砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

邪道を進むステゴ娘

キャットコインという馬を解析してみよう、という試み。


この馬の血統を見てまず考える事は「ステゴ×嵐猫ってどうなの?」って話であります。

これがなかなか悪くない。

ノーザンテーストをニアリーすることでステイゴールドはオープン馬を作るわけですが、

このニアリー判定がなかなか広い。Storm Birdが微妙・・・にニアリーします。

ただし刺激するのは米血統でありますから米血的なパワーの補完が肝となります。

Lady Angelaは英血統なのでそこの刺激を諦める・・・ステゴ配合としては邪道と言ってもいいでしょう。

ところがこの邪道を正しく突き進めるのがこのキャットコインという馬である。

母父Storm Cat自身がアメリカ競馬を席巻した大種牡馬で、これが優れたスピードと突進力を伝える。

つまりHyperionに頼らない米血統的なスピード&持続力です。

そして母母ローミンレイチェルが米血統でありまして、日本への対応力は折り紙つき。

代表産駒はゼンノロブロイ古馬三冠馬だ。

そしてまた絶妙な具合に・・・プリティポリーをかすめるくらいにニアリーするのも面白い。Erneって牝馬です。

プリティポリーはノーザンテースト弄りにおいて「最後の一手間」とモチジュン先生は言っておられます。

果たしてその一手間が米血メインの刺激で必要とされるのかは疑問であります。

ノーザンテーストを正しく刺激する血統がないんだもの・・・。

右を向いても左を向いても米血統の硬さがあって、行った行ったの突進力が見受けられます。

実際、母母のローミンレイチェルはダート7FのG1を勝っているしね!

さらに母のストレイキャットはダート1000mでデビューしてんだぜ!

ステイゴールドってやっぱりすごいんですわ。

肉がついていない分と牝馬である分、それで中山外回りをスムーズにまくったのだと思う。

平坦で伸びるのも同様でしょう。しかしもっと尻に肉がつけて芝マイルを先行押し切りすべきよ。

晩成型でもないだろう。しかしノーザンテーストがきちんと刺激されているのであれば二度変わることも、と。

余力の残し方が大物の風格を感じさせるよね。

中山をまくって最後まで突き放し続ける勝ち方は見た目以上に強いものであるし、

新馬戦の東京も200mを切って平坦になった瞬間に数馬身の差を全部詰め切っちまった。

ステイゴールドというのが難しいところだけど案外これは1戦目に間に合うんじゃないかねぇ。

今が2月中旬だろ?稽古で攻め切れないというのが難しいけども、ここで体重増やして府中の直線を差しきれるなら本物だろう。

米血統増し増しで尻に肉をつけたステゴ娘が阪神の登坂でもう一伸び、というシナリオもあるんじゃないかな。

今回?今回はどうだろう。体重が増えたとしても調教で動かないらしいから成長分とは一概には言えないし。

完全な伏兵なら狙う手もあるけどもそんなのありえないでしょ。人気はしてしまうよ。

するとあれじゃん。「買うべきかもしれないけど消してしまいたい」というカテゴリなわけで。

そんなカテゴリが3歳戦で生まれてしまった時点で負けですよ。

増してヨシトミ先生が鞍上でしょう?人気が少し落ちて、穴人気して、の両天秤。危うさ100%。

素質はあると思うんだけど稽古で動かないなら青田買いは難しい。

それなら尻尾と頭は残して身だけを食べましょう。

[追記]

登坂では狙いづらいタイプかもしれません。割りと前脚が伸びてるか?

Princely GiftSecretariatなんかの坂下りなNasrullah系ばかりですし、そもそもアメリカって平坦ダートじゃね?と。

ちょうどこんな形でノーザンテーストをニアリーしているのがゴールドシップで、彼は坂下り巧者ですよねぇ・・・。

Princely Giftのクロスがあるので原因がそれとは言いづらいが。)

とりあえず、ステゴの正しい道を進んだわけではないので急坂小回り向きにはならないでしょう。

ステイゴールドってのはノーザンテーストをイジることでG1級を作りましたよね。

ナカヤマフェスタやオルフェ=ドリジャニ兄弟、ゴールドシップフェノーメノなど。

これらに比べるとキャットコインはイジりが足りないのも確かなんですわ。

しかし一貫性のあるイジり方をしているのも確かなんです。

Pretty PollyをHonoraやErneでニアリーして、そのHonoraを内包したEight Thirtyをクロスした。

この「一手間」がどこまで意味を持つかが鍵でしょう。

ノーザンテースト的なマッチョ体質から逃れつつも、そこから活力を得ることが出来たのであれば、

柔らかく京都を俊敏に差していくステイゴールド牝馬というのが重賞で拝めるかもしれません。

[fin]