ササッと見る限りノーザンダンサーのクロスや父サドラーズウェルズなどの近親が目立つ。
ノーザンダンサーの血統占有率が勝敗を決めるのだとしたらなんとも簡単なレースだ。
ということでひたすらデータを漁る作業が始まります。
2006年
アドマイヤフジ ノーザンダンサー4×3の18.75%。アルマームード5×5で6.25%
母父がハイペリオン4×4で12.50%
父母にハイペリオン4×5で9.38%、ナスルーラ5×5で6.25%
父母にハイペリオン4×5で9.38%
ヘイロークロスってことはアルマームードもネアルコもクロスすることになるな。遠くなるけど。
インティライミ ノーザンダンサー5×3の15.63%。アルマームード5×5の6.25%。
そんでレディアンジェラが5×4で9.38%。この父にハイペリオンがいる。
母母にネアルコ4×4で12.50%。上のノーダンクロスとは関係のないネアルコだから・・・
計算するとネアルコはだいぶ濃くなるだろうね。経由の仕方が多方面すぎて一概には言いづらいけど。
今のところ全頭にノーザンダンサーのクロスがあるな。ナスルーラもちょいちょい入ってる。
サンデー系台頭の年だからね。もしかしたら台頭したサンデー系ってアルマームードが関係する?
マーブルチーフ ノーザンダンサー4*4で12.50%。ボールドルーラー5*4で9.38%。ナスルーラ5*5で6.25%。
母父にハイペリオンが4*5の9.38%。そんで父母母母にゴールドディガーだ。ナスルーラ内包。
あっ、母母父のノーザンテーストにレディアンジェラが3*2で37.50%。
そもそも母がネアルコやハイペリオンを根強く内包しているんだな。
ストラタジェム ヘイルトゥリーズン3*5で15.63%。アルマームード4*5で9.38%。
ノーザンダンサーではなくアルマームードのクロスが重要なのか、と思い始めた。
サンデー×ノーダンが上手に作用している証拠でしょうか。
エンシェントヒル 父にナスルーラ5*5、母に5*5でハイペリオン。
上がりを使う馬はやっぱり重めの配合になってるな。
エルノヴァ ヘイルトゥリーズン3*5、アルマームード4*5。
サンデー×サドウェルでストラタジェムと同様の配合。人気したが伸びきらずに惨敗。
一方でストラタジェムは外から4番目の上がりを使って4着まで差している。
シンプルに馬齢が原因でしょうね。このレースで引退した馬だし。
一方でトウカイトリック インブリードの永久氷晶エルコンドルパサーの産駒。
ノーザンダンサー、そして根づよいスペシャルのクロス。遠くにはネイティブダンサーのクロスもあるだろう。
母方がまたネアルコ、ニアークティック、ナシュアなどを持っているために複雑なクロスが大量発生。
「あぁ、過ぎたるは及ばざるが~ってやつか」と一人納得。パワーとスタミナが豊富すぎるんだ。
中山3600mをベストとするだけある。
ノーダンなどのクロスが強いとサンデー系の瞬発力勝負についていけないのかな?
総括
この年は高齢馬が多った。そんで勝ったのは若い馬であるから順当かもしれない。
2007年
この年の不可解な所は・・・トウカイワイルドなんていう意味の分からぬ馬が勝ったことだ。
サンデー×ミスプロがいい味を出したのか?正確にはゴールドディガーが。
トウカイエリートはサンデー×ノーダンの証とも言えるアルマームードのクロス4*5。
その中でナスルーラなどもあるから前年の傾向と矛盾しない。ただ高齢馬。
アルマームード5*5、ノーダン4*3、レディアンジェラ5*4、レイズアネイティブ5*5。
そしてミスプロの母、ゴールドディガーがやっぱりいる。さらにボールドルーラーからナスルーラ分を補給。
ダンスイン×ノーテーはこの舞台では鉄板かもしれませんね。ミスプロ掛け合わすのも。
メイショウオウテはノーダン血を持たない。サンデー×クリスエス。HtRを3*4。
HtRも原初をネアルコとするから全く関係ないこともないだろうが・・・。流石にHtRとノーダンを一緒くたにするのもどうかと思う。
ただスウィフトカレントを見る限りHaloやHtRが濃い方が走るのかもしれない。
ロベルトってのは1つの鍵かもしれない。
父のヘイルトゥリーズンはターントゥ-ロイヤルチャージャーを経由したネアルコ血。
そしてナスルーラとロイヤルチャージャーは4分の3を同血とするのである。
父父と母父は8分の3が同血。父母と母母は2分の1が同血。更にファロスなどのクロス。
現代競馬で許されるのかすら怪しいえげつないインブリードである。
ナスルーラとサンデー系ってこの舞台では限りなく好相性なのかな?
