砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

カデナとスワーヴリチャード

神は仰っている。「蛇足せよ」

カデナヒシアマゾンなんだー、という話をした。

これはノノアルコとRelic的な脈絡を以って表現された部分だと推測されて、とりあえず深い理屈は分からないけれども、「Princequillo的に柔らかいヒシアマゾン」くらいには言えるのではないかと。

だからヒシアマゾンほどは俊敏にまくることはできず、弥生賞と同じように外から行った方が着順は上がっただろう。もちろん良し悪しであるから内から行った福永を責めるつもりはない。

それはスワーヴリチャードにも同じことが言えるのだが、こちらは外から行ってあの着順。であればカデナの方が将来性が高く、これに託すのが物語としてより正しい。だがスワーヴリチャードはスワーヴリチャードなりに強い内容であった。

それは、中山でウインブライトのまくりに呼応した展開で、それを凌ぐ脚を4角で見せたことだ。四位のおっさんが何度か抑えながらソフトにまくった。四位らしくないヘタクソなまくりになった。直線に向いた瞬間にはまるでスピードが乗っておらず、まくりの失敗は明らかであったがそれでもウインブライトは差し切った。

スプリングS勝ち馬との中山直線入り口における1馬身差はストライドロスを抱えて詰めきれるものではない。あるいはストライドロスがなくとも詰めきれないはず。それを差し切った。後方からは内々をロスなく行ったレイデオロくらいにしか差されておらず、あのロスを抱えてなお6着を確保したのである。スムーズであれば4着はマストだ。

本格化していないハーツクライ産駒の競馬ではない。ウインブライトを4角で捕まえすぎた点や、ロスした後の再加速の具合からすれば3歳春相応の成長は伺える。共同通信杯の競馬ぶりから見ても前の馬を捕まえにいく気概は相当なものであるし、四位洋文の競馬に落とし込む要素は十二分に備えている。

東スポ2歳でヘロヘロになっていたスワーヴリチャードはどこにもいない。更なる上積みを以ってダービー馬へ輝くはずだ。

その最大の障壁としてカデナがいる。アドミラブルを差すのは当然。問題はドスロー4Fスパート戦になった時。ヒシアマゾンジャパンカップで2着した時の様なペースになった場合はカデナが有利だ。

スワーヴリチャードの仕組みとしてはあまりズバッと切れる脚ではないし、四位のおっさんは「スローだから前受けする」という思考をあまり持たない。「スローだからこそ後出しだ」という意味の分からないことになりがち。四位洋文最大の弱点!

その点福永は早い段階で外へ出すことを躊躇わないし、スローを前で受けることを知っている。そのあたりの感性はディープインパクト×福永が一番であるし、それを以ってダービージョッキーに輝かれても問題ない。しかし恋人の負け方としてはクソッタレだ。

かろうじてスワーヴリチャードの本格化が間に合っているはず。ギリギリの線ではあるが、アドミラブルを差し切る末脚だけは絞り出せるはず。だが、展開の文におけるカデナを差しきれるかどうか・・・。

[fin]