ちょいと野暮用でしばらく家におらず、「あぁスプリンターズがあるのに」とあっちゃこっちゃ走り回って、ようやくテレビの前にたどり着いたのは日曜の午後4時。それからまた・・・という競馬に染まれない週末を過ごした。
土曜の夜にモヤモヤと「レッドファルクスが気になる。福永が頑張るレースはミルコが来そう」と思っていて、既にもう後の祭りなんだけれども「あぁやっぱり外からレッドファルクス」とレースの映像を見ていた。
ミッキーアイルは短距離Hyperion血脈の光る千四型俊敏ディープで、母父ロックオブジブラルタルの突進力が半端じゃないくらい活きた馬。だから松山の猪突猛進騎乗は悪くないんだけれども、彼の乗り方でディープ産駒がきちんと勝ち切ることは想像できなかった。勝つならここなんだけれども、川田や池添が乗ってくれなければ半馬身足りないだろうと。
レッドファルクスはスウェプトオーヴァーボードという把握しきれぬ父親が困り者なんだが、これはAmbiorixなどを代表としてTourbillonとLavendulaの複合短距離を抽出できる種牡馬。だから母父父Haloなら東京千四型の立派なスピード馬に出てもおかしくなくて、母ちゃんがスティンガーの全妹なんだからスピードには事欠かない。問題は粘り強さ・・・。
父母はMy Babuの化け物Damascus直系で、My Babu≒Ambiorix4*4✕5という濃密な配合形。SwapsとHeliopolisのHyperionを抱えているのも一つだが、何より光るのは4代母Revolveの配合だ。ここでサンデーサイレンスとのニックスは疑いようがないし、おそらく母父サンデーで短距離馬を出すならこの種牡馬がベストなのではないか・・・なんてことも考えてしまう。
ソルヴェイグはダイワメジャーとして実に立派な配合なんだが、スプリンターズで馬券になるにはちょいとスピードが足りないんじゃないかなぁ・・・と思っていた。これはこれでもうちょっと掘り下げなきゃならなかった。今度やろう。（未定）
ビッグアーサーはスローのG2なら五分以上に出せるけれど、G1ともなると最内から押して行ける馬ではなかった。福永のスタート勘ならもっと出せなきゃならないんだが、差して上がってきた馬だから後手に回る。
そこでゴリゴリ押していく騎乗は福永の美意識には適わないものであり、まぁそりゃ、下がっていくよねぇ。しかも壁を捌けずにワタワタしながら下がっていく姿はG1馬らしからぬものであり、福永降板はどうあっても避けられなさそう。
彼は「ええかっこしい」の男であるのに田原成貴ほどの役者でなくて、だからドロドロの競馬に引きずり込まれると何も出来ない。G1というものは基本的にドロドロしているのに、それをよく分かっていない。G1は格好良くスッキリと勝つものじゃないし、田原成貴も一番ドロドロしてるからこそ格好いいんじゃなかったかなぁ。
ちょっと遅れたら「ここで遅れたらどうしようもない！」とドロドロ追いかけるのがG1であり、「どこかで開けりゃいいんだわ」と格好つけてしまうんじゃ話にならない。そのために限りなく黒に近い灰色な手段を用いるならともかく、何も出来ずに、何もせずに下がっていくんだもの。そんなの四方八方から「お前なんなの？重しなの？」って言われても仕方がない。武豊とてテイエムオペラオー時代ではダーティだったろう。勝つためにしがみつく格好良さが福永にはないんだ。本当に二世騎手だな！典型的な！
でもあれだわ。外から行くことを想定したセントウルSだったから仕方ないと思うのよ。問題は枠に裏切られたのにプランを変更しなかったことにあって、それは陣営の問題なのか騎手の問題なのか分からない。でも実行者は福永祐一騎手。
実行者、「内ならいっそういいんじゃね？」とか思ってそうで嫌。ハクサンムーンくらいの出足で圧倒しないとG1の内枠はやばい。それがないなら命がけで外の馬を威圧し、その上の騎手に恫喝し、無理矢理にでも自分の展開に持っていく・・・そんな気概が必要だ。藤田伸二を見習え！
福永やばいって。年下の騎手に弄ばれすぎでしょ。愛され系騎手にもほどがあるよ。
あとは・・・ちょっと時計が遅いよな。終いが11.8秒ならあと0.3秒は余裕で縮まる。
でも上位はみんな踏破能力に優れたタイプが多くて、ダイワメジャーとかキンシャサノキセキとか母父ロックとかスウェプトオーヴァーボードとかアドマイヤコジーンとかヨハネスブルグとかだ。それに比べるとサクラバクシンオーはちょっと綺麗すぎたかなぁ・・・とも思う。母ちゃんはKingmambo✕Sadler's Wellsだけどね。
ソルヴェイグはこれでミッキーアイルを交わしていれば完璧だった。あの騎乗は外から差されても仕方がないが、前は捉えなきゃ締りが悪い。
でもこれ、レッドファルクスが3番人気ってんだから面白いよね。
[fin]
