砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

2020年天皇賞秋回顧

馬場が速くなった上でのスロー戦。こうなるとクロノジェネシスが厳しいかと思いましたが、スローでも結果を見せられる強い馬でした。

スローでしっかり前で受けたアーモンドアイが一枚上手。ていうかミルコが最高のタイミングで喧嘩を打っていて、外へ出すことは防ぐことが出来てもアーモンドアイは外から被せられてから抜け出すのが最高の形。

中山ならまくられてしまいますが、府中でそれを許すはずがない。今の馬場なら間違いのない選択でしょうけれど、馬場でアーモンドアイを破ることが出来るかというと、いささか怪しい。そりゃ誰も通らない馬場に押し込めば違うでしょうが、今の東京は内馬場を通る馬がいます。その程度の渋り方。

 

 

フィエールマンは12kgも体重を減らしていますが、馬体はスッキリ爽やか、快便の朝みたいな感じ。中距離仕様に増やしてくると思ったら・・・。ある意味正しいのか?

手塚厩舎所属の馬をざっと見てみると、中距離挑戦は結構馬体重を減らしていますな。モンドインテロとかコンラッドとか。

筋骨隆々でないフィエールマンを筋骨隆々へ持っていって馬体重を増やすよりも、素軽さを出すためにスッキリとスマートな体格へ持っていった方が理にかなう・・・かなうのか?

マイルを走っていた馬が中距離を前にしてすっきり見せることは多々ありますが、長距離を走っていた馬にもそれを適用されるものでしょうか。面白いなぁ。ステイヤーはみんな一番スマートな状態で長距離へ挑むものだと思っていました。

燃費の向上よりも燃料タンクの増量が有意義なわけですね。なるほど。今回は予備タンクを外して来たわけですか。なるほど。

問題は予備タンクにあたる部位を適切に削れるかどうかですが、人間の様に特定の筋肉を鍛えるとかを馬は出来ないし、あるいは必要がない。フィエールマンは予備タンクを外せる馬だった、陣営は巧みな技術でそれを外してみせた。それだけですね。

 

ダノンキングリーはすっきり見せていたと思いますが、結果は惨敗。

馬場が全く合わなかった可能性もありますが・・・私は「内ラチ沿いを走らなければならなかったこと」を挙げたい。

Lyphardがそういうタイプで、Aureoleとかでも引かない限りは、あるいは引いたとしても、内ラチ沿いで追走した方が結果が伴うタイプっているんですよ。

機動力的Hyperionな馬がそういう傾向で、中山記念をぶった切るLyphardには大なり小なりそういう傾向があります。ジャスタウェイですらそう。ラッキーライラックにもそういう傾向がありますな。

本馬は内ラチ沿いを走っていましたが、そこは馬場が悪い。また馬場が一層悪くなる4角で外へ出していて、これがまずまず悪い内容。

秋天のジャスタウェイ、エリ女のラッキーライラック。いずれも4角で大きく膨れずに走っているんですよね。外へ出すのは直線へ向いてからです。(あるいはそのまま内を差します)

 

いやしかし、エピファネイアのジャパンカップは今見ても素晴らしい。菊花賞の快勝、産経大阪杯での残念惨敗。そして国外遠征。秋天での虚しいほど伸びない負けっぷり。そこから秋天勝ち馬2頭を引き連れた圧勝劇。

格好いい勝ち方ですし、大きなストレスが開放された感じもデカイ。「俺らのエピファネイアはすごく強いんだ!だから福永が下手くそなだけなんだ!」からの「やっぱり強いじゃないか・・・!(こんなに強いとは思ってなかったよ)」がすごく良い。エクスタシー。

あれほど競馬にエクスタシーを感じたことはありません。ダノンキングリーの敗戦が、いずれそういった快感に変わるといいですね~。

アーモンドアイはね、もう、そういうのないです。はいはい平常運転ね、みたいなG1勝利。こういう馬もなかなか現れないでしょう。

 

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