父父には5*5*3のネアルコクロス。父母はノーザンダンサー直系。
母父はナスルーラとニアークティックがあってネアルコが5*4で存在。
新潟大賞典を2勝しているだけに長い脚を使えるらしい。
ネアルコがうるさくなるとサンデー血で瞬発力を補いたい、ということかなぁ。
人気してるけどさっぱり結果出してないし。
ちょいと結果を出しかねたのがマキハタサイボーグ。脚は使えたが位置が悪かった。
後に勝利するステイヤーズステークスがベストだったのかもしれない。
ノーダンクロス5*5*3と濃ゆい。だが瞬発力がない。やっぱりサンデー血が。
2008年
その前提を覆したのがアドマイヤモナーク。非サンデー系。
父父にサドウェル。ノーダンクロス3*5*4。今のところ一番濃ゆい。
秘密はトニービンにありそうだ。
ハイペリオンを5*3*5、ナスルーラ、リヴァズで5*5*4、
だがまぁ、この年は雨で渋った上に3週目開催だ。
前年はトウカイワイルドが最内から差し切ったわけだしフラットになりきらなかった傾向がある。
2008年は明らかに重めの馬場。かつ外伸び。上がりを使う馬は外から良い脚で追い込んでいた。
一時期の阪神ほどじゃないけど今年は外よ。
事実、テイエムプリキュアは逃げていながらも馬場の真ん中を走っている。内に魅力がなかった。
上位の大勢も外。だからこそアドマイヤモナークが台頭できた。
こういう「最適な道」を選ぶにあたってはアンカツや武はとっても信頼できる。
という面から非サンデーがしっかり台頭できた、と見る。
ところが2着は前年に引き続いてのダークメッセージ。
鞍上強化に加え、馬場状態がより向いたということになるな。
サンデーにノーダンをプラスしたダンスインザダーク。更に上乗せノーザンテースト。
特有の瞬発力をやや消し気味だが確実に地脚を強化している。うむ、渋馬場向けっ!
それにノーダンクロス4*4、ニアークティック5*5*5とまずまず王道。
王道種牡馬が必要な舞台だがそこはヌレイエフでカバーしている。ボールドルーラーやHtRの名も見えてまぁまぁだろう。
何よりも逃げ馬であるから。逃げ馬であるから血統要素としては「渋馬場有利」という情報だけで良いのだ。
おなじみのノーダンクロスが4*5。見え隠れするナシュアやナスルーラにHtR。これはロベルトの影。
フレンチデピュティにロベルトはここでは愛称が良さそう、と思うこの馬はアドマイヤジュピタ。
後の春天勝ち馬だけあってシンプルに良好。しかし距離が短いのかな、という危惧はあった。
更に言えば馬場が悪すぎるし、キレが薄い。ナタのような鈍い切れ味がないのだね。距離延長が合うのだからそういうことだ。
この年はグロリアスウィークも頑張っている。
ノーダンクロス5*4*5。更に母父父にサドウェルだからサンデー系との相性は良好だ。
遠くに見えるHtRのクロスがね。
にしても牡馬のスペ産駒が走るレースだね。重賞にしては珍しい話だ。
ノーダンクロスの入ったスペ産駒が走る・・・1つのヒントか?
そんでトウショウパワーズも頑張った。
シスタートウショウの産駒か。それにダンスインザダーク。良血ですな。
しかし問題。こいつ・・・例外的にアウトブリードな馬なの。母にハイペリオンクロスがあるくらい。
ノーザンダンサーにヘイルトゥリーズン。ハイペリオン、プリンスリーギフト(父ナスルーラ)・・・
ひと通りの材料はそろっちゃいるけど何かが濃いということもないのさ。
1つ言えるのは・・・ダンスインザダークの良い所も悪い所もきっちり受け継いでいるところ。
ラブリーデイに似てる。
瞬発力がないというかあるというか。ロータスヨーロッパ的な。
加速が良いから見せ場は作る。けれど最後のひと伸びが足りないんだ。
スタミナ的な意味じゃなくて最高速的な意味。エンジンの限界が低い。
先行して残る様な競馬だよね。ラブリーデイ、アンコイルド、そんな感じ。
こいつは悪馬場が有利に向いたのか不利に向いたのか・・・分かんねぇやつだな。
ここで休む。
[fin]