砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

札幌記念予想

逃げ・先行・差し・追い込みそれぞれに高い素質を持った馬がある。 マルターズアポジーばかりが逃げ馬ならペースはスローの淀みないものだろうが、マイスタイル・アイトーンの2頭が相手ともなると逃げを確定させるのには距離が必要。前2Fは一杯に脚を使わされそうで、この3頭を狙うのは厳しい。 全体がそのペースに付き合うか。ネオリアリズムはスロー戦よりも厳しい流れを好むであろうし、スペースを埋めるように位置を取るはず。アイトーンよりも前にいるかもしれない。 これを無視することは難しいし、札幌記念にて「差し切れるだろう」の考えは希薄だろう。サクランプルール吉田隼人やスティッフェリオ丸山はこれを追いかけるに違いない。ネオリアリズムを目標とするには実に適切なコンビたちだ。 これを壁として展開する競馬達者たちは多数ある。ここから馬群が形成される、と。

予想印

◎ミッキースワロー ◯クロコスミア △サクラアンプルール

才能の残滓

マカヒキはまさにここがピッタリの舞台。Haloクロスに挟んだフレンチデピュティと母系に潜ったNijinskyの掛け合いは本格化によって小回りでの緩いスパート混じりのまくりを思わせる。 現状がG2クラスであるかがただ一つの問題で、この馬のピークはやはりダービーの時だろうし、今となって一つの上積みがあるとは思わない。どれほどの好騎乗があっても最後の一伸びが、道中での圧倒が、欠ける。

かつての相棒へ一刃

マルターズアポジーの父ゴスホークケン勝浦正樹に二つ目のG1タイトルをもたらした朝日FS勝ち馬。中山1600mを一気のハイペースで押し切った内容は息子に受け継がれている。出足の速さも直線入り口で突き放す瞬発力も、親父譲りだ。 これを捕まえに行くのが新馬東スポで手綱を取った田中勝春というのだから、ゴスホークケン物語のクライマックスっぷりが甚だしい。流石にタナカツ復活Vは考えられないが、安定して中堅の立ち位置を保持する勝浦正樹の好騎乗があっても。 ゴスホークケンが逃げるならば狙わない。マルターズアポジーは「4分の3Northern Dancer」であり、これが古馬となってから一気の本格化を遂げた理由だ。ハイペースも得意だが、基本戦術は高速の出足から繰り出す間隙の溜め戦法。 ましてや鞍上はヨシトミ先生だ。どこかでペースが落ち着く。「4分の3Northern Dancer」の流れを作り出すに違いない。クロコスミアはスロー専門ではあるがドスロー専門ではない。2000mでもほんの少し緩めば差し届かせることが出来る。 ドスローの逃げ先行の方が味があるに違いはないが、好位から展開する重賞勝ちステイゴールドを軽視スべき舞台でもない。 鞍上からして買うつもりもなかったが、逃げと展開が合うならば機会はありそう。

完封勝利への期待

ミッキースワローがその器を見せたのはセントライト記念でのこと。敢然と先頭へ立った皐月賞馬を歯牙にもかけず差し切った、あのレースだ。 アルアインとは様々の違いがあるので末脚のインパクトに違いがあるのは当然。またアルアインがミッキースワローほど展開にハマったわけでもない。格付けが済んだわけではない、というのは大阪杯の通りで、菊花賞の結果からすれば同格程度に落ち着くか。 ここ2レースは内枠のために意図されたゲートで、今回は念願の外枠で位置を狙える。今までは抑えに抑えて外を目指し、終いには道中で押し上げていくというLyphardらしからぬ競馬だった。 本来は中団の前目から展開する馬なのだが母がGrey Sovereignクロスなので好位競馬はイマイチ。バッと出してグッと抑える気性でもないし、包まれたときの対応に難があるのだろう。ディプインパクト・クラフティワイフツィンクルブライドジャングルポケットのいずれからも好位競馬のイメージは沸かない。(クラフティワイフBuckpasserを弄ることでカンパニーの様な突き抜け方も計算出来るが) 直線入り口の段階で前の馬を退ける必要があり、そのために横ノリは外追走を徹底しているのだろう。これならば多少被せられてもコーナーで外へ流れる際に前を開けられる。セントライト記念アルアインについていく限りはまず進路に困ることがなく、またレースレベルからして粘り込む横並びの壁が構築されづらい・・・という読みだったか。 そのあたりの読みは化物クラスなので問題なし。今までよりずっとロスのない斬れ味を発揮することだろう。

消し馬たち

モズカッチャンは外枠だと旨味なし。機動力と流れ込みを身上とし、その上馬群内からの展開が得意な馬。京都外回りならば混合戦でもやれるが、ここは微妙。 スティッフェリオは完全な本格化まであと半年が欲しい。5歳となってからがHyperionの真骨頂。これだけやれるのだから現時点でもほとんど完成されているのだろうが、丸山に振り絞らせるだけのものがあるかは。 サングレーザーは1400mにも適応しているのでマイラーとしての素質が高そう。1800mまでと思えば荷の重いレース。 かなり悩んだのがアストラエンブレム。ピュアなノーザンテーストストライド馬なので今くらいが本格化の頃合いだ。巴賞はゲートで後手を踏んだための敗北だろうし、見直すべき点が多い。札幌記念は非常に面白い舞台だと思うし好走は必至と思うが、テン乗りの鞍上は微妙過ぎる。

最後に

サクラアンプルールは7歳でもまだまだやれる様子で、前走の内容も良かった。吉田隼人への乗り替わりも楽しみがあり、ロスなく運ぶ様も見ておきたかったところ。 キンカメなのでペースの緩みを要するが母母父ノーザンテーストの配合なのだからアベレージより要求は少ない。1Fの緩み程度はあるだろうし、連覇があってもいい。 [fin]