砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

今まで自粛していたこと

俺は可能な限り、多分一度も藤田菜七子騎手に言及したことがない。それはこれが重賞へ顔を出していないことも理由だが、批判したがりの俺がこれへ触れなかったのだから偉い。自分の自制心を褒めたい。(やれば出来るじゃん)(やれば出来るんだよ)(深夜のテンション)

だがYou Tubeで競馬の動画を見ているうちに、とうとうそのレースを目にしてしまったのだ。

実にひどい。「一番綺麗に動く騎手、それが武豊だ」とは真逆で、直線へ向くと何もかもがひどい有様となる。こんなのがJRAジョッキーなのだから世も末だと思う。馬を褒めたい気持ちが湧き上がるほどにひどい。

しかし今月に入ってからはちょいと違ってきた。脚元までもごちゃごちゃしていたのに、下半身がある程度安定するようになった。上半身のごちゃつきはまだまだたくさん残っているが、それも良くなっている。

以前は振り落とされないがために密着しているとしか思えなかったが、最近はモレイラっぽく吸い付いている様に見える。ゴール板手前にしかまだそれは見られないが、もうちょっと身体が出来上がれば残り1Fくらいは保つんじゃないだろうか。

ただ大きく追うとやっぱり乱れるし、そもそも吸い付きながら馬を追うには筋力が足りない。それが出来ないからこそトップジョッキーの一部が尻をぺったんぺったんしているわけであり、女性騎手ならなおさらだろう。

そもそもあの体勢で腕を使うのは膝と腰と背中が死ぬ。頭を上げずに密着しなけりゃならん。でも下半身の使い方がモレイラと違うから密着すると頭が上がる。まだ膝をスプリングにしているわ。普通のことなんだけれど。

モレイラはふくらはぎを馬と密着させ、膝の角度を変えずに腿を馬の背と平行に保つ。つまり下半身は膝、足指、腰の2等辺三角形を描き、保持し、腰の動きによって下半身と馬を連動させているのである。奴は腰をスプリングにしている。

また奴は足底を後ろに見せた状態で追う。でも膝は浮いているし、ふくらはぎを密着させるに留まる。指の一本や二本で空気椅子をする、しかもそれはやや前傾気味であり、ふくらはぎによる手助けがある状態。その上で馬の揺れを腰で中和する。上半身は前傾のまま揺らがない。

化物じゃん。三冠馬クラスの良質な筋肉と骨格だ。

藤田菜七子騎手はまだ膝を乗っけているんだよね。その分安定はするけれど前駆の働きを邪魔してしまう。モンキーではあるけれども天神乗りの働きに近いんだわ。それを嫌って蛯名なんかは尻ドッスンしているんだろう。アレはほとんど立ち上がるから指先でバランスを取ることが出来る。しかもドッスンするときは膝が開くし。

皐月賞ディーマジェスティなんてドッスンドッスンと打ち下ろすんじゃなくて、スイングして打ち付けているんだもの。追っている時に膝が上向く騎手なんてそうそういないぜ。

今度から蛯名のことは尻スイングって呼ぶ。

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