ショウナンマイティの配合について調べていたときに改めて感じた。大阪杯の母父Storm Catは強すぎやしないか、と。
例は3つ。ショウナンマイティ(1-1-0-1)とキズナ(1-1-0-0)とラキシス(1-0-0-0)。母父嵐猫は米血統のパワーで走るので早熟気味である。なので5歳までのデータとしてショウナンマイティの5着を消してみると・・・3-2-0-0になる。(恣意的)
キズナとラキシスの同士討ちで2着があり、オルフェーヴルに敗れた2着がある。G1馬の同士討ちと三冠馬に敗れたという内容はレースレベルを鑑みて大変なことだと言える。また3着がエイシンフラッシュであるんだからすげぇぜ。
5歳以下の母父嵐猫はリアルスティール、ダノングッド、ロードヴァンドール、プロディガルサンなどがいる。リアルスティールは中山記念からドバイだろうし、ダノングッドはダート馬、ロードヴァンドールは小倉大賞典を勝てば、プロディガルサンも白富士Sの内容によるだろう。
またこの話のミソは母父嵐猫であって嵐猫持ちではないところだ。カレンブラックヒルやマッハヴェロシティなんかを抜いた計算である。それでも5歳以下条件とすれば問題はなく、「5歳以下」で「嵐猫持ち」という条件を満たす馬には誰もが心当たりを持っているだろう。そうだ、マルターズアポジーだ。この馬が今回の主役その1である。
嵐猫に匹敵する・・・とまでは言えないが、やや格落ちの母父ブライアンズタイムがある。嵐猫は基本的に本命サイドから3-2-0-1という数字を叩き出したが、BTは中穴ほどの人気から3-0-0-2の内容を得ている。単勝回収率はこちらの方が上である。
データの上では、母父嵐猫とBTが2大巨頭としてあり、超例外のメジロマックイーンがあり、そしてノーザンテーストがある。メジロマックイーンはステイゴールド×メジロマックイーンの兄弟が2勝していて、嵐猫、BT、NTがそれぞれ3勝をあげている。NTについてはBTの後に書く。
BTのデータを作るのは、これもまた3頭の競走馬である。ビートブラック(0-0-0-1)、テイエムアンコール(1-0-0-1)、サンライズペガサス(2-0-0-0)。サンライズペガサスに寄り掛かったデータであることが分かる。
またサンライズペガサスは2勝とも1番人気での勝利で、テイエムアンコールが6番人気でお勝利であった。こんなのデータとして成り立たないよ。ものが少ないだけだ。
だがぁ・・・その数少ないデータにハマる馬がいるとすればどうだろう。テイエムアンコールはオペラハウス×ブライアンズタイム、サンライズペガサスはサンデー×ブライアンズタイムである。ヤケクソなことを言えばサンデーとブライアンとサドラーがあれば良い。また怒涛の勢いで直近の大阪杯を3連覇しているディープインパクト産駒であればなおよい。(ディープは単勝ベタ買いオッケー)
ということで主役その2はディーマジェスティだ。皐月賞が古馬になっての初G1として挑むには阪神二千はちょうどよい舞台だろう。
して母父ノーザンテーストの話であるが勝ち馬はエアグルーヴ、カンパニー、ダイワスカーレットというそうそうたるメンバーである。彼と彼女らが勝てなかったら母父ノーザンテーストは問答無用の消しであっただろう。
合計で母父ノーザンテーストは3-2-2-16。並のデータであるが父系をトニービンに限定すると2-0-1-2で上々の結果となるし、またタマモクロスやサクラユタカオーなどの「Nasrullah×Hyperion」の組み合わせを持つNasrullah系種牡馬を含めると2-1-1-3というデータで、単勝も複勝もベタ買い出来る。
母父ノーザンテーストから中距離馬を出すことがどれほど難しいかって話だ。ブライアンズタイムでは中長距離へ進むしサンデーでは短い距離への適性が目立つ。大阪杯は結構ペースが流れてきちんとした2000m戦になるので距離適性は重要である。それでもオルフェーヴルやドリームジャーニー、ダイワスカーレットという有馬記念なノーザンテーストが勝ててしまうのが面白い。
今年はおそらくキタサンブラックが唯一のノーザンテースト持ちとして出走してきそう。これは有馬記念3着2着で実績があり、上記の3頭ほどの格は・・・・ドリームジャーニーくらいは当然あるとは思うが、方向性の違いはあるだろう。ドリームジャーニーはグラスワンダーに次ぐ有馬記念まくり馬だ。
というわけで
「Storm Catからの若き刺客」マルターズアポジーが大波乱を演出するか
「ブライアンズタイムの少数派」ディーマジェスティがベスト条件で圧倒するか
「ノーザンテーストの有馬フル複勝圏」キタサンブラックが雪辱を果たすか
の3つの視点で楽しめそうな大阪杯だろう、と。
余談(本題)
ノーザンテーストについては絞り込むべき箇所が多くあるので話半分かな。ステゴのニアリーパターンであれば大体ハズレはないだろうけれど、それにしたってツクバアズマオーを信じる心を持つことなんて、今更だ。
また嵐猫に関しては、アルキメデス、エイシンアポロン、ダンツプリウス、マジェスティハーツなどを想像してもらえればイメージがつきやすいかと。外回りだとちょっと力っぽすぎて切れが不足するし、かといって中山ではちょっと靭やかすぎるかなぁ・・・というタイプばかり。これにアンコイルドを加えてもいい。
そう言えばロードカナロア・エイシンヒカリ・リアルスティールはSomethingroyal血統をクロスしていて上記の馬たちよりも靭やかであるが、これらも阪神外や東京なんかではスロー希望だった。そして彼らは平坦巧者であることを共通として、京都でパフォーマンスをあげている。
ロードカナロアは香港スプリント2連覇を含めて平坦では8戦8勝(函館スプリントを平坦だとは思わない)。
エイシンヒカリは言わずと知れた平坦マイスターで、京都負け無しの香港C勝ち。
これらの馬はみな渋った馬場をこなすパワーを持っているのだけれど、ロードカナロアだけは例外であり、唯一連対を逃した高松宮記念は勝ち時計が1分10秒3という荒れた馬場での開催だった。こういうときこそ母父嵐猫がキラリと光るというのにロードカナロアはコンマ1秒遅れでカレンチャンに敗れてしまった。
この点からロードカナロアはStorm Catを伝えないことが想像され、あくまでもオリジナルの軽やかな速さを伝えることが期待される。ただパワーのスイッチは盛りだくさんであるけれど、むやみに押し歩くには気が引けるものばかり。ラストタイクーン≒Storm Catから生じたオリジナルの靭やかさをどう機敏に動かすべきだろう。ローズキングダムがとりあえずのモデルかな。
というようにこの3血統を膨らませて1月を終えたいものだ。
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