「だからこういう効果があるんだよ!」という話ではない。
とりあえずの話である。モガミの2代母Noteasing、Riverman、スクリーンヒーローの・・・いち(ランニングヒロイン)、に(ダイナアクトレス)、さん(モデルスポート)、し(マジックゴデイス)、5代母Like Magic。この3頭が「Sun TeddyとLa Troienne」の組み合わせとなる。ちゃんと継続してるね!
また、これらの血統は近い代にLyphardやSadler's Wells、ノーザンテーストと言ったND直仔を持つ。Almahmoud+Sun TeddyはHalo(Almahmoudの孫)✕Understanding(Sun Teddy直系)の配合をとるサンデーサイレンスとも脈絡するし、La Troienne牝系のMahmoud産駒Cohoesとも掃除の関係。Soaring牝系と言えばBallade牝系であり、その中に組み込まれているのがこのCohoesである。多分グラスワンダーに有用な組み合わせだと思う。実際にほら、豚の頬肉の塩漬けだっけ?グアンチャーレがDevil's Bagを経由したSoaringクロスで重賞勝ちを収めている。
スクリーンヒーローは困るよなぁ。G1勝ちの2頭が全く配合の異なる馬で、距離も馬の具合も違う。
ただヒントはある。
スクリーンヒーローはG1馬の2頭を除いたらほとんどが1勝2勝程度しかあげていない。重賞勝ち馬のミュゼエイリアン(2勝)やグァンチャーレ(2勝)も同様だ。モーリスは9勝をあげていて、ゴールドアクターは8勝をあげている。
この重賞勝ち以上の4頭で21勝をマークしているわけだが・・・産駒全体の芝勝利数は33勝にとどまる。ダートの勝ちは28勝である。またダートの28勝のうち新馬・未勝利戦は14勝を占めるのだが、芝は17勝である。つまり1勝馬は確実に芝の方が多く、2勝以上の馬はダートの方が多い。
おそらく配合そのものはダートの方が決まりやすいのだろう。芝の方はむしろ決まりづらい。だが一発はある。
ダートの方はFlambetteの血統を持ち込むタイプが多く、Robertoクロスやノーザンテーストクロス、RobertoへNashuaクロスの発生するMr. Prospector、Omaha=FlaresのNijinsky、War Relic≒War Admiral・・・
そしてモーリスにもあるSpecialなどを介したNashua≒Nantallahだな。母父ディアブロにはグァンチャーレがあるのだが、母父タイキシャトルにはダート2勝のノースヒーローがある。NijinskyとThatchとMr. Prospectorだ。
一番大きい要素はWar Admiral≒War Relicだろう。スクリーンヒーローはDanzigとモデルフール間でWar Admiralクロスが発生しているので要注意。Amerifloraとダイナアクトレスは血統要素を同じくしている部分も多いが、Danzigとノーザンテーストではスピードの質が異なる。
ダイナアクトレスだけを弄ることで高質な芝スピードを得ることとなるが、Amerifloraを弄るとDanzigパワーで砂を走るハメになる。
Ameriflora with ダイナアクトレス→軽い砂を得意とする短距離馬
グラスワンダーへ集中砲火→ゴリゴリまくりダート
という感じになるかな。グラスワンダー集中砲火パターンはRobertoクロスやDanzigクロスが肝になる。そのくらいのゴリゴリパワーを注入しないとスクリーンヒーローからはまともなダート馬(オープン級)は出ないということでもある。
これはグラスワンダーにその素質がないことが原因にあるだろうし、またスクリーンヒーローを経由して・・・ってことになるとなおさらかな。
グラスワンダーの産駒は字面以上に芝の達者で、芝286勝に対してダートは125勝。母父としては41勝と41勝のイーブンであり、これは2代グラスワンダーの共通点かと思われる。出世頭は当然メイショウマンボだ。
よってグラスワンダーはあくまでも芝の血統である。ただ米血統の強い配合でありからパワーに寄りやすくもある。基本米血でありながら強い中距離適性と芝の強豪馬を輩出し続けるサンデーサイレンスは絶好の材料・・・とは言いづらい。グラスワンダー✕サンデーサイレンスはそこまっでの関係じゃないよね。
