ウイポで血統論を展開できないか考えたりしている。あれの配合は実に的を得たものなのである。
ルドルフのネタを集めるほどにインブリードの難しさを実感した。濃さと経由によって色々な違いが現れる。それをどうにかウイポの配合論によって説明できないのかと思った。
netkeibaの掲示板などに時折ある書き込みに「◯◯のインブリード(あるいはクロス)だから◯◯だろう」というものがある。違うんだ。インブリードとはそんなに簡単なものじゃないのだ、と言いたい。
例えば「Robertoのクロスだから小回りベターなのだ」という文章は正解だろう。だが「Danzigクロスだから小回りベター」というのは全くの誤解である。
Robertoという血統は基本的にまくりである。超がつく例外としてKris S.があるものの、これへのクロスについてもほとんどが小回り的に作用する。それで外回りを差し切ることはある(ユールシンギング)けれど、決して外回り特化の差し味ではない。
これはRobertoという血統自体がまくり血統を組み込んで成長してきたためである。この血の周りはまくりの支えとなるパワーやスタミナにあふれており、Robertoのクロスとはそれらを共通させることが多い。
対してDanzigとは靭やかなスタミナを要求する。その最大のパートナーこそがPrincequilloであり、DanzigあらばPrincequilloあり、というほどに関係は密接だ。ただこれは長命かつハイパフォーマンスの種牡馬であったから色物が多く、その色物が代表産駒となってしまった。デインヒルという。
この差は何なのか。それは血統の特性に求められる。
Robertoはパワーというよりも靭やかなスタミナこそが身上であり、それはAureoleと同じような馬群嫌いの気性と共に伝えられた。まくり、とは、つまるところ馬群の外を通る戦法を指す。
実馬の違いはあるだろうが、伝えるものの方向性はおそらくゴールドシップと同じだろう。もし種牡馬として彼が成功したならば数十年後にはまくり血統として、あれらの動画と共に伝えられるはずである。
対してDanzigとはパワーとスピードを伝えた。だからこそこの血統はパワーとスピード以外の要素を繁殖牝馬に求めたし、それによってChief's Crown系というアホなスタミナ血統を作り出すに至った。ダービーSも春天も勝ったスプリンター的父系など近年ではDanzigだけだろう。あ、ついでにゴールドカップ(約アスコット4014m)も勝ったね。
英愛の中長距離~長距離の絶対王者として君臨していたSadler's Wellsを脅かしているのはDanzigなのだ。ダービーS勝ち&絶対馬打倒のRobertoではない。
なので「Danzigクロスだから中長距離で買える」くらいの感覚を持たなければならない。それは母父サクラバクシンオーの菊花賞&春天勝ち馬を見ての通りであり、素早さを取り入れなければならないほどその父はスタミナ的なのだ、という逆算の考えである。
ちなみに俺はテイエムイナズマを菊花賞の本命にしようとしたことがありまぁす!
こういうことをウイポで説明できないのかと思う。ロマサガ3TASを見ながら。
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