砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

エリザベス女王杯回顧

さよか、マンカフェ祭りか・・・とは言い難い決着。

クイーンズリングはゲートの中で元気いっぱいに暴れて出遅れ。これで有力馬が一頭終わったな・・・と思ったら名手ムーアが掟破りのタッチングスピーチ内入れ。俺の2着予想馬も早々にリタイア気配を漂わせる。

先手をプリメラアスールが取って幸ドスローに。ここまで一定ラップのドスローも珍しく、これで5着に残ったのだからすごいこと。そもそも1600万下の馬がこんな未勝利戦じみたスローを淀みなく展開することがすごいのだ。

3角あたりからスパートがかかって下りから一気のペースアップ。こういう流れになるとストライドロスを嫌う馬は伸びづらく、最も素早く伸び始めたのはBoldnesian5✕7とRoberto4*5、Occupy=Drash6*8のシングウィズジョイだった。

配合と実績通りの伸び脚ではあった。しかし実際にこうなってみなければ全く分からない。血統マニアが見出すべき穴馬だっただろう。驚きよりも先に悔しさが来る。

だがこれで産駒に期待が出来るな。元が競走実績に優れた母系(フリートークは7戦3勝の重賞2勝、桜花賞3着、シングライクトークは15戦7勝で重賞連対2回、シングライクバードは26戦5勝で重賞は3戦二桁着3回)であるからこういった結果が出ればなおさらだろう。エンパイアメーカー✕シングウィズジョイとか素敵!(届かぬ夢)

ミスプロ種牡馬をつけとけば間違いはなさそうであるが、上の配合は見たかったな。プラチナヴォイスが大活躍したらどうしてくれんだ!

というかクイーンズリングが勝つとか半端ないっすね。千四重賞2勝した馬がエリ女を制した例ってないんじゃないかねぇ・・・。母父短距離で前に届いていないのはアスカビレンくらいなもんで、その中で最も切れたのがクイーンズリングであった。

なんやかんやで京都コースではハズレがない馬であったし、これはちょっとAnabaaという血統を読み違えていた可能性が高い。Danzig直仔のわりには米血統のムキムキにはあまり触れていない配合ではあるんだ。むしろRabelaisさん尊重のおフランス配合。

アクアリング自信は「4分の1米、4分の3仏」であり、同じ母父Anabaaには凱旋門賞連覇のフランス産馬トレヴがある。何か下るのに便利な要素が潜在的にあった可能性が高く、そもそも論として「RivermanクロスのAnabaaが何を伝えるのか」というものがある。

再先着のRivermanが母Rivermanクロスであることは実に有意義な話である。「Riverman持ち牝馬Riverman切れ」と「母Rivermanクロス牝馬Riverman切れ」の比較がなされたレースだったのではないか。言い換えれば「Riverman切れを表現しようとした牝馬」と「Rivermanを下地に切れ味を構築した牝馬」の違いだ。

これは母Robertoクロス&Occupy=Drashクロスのシングウィズジョイにも言えることだ。マンハッタンカフェという種牡馬の潜在能力を伺わせる素晴らしいレースだったのではないか。

あと、福永の斜行はひどいな。ドスロー戦の1角でこんな風に被害を受けたらやってられないだろう。マリアライトなんて内で好スタートを決めて問題の行き脚も解決して好位を取ったのに、こんな形で2馬身も下げさせられたら・・・しかも連覇がかかったG1の舞台でやられたらたまらないわ。

それでも3着があったか分からないが掲示板は確実に捉えたはず。ちょっとこれはやばいやつだろうなぁ。同じ勝負服だし、本命馬にでかい不利与えているし。ちょっとこれはレースを壊してしまったなぁ。

でも面白いことにね、シャルールを壁にしてマリアライトは進み、そこからマリアライトの邪魔をしないように内を締めるようにして4角を回っているんだ。締められたのはもう一頭の本命馬ミッキークイーンで、ここで間違いなくストライドロスを起こしている。

地味ではあるが手応えを失ったなりに同じ勝負服を助ける競馬はしていて、こういうそつのなさもまた福永祐一というジョッキーなのかなぁ、とも思ったり。

[追記]

あれだね。クイーンズリングRivermanを通じてPrince Johnを引いていて、それがマンハッタンカフェに流れ込むんだわ。Prince JohnはCosmic Bombと近親であり、しかもSir Gaylordを引いている分だけ平坦をこなす下地はあったのではないか。

[fin]