砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

2022年NHKマイルC回顧

勝ち馬ダノンスコーピオンは明らかにRoud Tableの影響が強い馬で、共同通信杯が案外で阪神外1600m~1800mをきっちり走ってきたのは下りでアドバンテージを取れていたからだろう、という読みでした。

しかしそれにしては朝日FSの伸び方が曖昧で、下って伸びてきたというには直線の伸びが鈍かったんです。最後の最後に伸びてきたというよりかは、失速の度合いも鈍かったという感じ。

 

Briarticの名を見ればデアリングタクトがパっと出てくるわけですが、デアリングタクトもキンカメを介するヌレサドニアリーで、名繁殖Specialの父Forli、その母母父FoxgloveってのがFoxlawの2代直孫です。FoxlawってのがRound Tableの3代母Aloeの全兄にあたると。

故に、ダノンスコーピオンの母レキシールーはSadler's Wells≒Fovered One3×3とも言えますか。これはエルコンドルパサーやリオンディーズ≒サートゥルナーリアにも通じる考え方ですから、Specialの増幅で種牡馬エピファネイアが成功している背景にも通じます。

 

このAloeってのはAureoleの3代母でもありますし、それこそディープインパクトがこの一族の出。ここの増幅でエピファネイアの最大の欠点にして最高のストロングポイントであった末脚の貧弱さ≒強烈な爆発力を支えていると。

というよりかは、シーザリオの仔なのにWild Risk的≒イスラボニータ的な爆発で菊花賞とジャパンカップを圧勝したエピファネイアが変態なだけで、配合としての正道へ揺れ戻しているというイメージとなります。

エピファネイアが変態なだけで、リオンディーズ≒サートゥルナーリアがシーザリオの正しいイメージというべきでしょう。もちろん、エピファネイア的な側面を弟2頭も秘めているんですが。(サートゥルナーリアは3歳秋からそれを見せなくなった)(エピファネイアはずっとエピファネイアだった)

 

シーザリオの一家を比較対象とすれば、ダノンスコーピオンの大外枠はむしろ追い風であったのかも分かりません。彼らほど顕著に馬群を嫌うこともないでしょうけれど、今回のレースの様に揉まれずに走られた方がいいのかも。

またロードカナロア産駒としてもスムーズに競馬が出来たのは大きなポイントでしょう。ロードカナロアってTudor Minstrelインクロスですから、やっぱ流れに乗った方が強いんですよね。(壁を作ってバキューンなタイプはあんまりいない)

Tudor Minstrelも今年のNHKマイルCにおいては大きなテーマで、マテンロウオリオンに〇を打ったのは母パルテノンがTudor Minstrelインクロスで、横ノリが差しに回っている馬であるからです。

中山記念では差しに回ってドゥラメンテの2着。大阪杯で前受けしてキタサンブラックを負かす、アンビシャスのイメージで競馬が出来るんじゃないか・・・という。

しかしそのアンビシャスがディープインパクト×エルコンドルパサーなわけで、アンビシャスというワードを出した時点でダノンスコーピオンに自分を戻せなかったのは痛恨のミスだったかなぁ・・・。

エルコンドルパサーはヌレサドニアリーの怪物で、母母父Seattle Slewは母父父Round Table。ダノンスコーピオンの加速の鈍さ、失速の鈍さ。Round Tableの影響が強い馬であることは間違いないけれど、Nureyev≒Sadler's Wellsの素晴らしさを確かに受け継いでいる馬でした。

 

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