マルターズアポジーは陣営が千四で使ったことすらある馬。また福島二千はマイル気味の千八馬がパワーとスピードで勝負出来る馬でもあって、最近の七夕賞や福島記念はあまり中距離馬が好走していない。(というのは先生のデータ)
※たまに先生の名前で検索をかけてこのブログへ入ってくる方もいるので、名前を伏せる意味で「先生」としている。個人的な師事を受けている意味の先生ではなく、先駆者としての尊敬を込めて先生としている。
なので有馬で逃げるとしたらドスローにするしかないはずだと。過去のレースを見てもサッとハナを奪ってサッとペースを落とせているからそう出来るはずだと踏んでいた。ところが実際はそうでもなかった。
可能性は3つ
・騎手が真っ向勝負を仕掛けた
・G1馬を相手に逃げる脚を使うと落とすタイミングを逃してしまう
・ゴール板目掛けて馬が行ってしまった
ペースそのものに間違いはなくて、まさに頂上決戦とするには相応しいものだったと思う。ただ1角2角でややペースを落としすぎたところはあって、あのマージンを得られたのであれば13秒4は不必要だった。実際に武豊はそこを13秒そこそこで差を詰めているだろう。
おそらくノーマークの大逃げを打つつもりだったのだろう。無理なく大逃げの形としてキタサンブラックが後ろに気持ちを移しているところでフワッとペースを落とす。詰められさえしなければ穴騎乗として素晴らしいものだった。
しかしそれはエリ女やG3戦での戦い方である。少なくともこのメンツを相手にする戦法ではない。
あそこで詰めたから武豊は素晴らしいだとか褒める気はさらさらなく、あそこで詰められるからこそあの場において騎乗馬を持つことが出来るのである。有馬記念に出ていた日本人ジョッキーならば誰でもあそこで詰めるだろう。
一流の牡馬を駆って有馬記念へ出走しようというのだから、あんなスローに付き合う騎手はいないと考えるべきである。一縷の望みであっても求めるには不適当なものだと言わざるをえない。付き合わせるのであれば無理やり馬の尻を押し当てる気持ちで落とした方が良い。(実際に押し当てる様に馬を引っ張ったら危険な騎乗と判断される)
ただ、それは武豊と陣営が築き上げてきたキタサンブラックの逃げ馬としての格が許さなかっただろう。ジャパンカップを逃げ切る馬に対して早い段階のドスローに踏み切る・・・それも絶対に逃げるという気概を以って行くのであれば、やはり難しい。東京千六のウチパクさんとか、有馬なら横ノリくらいしか思いつかない。
また微妙にイン有利な馬場だったことが強気の逃げに踏み切らせたのだろう。これで外差しが効いていれば前の意思がスローで統一されたのだろうけれど。
[fin]