父スクリーンヒーローは母ランニングヒロインがモデルスポートのSpring Run≒モデルフールを促進する形でHalo≒Red Godをやってのけたので、そこら辺のあれこれを伝えがち。グラスワンダーを相似配合で「サンデー×ノーザンテースト」の配合形に落とし込むという超荒業配合なので、そこら辺の遺伝力は強そうである。
なぜこれが可能であったかは謎なんだけれども、グラスワンダーの持つSardanapale7*7*9*8×11*9*8*11*8が影響しているのであれば説明ができそう。これほど根強くクロス*された血統に対してランニングヒロインはNative Dancerを通じて1本引くだけである。ここの緊張と緩和はちょっと類を見ない。(Bramaleaが4*4、Matchicheが6*5、Danzigが9*7、Gracefull Touchが6*9*6。)
ただ、同配合(グラスワンダー×サンデー×ノーザンテースト)のサクラメガワンダーがあれだけ掻き込んで走っている。こればかりはもうTom Foolの遺伝力がグラスワンダーの濃厚なクロス群を上回ったとしか言いようがない。それ言ったらなんでもありだよ・・・。
ただこの観点からもう一つ面白いことが言えそうである。
Danzigも上記のSardanapaleクロス馬であり、Danehillなどを通じて掻き込みをよく伝える血統だ。というかグラスワンダーがこうなった原因の7割はこいつ。1割Roberto、2割Graceful Touch。戦犯しかいない。
その戦犯筆頭にとってHis Majestyとはルパン三世に対する次元大介ってくらいのニックスで、名前を出すのも億劫な名種牡馬Danehillを輩出した名配合。しかしもう一つのニックスもあって、それが石川五エ門ことAlydarである。Danzig×Alydarとはつまりジェンティルドンナの祖父Bertoliniの配合であり、この同血のいとこにAurora(息子にArch)、ヤマニンパラダイスがある。他にこの配合では名マイラーLureなどがある。
他にもたくさんDanzigのニックス相手はある。まとめてJ-BISで確認できるG1馬の母父を並べてみよう。
・Sir Ivor→Danzig Connection、Green Desert
・Halo→Pine Bluff
・Smarten→Dance Smartry
・Alydar→ヤマニンパラダイス、Lure、Strolling Along
・Kris. S→War Chant
・Secretariat→Chief's Crown
・Bustino→Maroof
・Alleged→Libettist
・Buckpasser→Polish Precedent、Ver sailles Treaty、Easy Now
・Briartic→Langfuhr
・Exclusive Native→Ehadim
・Pretense→Hamas
・Filiberto→ポリッシュパトリオット
・Mr. Prospector→Dayjur、Brahms、パドレボンス
・His Majesty→Danehill、Tribulation
・Round Table→Polonia
・High Line→Golden Snake
・Storm Cat→Mujahid
・Habitat→Blue Duster、Zieten
・Relaunch→Ad Valorem
・Roberto→Furiously、Yashmak
・Gallant Man→Lotka、Stephan's Odyssey
・Reviewer→Dispute、アジュディケーティング
・Better Bee→Petit Loup
・Tatan→ポリッシュネイビー
・Turkoman→ハードスパン
・Wavering Monarch→MIlitary
・Creme Dela Cleme→ワンオブアクライン
・Raise a Native→Qualify
・Cyne→Contredance
Danzigは歴史的大種牡馬である。その高名を成す一つの要素に長命であることが挙げられ、それは産駒のBrahmsがハリウッドダービーを勝った年に直系曾孫のSinndarが英ダービーを勝っていることからも伺えられるだろう。皐月賞をマツリダゴッホが制したなぁと思ったらダービーはゴールドアクターが勝ちました~ってくらいの勢い。
だから上の箇条にも血統が重複していることが多い。それは名血統であるほど多い。Mr. ProspectorとRaise a Nativeとか、Kris. SとRobertoとか、Storm CatとSecretariatとか、TurkomanとAlydar&Round Tableとか、Wavering MonarchとRaise a Native&Buckpasserとか、Exlcusive NativeとRaise a Native、SmartenとCyane、いっぱいいっぱいよ。AllegedとHoist the Flagもそうだし、BriaricとRound Tableもそうだし、Seattle SlewとRound Tableもそうだわな。
これに母母の血統いれたら大惨事になるからね。War Chantの母母父はMr. Prospectorで、Librettistは母母父Seattle Slewで・・・配合全体のこと言ったら死ぬね。Lyphardが潜り込んでいるパターンがあるとかSwapsが入ってもいいとか、もっともっと小さなニックスあるから。
昨年末は予想そっちのけでDanzig血統掘り下げてたっけなぁ・・・。俺は何になりたかったんだと思わんばかりに血統を掘り下げていた。それでも今回のSaranpaleは見逃していたわけだし、予想と血統の掘り下げとは切って切り離せない間柄だろう。もちろんDanzig産駒ってどうなのー!と掘り下げるのも大事だが、それだけではいけない。切り口によって着眼点が異なるから・・・。
して、箇条書き中で太文字となっている血統がゴールドアクターの持つ血統。青文字のBuckpasserはモデルフールとニアリーの関係。赤文字のTribulationはAmerifloraの全妹でディサイファやアドマイヤタイシを出したミズナの母。そんで緑色のワンオブアクラインはキョウワアリシバの叔母にあたる。
あとついでに言うと、AlyshebaってのはLear Fanの近親(お互いの母が全姉妹)であるからRobertoとも相性が良さそう。
スクリーンヒーローはDanzigを中心とした配合となっているわけだが、それに輪をかける様にキョウワアリシバが囲い込んだのだな。実に有馬記念馬らしい配合だろう。それだけに父子ジャパンカップ制覇の夢には疑問が残るのだが・・・。
上記の血統の中で最もDanzigに英気を与えたのはSomethingroyalの一族だろう。もっと言えばPrincequilloだろう。それを持たないゴールドアクターのレースぶりがこうも出し抜きばかりでは底力に疑問が生じる。父ちゃんもスローから抜け出してジャパンカップを勝ち、秋天を2着した。けれどダイワスカーレットの有馬記念では綺麗にまくったあとの伸びに欠けた。息子もそんなタイプなのではないか。
中山二千五であれだけ折り合って、スムーズに鋭く脚を繰り出せるのだから立派なものだ。ただ外回りできっちりと靭やかに抜け出せるタイプかと言うと・・・ちょっと釈然のしないところがあるか。
だからこそスローの帝王として君臨する資格がある。この分だとゴールドアクターが勝ったときには「あー、そういうやつね。やっぱスローだったー。あー、知ってたわー。俺知ってたー。」みたいな気分になりそう。一番つまらないやつだ。
まだ煮詰めるところがあるな。煮詰めて煮詰めて憤慨の敗戦を得るのだ・・・。
[fin]