いつ頃からか、スプリンターズSは東京向きの差し味が良いレースとなっていて、特に東京1400mの実績を持つ馬がよく走ります。
これは日本競馬がサンデーを跨ぐHaloに支配されているためとも言えるでしょう。この血統を1200mの全力闘争へ持っていくには日本競馬の血は靭やかにすぎるというか、なだらかなのでしょう。
頑ななスプリント血統が育ちづらい土壌であるのが日本競馬で、ロードカナロアはやはり中距離で大物を出したし、ドレフォンも似た傾向があります。
ミッキーアイル→メイケイエールみたいな馬がしのぎを削る世界にはなりづらく、サンデーサイレンスの「なだらかさ」というのは、体質というより気性の面が大きいと思います。
中山1200mでトップホースが争うと、その「なだらかさ」をキレイにエスコートした方が勝つという図式でよいでしょう。
16分の1サンデーのピクシーナイト、サンデーなしのダノンスマッシュなどが人気しています。これらにレシステンシアがダイワメジャー産駒の4分の1サンデーで対抗。一番わかりやすいのはグランアレグリアみたいな馬なんですが、まぁ、そう上手くはいきません。
ただ、まぁ、個人的にはレシステンシアって本質的な逃げ先行馬とも考えてません。追い込んでも美味しいと思ってます。サンデーのUnderstandingをいじる配合馬は前と後ろの極端な競馬なら大体成功していますので。
これは父の特性に左右されない特性で、ウインバリアシオンやグランアレグリアがそういうイメージです。アカイトリノムスメもそういうところありますね。
そこらへんをささやかにいじったのがモーリスでして、その娘ピクシーナイトはその系譜といって問題ないでしょう。
鞍上が鞍上ですんで、いえ、悪く言うつもりは一切なくて、けれど、春のように極端に乗った方がハマる馬なのかなと思います。母モガミ持ちと言いますと、セイウンスカイ・ハクサンムーン・グローリーヴェイズ・インターマイウェイ・フィールドルージュ・トリオンフ・ラブイズブーシェ・ストーミーシーです。
諸々の理由があって現状の競馬となっているのは間違いなく、馬の素質がそのようになっているのかもしれませんし、上積みがあって上記の馬たちの様な競馬ぶりとなるかも分かりません。
父千八×母千八のスプリンターですんで、今くらいの位置取りがベストなのも理解できます。血統マニアはどこかで転換期が訪れると予想しまして、その後にG1タイトルなのかなぁと。
ダノンスマッシュはRobertoとAlydarで、競馬の質はゴールドアクターに近いのかなと。
前受けから速い脚を使う展開ならそう負けはしないけれど、厳しい展開での粘り腰はちょっとなさそう。機能は素晴らしくても筋肉の量で劣ってしまうのかなと。
ロードカナロアって機能美の種牡馬ですんで、やっぱり脚が上がっちゃう展開だと明確に脆さを見せちゃいますよね。その世界に踏み込むまでは鬼強いんですが。
「こんな強かったのか!」と思わせない種牡馬と言えて、キャリアを積むごとに新鮮さはなくなっていきます。この逆がステイゴールド産駒だったのでしょうね。いっつも新鮮だったもん。
ステゴ的なやんちゃを求めるならビアンフェ一択でしょう。
名血アジアンミーティアにも見られたスピード能力ですが、ルシュクルはそれに輪をかけています。ルシュクルの仔はスプリント~マイルで活躍していまして、明らかにサクラバクシンオー由来のスピード能力を伝えています。
ステイゴールドがそのやんちゃさで成功したのはノーザンテーストの堅実性が背景にあるからで、やんちゃ×やんちゃでやんちゃな成功ってのはあんまりありません。大成功はそうそうないでしょう。
サクラバクシンオーはPrincely Giftとノーザンテーストがダイナサッシュと同じで、ゴールデンサッシュと違うのはディクタスの存在です。ステイゴールドの名産駒に見られるやんちゃはこのディクタス由来と言われています。
故にサクラバクシンオーはステイゴールドと同じやんちゃを伝えません。しかし背景が同じでありますから、それに近しいやんちゃを内包している可能性はあります。それをアジアンミーティアとキズナらによって表にビッと出してみせたと。もちろん、偶発的なものかもしれませんが。
まー、なんちゅうか、ビアンフェってFiji≒テスコボーイ説を実証する最有力候補だったりします。Twitterで一度つぶやいたりもしたやつなんですが。
なのでビアンフェってキズナとルシュクルの相似配合と見ることも出来ます。めちゃんこ淡い相似配合で私好みです。
ただ、ルシュクルって北海道巧者だったんですよね。平坦の方が上手いタイプで、これはキズナにも言えることが出来ます。キズナも基本的に平坦巧者なんですよね。
