砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ジャパンカップ展望

夢にまで見たジャパンカップが今週末に開催されます。

面白いメンバーが揃っていますが対して面白いレースにはならなそう。


まずジャパンカップというのは馬場が凸凹しているのが特徴。

秋天の馬場はせいぜいオークスやダービーくらいのイメージでありまして、

ジャパンカップエプソムカップとかのレベルまで渋っているわけです。

であるから柔らかすぎる馬はあんまり走りません。強靭な伸び脚が求められる。

昨年の上位8頭を見てみましょう。

ジェンティルドンナ

デニムアンドルビー

トーセンジョーダン

アドマイヤラクティ

ドゥーナデン

ルルーシュ

ヴィルシーナ

アンコイルド

共通項は洋芝か阪神を勝っていること。

特にアドマイヤラクティヴィルシーナは道悪のプロとも言えるくらいで、

ヴィルシーナエリ女でも雨渋りをこなしていたから宝塚記念は当然の結果。

それを知っていながら宝塚で買い切れなかったのが悔やまれる・・・。

そんで道悪適性って一言で済ませされるもんじゃないんですよ。

走り方やパワー、粘り脚。この三つの要素です。

グラスワンダーに代表されるかき込むような走りは道悪ではえげつないほど強いですよね。

朝日杯を勝ち、有馬→宝塚→有馬のグランプリ3連覇は伊達じゃない。

そして産駒のG1勝ちは・・・朝日杯、ジャパンカップ宝塚記念

セイウンワンダースクリーンヒーローアーネストリー

粘りってのも大切でしょう。G1で穴を開けるのはいっつもこの粘り脚の持ち主だ。

トーセンジョーダンに代表される。いっつもいっつも11.5秒くらいでドンドコドンドコしてる様な。

10.7とかはさっぱり無理なんだけどハイペースや雨でしんどくなっても11.8くらいをキープできちゃう脚。

パワーってのがまた難しい。

「パワーがあるから阪神や中山でも失速しない」と色々言うわけですけども・・・

モチジュン先生のブログなどを見ていればもうちょっと違う言い方がされますな。

つまり前輪駆動か後輪駆動か。いや、競走馬はみんな4WDですけどね。

あれですよ。どっちに重点が置かれているか、って話。

前輪・・・前脚を重視した走りをする馬は坂下りでものすごい加速をするらしい。

熊は後輪駆動的だから下り坂で逃げるべきだ。兎狩りもやっぱり下り坂でやるべきだ。

逆に後ろ脚で走る馬は登りでは強い。後ろでガツンガツン蹴るわけだから登るのに適する。

上り坂だと兎には逃げられるし熊には追い詰められるわけですよ。

そんで競馬では「トモがパンとしていない」みたいな言い方がされますよね。

あれは後ろ脚が発達しきっていない、ってことです。当然前輪駆動的になる。

ハーツクライ産駒やダイワメジャー産駒は道悪をこなすから、と人気したりもします。

だけどこの二頭の道悪のこなし方は違うんじゃないかい?という考え。

これが一つ目のアプローチ方法。

この考えだとディサイファなんかが3着の一線まで伸びてきそうですね。

寝る前にあと3つくらいはアプローチの仕方を考えておきたい。

ディサイファの他に何がいいかなぁ。札幌記念を勝ったハープもいいしなぁ。

本当にジャパンカップってのは前残りとか前崩れとかそんなレベルじゃなくて、

如何にあの直線を踏破するかってことですよ。

馬場が遅いわけじゃないけど昨年のデニムアンドルビーみたいな脚は奇跡みたいなもんですわ。

33秒2の上がりを当然の様に考えていたら間違えるんだ。でもそれで上がってくるのがジャパンカップだ。

想定外を積み重ねてその爆発力で予想をするしかない。「なんだ想定内かよ」みたいなため息の連続になりそう。

エピファネイアはスミヨンが乗るらしいじゃないですか。神戸新聞杯勝ちの馬は面白いよ。

福永って上手い騎手なんだけど彼は馬に乗ってないよね。

競馬って馬主なり調教師なり騎手なり、色んな人間関係がもつれ合って構成されてる。

福永祐一って騎手はあくまでもその人間関係の中で生きている人だと思う。

馬を勝たせる、ってことがありえない騎手だ。

「福永じゃないと勝てなかった」と言われることはないのでしょうねぇ。

マイルCSもそういうことです。

福永はフィエロを上手に走らせたし、その結果としてフィエロは勝てたはずだった。

間違いなく福永は人気馬を当然の結果へ導いた。上手い騎乗だったよ。

でも岩田は勝ち馬が満たすべき全ての要素を外枠からやってのけた。

間違いなくあれは岩田が勝たせたよ。憎らしい。憎らしい。憎らしい。

でもあの馬場で岩田を最初の最後まで疑い続けたのは間違いじゃなかったんだ、と嬉しくもある。

そういう騎手から開放されたエピファネイアが名手スミヨンに乗り替わる。

決して東京に向いた馬でもないし2400mの延長はプラスとは言えない。凸凹も良いわけじゃない。

だからいの一番で消すべきはイスラボニータエピファネイアだと思っている。

それを裏切って複勝圏に転がり込んでくるんじゃないか・・・?と期待するわけでもない。

レースを度外視した期待ですね。スミヨンが東京2400mでこの馬の違う一面を提示してくれるかもしれない、と。

世界を股にかける名手ですから!

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