ディープ×トニービン×ヘクプロ×エルグラ
こいつのクロスを簡単なところだけ並べてみると
Goofed5*5 Northern Dancer5*5*7 Buckpasser6*6 Nasrullah6*7*7*7*8*8*8*9
とにかくNasrullahが多くて、「ディープLyphardトニービン」の配合形よりも「サンデーミスプロバックパサー」が優先された様な脚長の靭やか馬体に出ている。だけどGoofedクロスの分だけなんかスタミナ化した様なフワフワと走る様子もあり、首を高くして脚周りだけが靭やかに動くのでちょいと違和感。
ディープインパクト自身は「サンデー×Lyphard×ハイインロー」のA級配合で、産駒もその配合を踏襲していることが多い。しかしこの骨っぽい配合形の割に靭やかな馬体を伝えるため、母方には骨っぽさを補完する様な血統が必要とされる。ほとんどそれは一流どころのNDによって補完される。Lyphardをクロスすることもまた多く、Fair Trialを母系の持つND系を重ねることもまた一つ。(Danzig、Sadler's Wells、Nureyevなど)
だからトニービンというクラシックディスタンスの馬が母父に入ってしまうとダメなんだわな。4分の3が靭やかな血統で埋まってしまうわけで、ディープ×Storm Catも似たようなことになってしまうがStorm Bird≒Nijinskyとかで突破することは可能。対してトニービンは何も出来ない。サトノノブレスの様にAlibhai増し増しにして晩成を待つくらいか。
ところがサンライズタイセイはトニービンのナスルーラ成分を利用してディープインパクトの配合形を無視する作戦に出たわけだ。ナスルーラ過多というのはそのままヘクタープロテクターのイメージで、それを踏襲するような配合形。つまりゼンノロブロイのミスプロクロス馬みたいなところがあるのよな。スタミナっぽいわけじゃなく、靭やかさで中長距離を走るイメージ。
この配合形はまた反応が良いから促したらスッと動いていく。靭やかだが鈍くはない、というのがサンデーミスプロバックパサーだ。まぁディープトニービンってハーツクライ産駒みたいな本格化の仕方をするからナスルーラ過多を上手いこと調和したとも言える。この配合の柔さは本格化を待たなきゃならない。
その観点からすると今がピークだろう。小倉千八できちんと勝ち切ったのは良い材料で、根っこは中長距離馬だからここからの距離延長はプラス。スピルバーグが東京千八で勝ち切りまくって毎日王冠で届かずの3着、そして二千に伸びてズブッと突き差したのとイメージは重なるかもしれない。
小倉二千は京都二千二を小回りっぽくした舞台だから適性ドンピシャかも。
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