ステゴは登坂が得意というか、登り下りに関するスタミナがダンチな種牡馬です。流れ込んでからの登坂能力が尋常じゃなかった。オルフェーヴルのラストランはステイゴールドの正統後継者であるように見えます。
ゴールドシップは流れ込むことは得意でも登坂後の加速がイマイチだったんですよね。それで差される様なレースはなかったんですが。流れ込む段階でレースを終わらせられる馬でした。(負けるにしても)
ビアンフェはオルフェというよりかはゴルシでして、馬体重も合わせて、流れ込む段階でレースを終わらせられるかが焦点となります。
それはキズナの大阪杯もそうでありましたし、Unbirdled's Songの系譜としても正しい内容だと思います。スワーヴリチャードとかトーホウジャッカルですよね~。
ビアンフェに本命を打つとしたら単騎逃げの条件はマスト。しかしモズスーパーフレアやメイケイエールがいますんでね。
モズとエールが談合でスローに落とした瞬間を狙ってガバッとまくればワンチャン。しかしそういう流れ込みは絶対にレシステンシアの方が鞍上ともに得意な展開でして、良い目標にされて終わりだと思います。
しかし談合はまずありません。モズはスローに落として失敗してきたし、エールも単騎逃げでないとそんな器用なことは出来ません。ビアンフェがワンチャン狙ってくるのも織り込み済みでしょう。3頭は良識の範囲内でバチバチでやり合う運命。
これでもやっぱりレシステンシアがワクワクするんですが・・・うーん、極端な競馬が得意だろうという考えは、複数頭を相手に競馬をすると弱いという見方も出来ますよね。
あれを行かせてあれを捌いて・・・みたいなことは出来なさそう。「これについてって交わしてドーンだ!」みたいなね、そういう単純な競馬がいいんでしょう。
極端を言えば先行馬って前を交わして踏ん張り通すだけですから。後ろのプレッシャーはありますけれど、それさえクリアすれば単純明快です。
差し馬は左右に馬がいるし、外からサーッと上がっていく馬はいるし、前の馬は何頭もいるし、視覚的なストレスが多いんですよね。しかも追い出すタイミングがいつ来るかも分かりません。
「あいつを追いかけてやれ!」のシンプルをこなせるのは強みですが、逃げ馬が複数頭いる場合は競馬の選択が難しくなりそうです。今回の外枠は追い風ですけれど、絶対に外から被されたくはありませんよね~。
外から内を見て、その世界だけで完結させたいはずです。そのために、追い込みという選択肢はありそうですけれど・・・。ないでしょうね。
こうなると内に潜りやすい外枠のダノンスマッシュが強そうに見える。しかし・・・馬場はおそらく流れ込む感じなんですよね。レシステンシアの後追いでダノンスマッシュが差し切る流れにはならなさそう。後出しの形になりますんで。
後出しにならない思い切った流れ込みならタイセイビジョンがすんごい強い配合なのですよね。
前走は明らかにぶん回したそうな競馬で、結局ぶん回せなくて、左右に馬がある状態のAureoleインクロスが抜け出してきたのは最後の最後。一応の鬼脚でごぼう抜きしました。
これは明らかにNijinskyな体質でして、スペのNijinsky体質はわりかし鬼脚です。けれど1着はないかなぁ。AureleとBuckpasserですんでちょいと渋いんですよ。この渋さをきっかし間に合わせるならディアドラみたいなチートを使うか、先行するしかないでしょう。ディアドラの系譜にある末脚を前目から爆発させたのがジャパンカップのエピファネイアとも言えます。
ジャンダルムが間に合うなら万々歳でも、Danzigの鬼脚をG1で間に合わせるには6歳は遅いでしょう。早熟というか、Danzigって天性の素質なので、成熟する類じゃないんですよね。
Lyphardは泥臭いので成熟するんですが、神からのギフトであるDanzigってのはちょいとそういうもんじゃありません。神から与えられたもので走ったLyphardはディープくらいでしょう。だからこそピクシーナイトはこれからの馬ですしね。
いや、Danzigの天性はジリジリ続くのも特徴ですが。だから早熟ではあんまりないんですよね。
こういうときは、のんびりとロマンを追うのが一番楽しい。
◎メイケイエール
◯ダノンスマッシュ
△タイセイビジョン
こうやってダラダラと書いてきて、実は最も書きたいことをとっておいています。それを書くことが出来る結果になればいいなぁと。
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