospector✕Nureyev≒Sadler's Wellsの配合形。母父エルコンドルパサー牝馬なので小回りが得意だが、父サクラバクシンオーは直線の長いスプリントを好む。ちょうど間を取って阪神1400mあたりがベストとしたいが、新潟マイルを好位からズバッと抜けだして2連勝している点も馬鹿にできない。

 例のごとくNijinskyノーザンテーストを基幹とした平坦巧者なので関屋記念でも狙いは立つのだろうが、それでもサクラバクシンオー産駒をマイル以上で買うには勇気がいる。年始の京都牝馬Sでの爆走に期待したい。

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