武豊が逃げたジャパンカップと言えば09年のリーチザクラウンだけで、これは2000mベストの名牝ウオッカと菊花賞馬オウケンブルースリが接戦を繰り広げ、さりげなーくレッドディザイアが3着まで差したレース。
4分の1サンデーだとかマイルCSで書いたが、最も早く4分の1サンデーが台頭したのがこのジャパンカップという舞台だ。2分の1サンデーから4分の1サンデーへと変わりゆく過渡期においては非サンデーが活躍したのはマイルCSだけの話ではない。春天も秋天もダービーもみんな非サンデーが走っていた。(メイショウサムソンとかカンパニーとかウオッカとか)
しかしそれはジャパンカップの歴史において確認されない。むしろサンデー産駒が不調(勝ち馬はスペシャルウィーク、ゼンノロブロイ、ディープインパクトだけ)な舞台であり、ディープインパクト去りし後の非サンデー台頭期をアドマイヤムーンとスクリーンヒーローが封殺したのである。
3度目の正直でウオッカが栄冠を得たがそれ以降は4分の1サンデーは留まることなく勝ち馬を出し続けた。特に牝馬の活躍が留まることなく、この流れを断てる馬がいないとして三連覇の夢をジェンティルドンナに託したのが14年のジャパンカップ。最強中距離馬ジャスタウェイ、前走にジェンティルドンナを下したスピルバーグの上を行く人気だった。
ところが勝ったのは8分の1サンデーのエピファネイアであった。熱心に予想した人間を小馬鹿にする様に何者も寄せ付けずに楽勝したのだ。鞍上のスミヨンがゴール版30m前から勝ち名乗りの準備するレベル。
こうして考えてみるとジャパンカップはHaloの靭やかさで勝つレースではなかった。だからこそHaloのスピードを最も伝えるディープインパクトにDanzigやノーザンテーストでそのスピードに対してアウトを取った牝馬の産駒が勝つのではないかと。
ディープ牝馬はBurghclereへのニアリーを要求しないというのは、牝馬が父方の婆ちゃんに影響されやすいというのが一番大きな理由だと思う。しかしそれを綺麗に調整するのが母方のNDクロスであろうし、それに適した存在がDanzigやノーザンテーストであるというのは不思議なことではない。もとよりそこら辺で走っているND系であって、クロスするほど遠い代であればLady Angela弄りをアウトした仕組みを当代までに仕込んでいるものだ。
一番最初にHaloを使い切ったサンデーサイレンス産駒だからこそジャパンカップ最強血統として君臨とする。ランニングヒロイン→スクリーンヒーロー(Halo≒Red Godからのグラスワンダー)も同じ理屈なのだろう。ただゴールドアクターはHaloに手をつけずにグラスワンダー≒キョウワアリシバをかます変態だから・・・混沌オブ混沌だぜ。
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