砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

2023年ヴィクトリアマイル予想

◎スタニングローズ

◯サウンドビバーチェ

△スターズオンアース

 

キンカメ・ドゥラは母が好配合で強い説を推し進めたいタイプの予想です。

今年もドイツのS牝系が頂上決戦をするらしくて、サウンドビバーチェとスターズオンアースがSchwarzblaurotの一族。シュネルマイスターとサリオスが争った昨年においてはソングラインとセリフォスが勝ちましたから、今回はスタニングローズで。

中距離的スローの東京マイルなら機動力戦士スタニングローズに旨味がありますし、先行仲間のサウンドビバーチェが良い目標となるのでレースもしやすい。その前に出てしまっても自分で逃げればいいだけですし、外側で受ける母父クロフネの先行馬ですから全く走らないということもないでしょう。

スターズオンアースは東京マイルを踏破するには靭やかに過ぎるのですが、ルメール騎手なら勝ち負け。エアグルーヴの仏的要素を増幅した末脚こそが二冠牝馬の怪物たる所以でありまして、東京で切れ負けするなんてことはあってはいけません。でもアーモンドアイほどスピーディではないかな。

 

ナミュールの切れ味は多分にダイワメジャー的で、ダイワメジャー×オペラハウスとかの粘り強さを末脚に持ってきた様な馬ですから、確かに東京は鬼。しかし、それが間に合わないからこそ種牡馬ハービンジャーは苦労しています。Dansiliという血統の難しさですね。なんか、こう、変な風に柔らかくて、ビュッと動いてくれません。

単純に東京マイルで末脚勝負したらスターズオンアースよりずっと上でしょうけれど、なんかこう、結果的に僅差でしょうね。スターズオンアースの底知れなさでもあり、ナミュールの不思議な不適合でもあり・・・。

 

スターズオンアースは立派なピザで、ナミュールはピザ生地に砂糖とバターが入った、チーズのない、牛乳のぶっかけられたピザなんですよ。ビスケットと牛乳と言い換えて良いのですが、あくまでもピザの勝負ですから。

みんなでピザを作って食べようという話をしている中で、ハービンジャーだけは牛乳を持ってくるのです。トップランクの種牡馬において、チーズを持ってこないのはハービンジャーだけです。社台スタリオン組のくせに、ハービンジャーだけがチーズを持ってこない。

このハービンジャーのピザが、時おり、ピザ勝負に勝ってしまうわけですよ。みんなきちんとチーズをのせて焼いているのに、牛乳をぶっかけた甘いピザで勝負してくるハービンジャー。ピザで勝負だと言っているのに、ピザじゃないもので勝負してくるハービンジャー。それが勝ってしまうとき、あるんです。

だからナミュールがここで勝ってしまっても不思議はないのですが、なんというか、本質的な負けではなくて、あぁ、今日はみんな甘いものが食べたかったんだなって、思うだけなんですよ。

ハービンジャーがお馬鹿さんだとか、そういう話ではなくて。彼の生乳でチーズを作ろうとしても、作ろうとしても、どうしてもビスケットと牛乳になってしまう、そういう難しさがあると思うんですよ。

ビスケットと牛乳でピザ勝負に勝ってしまうそのポテンシャルは誰もが認めるものでしょう。その牛乳でチーズを作って、後継種牡馬に持たせてあげられたら、どれだけいいことか・・・。

 

サウンドビバーチェはドゥラメンテがチーズを持ってきてくれていて、美味しいピザが焼けたドイツ娘。ガチンコマイル戦の経験が不足しているので厳しいところはありますが、言うほど緩いレースを経験してきてはいません。

ドイツ血統のCaroということもあり、条件は前走より良いというべき。その前走も展開の利があってのものですが、普段着の競馬で継続して結果を出せたことは褒められます。

スターズオンアースより東京向きの表現で、展開の利があれば先着があっても。スタニングローズと行った行ったの内容ならば、ギリギリ凌げるんじゃないかと。

 

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