日本競馬においてIn Realityの成功とはMr. Prospectorと共にある。
賞金上位にホッコータルマエ、ロードカナロア、コパノリッキー、カンパニー、ラブリーデイがあり、これらは皆Mr. ProspectorとSpecialを持つ馬たちだ。6位以降はニホンピロアワーズ、ネオリアリズム、サウンドトゥルー、リアルインパクト、ダノンレジェンド、と非Mr. Prospector非Specialが並び、メイショウトウコンが母父ジェイドロバリーといった風。
古い馬においてはブロードアピールが見られる程度であって、大体が最近の馬で占められているのが興味深い。トキオリアリティー産駒においては父エルコンドルパサーのアイルラヴァゲインよりもネオリアリズムやリアルインパクトが上位という点もまた面白い話。
ダートでの活躍が多いため賞金額との兼ね合いもあると思う。ただ上位がずば抜けているだけで本賞金ランキングでは8位にアメリカンボスが、13位にはダコールが入る。ネオリアリズムの一つ上にヒロデクロスが来るくらいなのでレベルはかなり低い。あまり関係ないことかと思う。
ところでこのヒロデクロスは父がタマモクロスであるからGrey Sovereign直系馬だ。他にコパノリッキー、カンパニー、ラブリーデイ、トーセンジョーダンなどのトニービン持ちは多く見られるし、ここに何かを見ることは出来るかもしれない。
そもそもであるが、Unbridled's Songは何故名種牡馬たり得たのか。
近い代に強いスタミナを抱えるわけでもなし、遠い昔のイギリスや現代の北米に見られる「緊張と緩和」「牝馬クロス」の配合であるから褒めるところは多いのだけれど、「で、最強の中距離馬を出すには何を刺激したらいいわけ?」とブチ切れたくはなる。
そんなことを思っていたらアロゲイトが出てしまったから何も言えなくなってしまうのだけれども。それを肯定するならイスラボニータをも肯定しなければならない。
イスラボニータを肯定するということはフジキセキ×Cozzeneの皐月賞勝ちを全面的に肯定するのと同じこと。「イスラボニータは勝つべくして勝ったんだよ。」とは口が裂けても言えないのが現状で、当時の俺は「きっとこいつはもうG1を勝ち負けすることはないでしょうね。」とニヤニヤしながらコメントしている。「イスラボニータの絶頂期は今ですよ。」
この戦績を持ってこられた今となっては否定の材料がない。特に昨年末の阪神カップが秀逸な内容であり、皐月賞馬がこんな展開でゴリ押しして2着まで凌いだというのには驚きだ。しかもHyperion的なバックを持たない馬がここまでゴリゴリと行くというのは、あり得ない事件。
だから間違いなくイスラボニータの背景には英愛的なスタミナがあって、そしてそれは継続されているはずなのだ・・・ということを言いたくて書き続けている。
次回、完結。
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