ウイポで言う「万能◯」に届かない。G1ジョッキーの「芝◎ダート◯」って感じか。サンデーサイレンスの場合はどちらでも大物を出しているが、それでもやはり比較すれば芝向きだわな。ニックスではないのだけれども、好きな芝を走るためには便利な相手だった。飽和してたしね、サンデー肌。
その組み合わせで産まれたスクリーンヒーローはDanzigとHaloというスピードに恵まれた。しかし実際にはジャパンカップで切れる中長距離のストレッチランナーに出た。ただ本来はG1馬になる素質は・・・あったかもしれないがこの時代は層の厚さが半端じゃない。ディープスカイ、ウオッカ、マツリダゴッホ、オウケンブルースリ、メイショウサムソンなどを退けたのは時勢に乗ったミルコの好騎乗に依るところが大きい。
横ノリネヴァブションのスローを中長距離馬がきっちり反応した内容だ。ウオッカとディープスカイは中距離馬であるし、マツリダゴッホは外回りで切れるには足りない。オウケンブルースリもスローの東京で反応するにはパワーに向きすぎた。メイショウサムソンは遠征帰りであったし、ピークも終えていた様子がある。
このジャパンカップは「東京2400mで最も王道を行ける馬」を決めたものである。もっとペースが速くても・・・例えばジェンティルドンナとオルフェーヴルで決まった12年くらいのペースであっても結果は変わらなかっただろう。ミルコってこういう勝つべき時に勝つからすごいのよねぇ・・・。たまに勝つ必要のない時でも勝つけどなぁ。
いや、繰り返すけれども、リアルスティールが皐月賞で勝ってさ。それで福永があのたぐいの騎乗をきちんとこなすようになったら強いはずなのよ。だって福永の差しってめちゃくちゃ下手糞なんだもの。追い込みとかしないでしょ?差すセンスがないんだよ。
スプリントがやたらと上手いのはゲートを出せることがまず一つがあって、それとスピードレンジの噛み合った馬が勝ちやすいというスプリントの特性がある。1分6秒7で高速中京を走ることの出来る馬(ビッグアーサー)がいたとしたら、そのスピードで走ることの出来るゲートの出し方をすればよい。あとはちょっと誘導するだけよ。
でもクラシック路線ではそれが難しい。中距離馬の強さってスピードレンジよりも息を入れられるところに荷重が重く、溜めを上手に作る騎手の技量が試される。スプリントなんて行った行っただし・・・。(暴論)
彼が中京でやたらと上手いのは、押さずとも馬が行くスパイラルコーナー下りの妙味をフルに発揮できるからだろう。下りだけどコーナーという絶妙なスピードで行き、そこで福永騎手の得意技「直線に入ってもすぐには追わない」が発動する。厳しい中京の坂越えを思えば適切な判断。
もしこれが普通の小回りなら致命的な遅れを生むし、東京ではペース次第で前が止まらない。京都も仕掛けがやや遅れる形かな?とにかく中京は福永のタイミングがドンピシャらしい。あの後出しが届く!ガリバルディの勝ちっぷりには「うぉ!」となった。
他に阪神も得意であるが、基本的に彼は溜めが下手糞らしい。中山記念のリアルスティールでMahmoudさんが指摘されていた。だからスローの好位で3Fをビュッと弾けさせるくらいしか旨味がないのだ。それなら溜めもクソもないからね。
だって考えても見て欲しい。福永騎手が乱ラップで綺麗に差し込んできたことがあっただろうか。前を追いかける難しい差しを決めたことがあっただろうか!いいや、ないね!少なくともここ数年の間にそんな神騎乗はなかった!(力弁)
差し込んでくるのは武豊か戸崎圭太かルメールかって感じだ。彼らの中団差しは絶妙がすぎる!
スピードレンジの話をすれば、そうだね、ジャパンカップのエピファネイアはまさにドンピシャだったよね。この馬って中長距離馬だったんだー、折り合いさえつけば中長距離馬だったんだー、って思ったよね。1年後に。
グラスワンダーは・・・判断に難しい。千六と二千五を勝利している馬だからねぇ・・・。 でもその産駒はその類の能力で勝つタイプが多いね。アーネストリーもそうだし。
スクリーンヒーローの産駒もそういった様子があって、サンデーが遠ざかっている分もあるのだろうが距離にあったスピードでごり押しする感じが強い。モーリスはロゴタイプに切れ負けしたし、ゴールドアクターも中長距離から離れたら案外だ。
すると・・・モーリスはこの道悪札幌二千は克服しがたいかもしれない。そうだね、札幌記念はモーリスを買わないべきかもしれんよ。
よし、予想にかかるか。発走まで20分ないけど。
[fin]