砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

クイーンS回顧

これはもう恐れ入った。アエロリットがあの若い馬体で完勝とは。

配合に適った形に本格化している気配ってのはまるでなく、これからまだまだ成長の余地を残している。それがこんな形で完勝してしまうとは・・・。

若かりしNureyevのスピードで押し切ってしまうってのはアヴェンチュラアイムユアーズアプリコットフィズと同じであり、もう一頭の3歳勝ちのオースミハルカは父フサイチコンコルドでSadler's Wells持ち。Specialなスピードで駆け抜けるクイーンS

結果論であるが、横ノリがクロフネ産駒でスローの番手を受けるってのを想像してはならなかったかと。ましてやクイーンSという舞台であるのだから、勝ちの目を拾いに行くなら番手なんてせせこましい話ではなく、抑えの効く逃げという戦術だった。とはいってもNureyevスピードが本質であるとは思ってもいなかったから、やはり結果論。

いや、本当にクロフネ産駒がこんな俊敏にハナを切ってしまうんだねぇ。12.2秒というテン1FはG1勝ち負け級クロフネ牝馬最速かもしれない・・・と思ったらカレンチャンスリープレスナイトというスプリンター2騎がある。これはマイラーではなくて最強千四馬かもしれず、久々に現れた化物クロフネスプリント牝馬かも。スプリンターズSの3歳制覇あるぞ。

3歳制覇という観点で上記の様な共通点はあるものの、実際においては問われた素質が異なる。妄想でも夢物語でもなく、本当に素質違いの千四馬が現れたのではないか。

本来ならばここで締めるべきであるが、トーセンビクトリーの件がある。福永騎手のおかげでこの馬の大きな弱点が露わとされた。

彼女はどうもやる気がありすぎるタイプのようで、馬を交わしに行く気持ちが強い。だから武豊は内で溜めて一気に貫くような、宝塚記念ヒットザターゲットの様な、やりすぎな後出しで好位から差していたのだ。今回の様に前の馬を勝手に捕まえてしまう癖があるから。

過去のレースを見直すとデータ通りに4角で番手を下げているが、直線の入り口で更に位置を下げていることが多い。少なくとも密接にした4番手や5番手ではなく、1馬身ほど離された位置から外へ誘導して一気に追い上げ、貫く。

福永騎手は真ん前に馬がある状態で直線へ向いてしまったために、今回のようなことが起きた。後出しを求められた騎乗であったろうに、ここで福永は差を詰めながら直線へ向いてしまった。その勢いのままに前へ詰めていき、斜行の事態となった。

明らかな騎乗ミスである。ここまで徹底された悪癖への対応は陣営から申し送られているはずだ。あるいは、個人的に武豊へ助言を求めていたなら防ぐことが出来たアクシデント。騎乗というよりも騎手としてのミスである。

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