稍重想定であれば中京2000mはスロー展望。スローならば末脚の強度を優先すべきでしょう。
この舞台に求められる末脚の質とはどのようなものなのか・・・という話ですね。
キングカメハメハと取捨
ディープインパクトと真っ向からリーディングを争い、現代種牡馬において最も「種牡馬の父」として成功を収めている名サイアーです。
最大の特徴は舞台を選ばないオールラウンドな遺伝です。短距離王、ダートチャンピオン、ダービーレコードホルダーなどの一世を風靡するほどの名馬を輩出した実績は強烈。ステイゴールドには劣りますが、一発の大きさはディープインパクトより上手と感じさせます。
そのことから「父キングカメハメハ」を理由とした不利は考えることがありません。データ主義者にはありましょうが、血統マニアには希少なことでしょう。
そこに、あえて踏み込みますと・・・キンカメ×サンデーの大ニックスにおいて、末脚の痛烈ばかりを武器とした名馬は存在しないと考えます。キンカメサンデーは競馬の上手な組み合わせでありましょう。この思考は「ドゥラメンテは競馬を上手としたルーラーシップである」なんて話にもなってしまう極端を秘めますから、あんまり、あんまり、深めるつもりはありません。
ディープにこの傾向があるという話ではありませんが、ヴァンセンヌの様な馬をキンカメサンデーは出していません。道中での負荷を好む傾向がある・・・というのは一定の事実を帯びるのではないかと。
エアシャカール＋ロードカナロア
厄介な人気馬エアウィンザーのイメージは上記のようなものですが、かいつまめばジェンティルドンナ的といえましょう。きっと彼女も阪神2000mをああいうった風に踏破したかと思います。
同血のエアスピネルはドリームドアドリーム一家らしい馬ですが、本馬はRaja Babaの匂いが、少し、多めに、感じられます。先行から強靭に踏破する様はTudor MinstrelよりもRaja Babaらしく。
操縦性ばかりは父母間Tudor Minstrelの影響があり、差し引きの効いた末脚の展開が可能です。京都1800mを差し切ったかと思えば阪神2000mを先行まくり。条件の得意不得意はほぼないかと思います。
ロードカナロアもエアシャカールも「如何に末を展開するか」という難しさのあったであろう馬で、「絶対にハマる舞台・得意な舞台」を持たなかったと思います。本馬もトリオンフに京都2000mで出世を二度も阻まれておりますし、対スペシャリスト戦においてはポテンシャル頼みの競馬となります。
基本がスローである日本競馬において末脚の一芸を持たないキンカメサンデーは一芸相手になかなか勝てません。その傾向下にチャンピオンを輩出したキングカメハメハはやはり大種牡馬なのでしょう。
予想印
◎ギベオン
◯エアウィンザー
△メートルダール
予想文
ギベオンはIn Reality血脈を異系として組み立てた優秀な累代の配合。加えて、父母間Wild Riskのディープインパクト産駒というキャラクターが強烈です。
今回の丸山騎手は格落ちの感が否めない起用でありますが、相性は良いでしょう。中京2000mはドンピシャの舞台ですから凡走は少し考えづらいところ。
メートルダールはMixed Marriage×福永祐一騎手ですから中京の特注。この大外枠も都合が良いもので、最後の最後に３着の一線まで食い込んでくるはず。
中京2000mの最内枠は地獄の様相で、ゲートの良いダノンプレミアムでも不利から逃れられなさそう。道中の負荷にこそ本領がありますし、古馬となって更に上積みがあるとも思えない配合。復帰初戦ですし掲示板を捉えれば展望が開ける一戦です。
ペルシアンナイトが最も強烈な末脚を持ちますし、これに馬券を崩される公算が大。しかし最序盤に登坂があり、向正面でも登坂、ゴール板前でも登坂。ハービンジャー黄金配合はしんどい条件が苦手な傾向にあります。
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