G1の方が予想は楽しい。ところが夏の方が面白い。
楽しさは苦しみと表裏で、面白さは気楽と。
Ribot達と過酷な中京
今年の中京記念はRibotの好配合が多い。グレーターロンドン~Alleged持ち
ダイメイフジ~Key to the Mint持ち
ミエノサクシード~Danehill持ち
ムーンクレスト~アドマイヤムーン産駒
ロワアブソリュー~Alleged持ち
ワントゥワン~母父ファルブラヴ
全体の高低差では京都や函館、中山に比べるべくもない。だが4Fほど下りっぱなしのレイアウトである。それから100mの距離で一気に2m弱を登る。
スローや条件クラスならば踏破に困ることがない。けれどレースレベルが上がると最後の登坂が非常に厳しい。
中山ならば4角までレースを終わらせる事ができる。短い直線で切れを発揮させる様な展開はそうそうなく、登坂さえこなせば「粘り」の要素で勝ち切る。
東京ならば直線一気に賭けられる。前もそれが恐ろしいのでスロー傾向だ。また登ってからも350m(1.5F)ほどのど平坦があり、その区間に差し切る展開がほとんどだ。「末脚」さえ発揮させられれば・・・というレース運びが多い。
ところが中京。粘りも末脚も通用しない嫌な条件である。非常に曖昧なところで勝負をしなければならない。粘り一辺倒では差されるし、軽やかな差し脚では届かない。
では、Ribotでその条件を満たせるのか・・・という話。
Ribotの特徴
大勢を占めるのは先行馬としての強度である。差し馬としての柔らかさではない、強度のある柔らかさを伝える。これはHail to Reasonを通したRibotの表現であり、ブライアンズタイム産駒やステイゴールド×Ribot、大抵のGalileo×Danehillに見られる。中距離の血統だ。
日本競馬においては1800m馬の適性へ持っていくことは難しくない。ステイゴールド産駒であってもNorthern Dancerとしての表現が上回れば千八くらいが適距離に落ち着く。なので中京1600mへの順応には問題がない。
しかし先行することは難しいだろう。先行策は距離の適不適に敏感だ。また1800m馬は差し馬に出やすいのが「4分の1サンデー」あるあるでもある。ある。
マイル最強のTom Fool×La Troienne
Ribotが中距離の先行血統であるのに対して、Tom Foolは短距離の先行血統。近年の中京記念とTom Foolは切り離せない。特にBuckpasser持ちは3年連続で勝ち馬となっている。そのうちの2頭はマルゼンスキー持ちであり、残る一頭はThe MinstrelとBuckpasserを持っていた。NijinskyとThe Minstrelは叔父と甥の関係にある「4分の3同血」であり、Tom FoolとニアリーであるFlaring Topを持つ。
またガリバルディはBusanda≒Mr. Busherで、ウインガニオンはBusandaクロスだ。夏競馬であるだけにLa Troienneの傾向にも注意したい。
不在のNijinsky
ところが、今年のNijinsky持ちは少ない。上記の2頭が出走する他にはコウエイタケル(Caerleon)・ダイメイフジ(ダンスインザダーク)・ブラックムーン(Caerleon)に留まる。この5頭のワイドボックスで十分プラスになるだろう。コウエイタケルが飛んできたら万々歳。
瞬くBuckpasser
ウインガニオンとガリバルディが血統的見地より狙いやすくあるが、Buckpasserの才能が煌めくのは1年程度の期間。馬齢からしてもピークは過ぎているし、過信は禁物だ。夏であるから、上り調子の5歳馬が良いだろう。
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