砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

トニービン傘下にあるのは誰か3 新潟記念予想

みんなトニービンを尻に敷く強い要素を持った馬ばかりだわ(驚嘆)

次はネオブラックダイヤ。ユールシンギングと同じサワーオレンジの牝系で、その直仔シャダイアイバーまでを同じくする。サワーオレンジはバロクサイドと同じ「Hyperion×Nasrullah」の組み合わせを持った馬で、ガーサントを入れないことを除けばほとんど同じ道をたどっている。レディチャッターの牝系はガーサントを入れてほとんど同じだな。

で、ネオブラックダイヤの配合はゼンノロブロイ×エリシオ×トニービン×ノーザンテースト×Delta Judge(5代まで)。ゼンノロブロイの配合としては十分なレベルにあるし、ノーザンテースト弄りという観点でも十分。そしてトニービン&Special&Delta Judgeで「Hyperion×Nasrullah」の組み合わせを重ねているのも良い。

また「古馬三冠×凱旋門賞×凱旋門賞」の累代もナイスだね。中距離馬に留まる気配を感じさせない。そりゃこんな馬が新潟2000mをスローで逃げたら勝つよ。当然だわ。クラシックディスタンスのスローから鋭く伸びる、それも4Fスパート的な鋭さを持った馬を連ねているんだから。

唯一この馬だけが違う次元で競馬を展開できるのだわ。先行しての4Fスパート、あの春天を差し込める馬ならば可能だ。

秋山は主導権を握るつもりで押していくだろうけど登坂区間に差し掛かってなお押していく度胸があるかは分からない。スローを意識した柴田大知が素早くハナ争いを仕舞ったところを外から二の脚でサーッと奪う・・・というシナリオならばありだけれど。まさに奇襲逃げ。

春天ゴールドシップの様に登坂を機に上がっていく・・・そういうやり方もあると言えばある。ゴールドシップは本当に化け物で、登坂でみんな落ち着いたところを狙い撃ちしてるのだわ。宝塚記念もゴール板前の登坂で落ち着くところを一頭だけ速い流れで上がっていく・・・スタミナが並外れている。

モチジュン先生は凱旋門賞よりキングジョージに向いている、といった様なことを書かれていた記憶が。アスコットは高低差がきつくて中距離馬としてのスタミナを強く要求されるかららしい。

この動画の通りに大変な状態。チャンピオンジョッキーで乗っても仕掛けどころの難しいコースで、KGⅥ&QESは未だに穴馬を持ってこれないもんなぁ。ゲームの話。

ネオブラックダイヤにその類のスタミナ・・・長距離的なスタミナではなくて登坂力とも言うべきスタミナがあるかは分からん。トニービンもエリシオも凱旋門賞的ではあってもKGⅥ&QES的ではないから多分ないのだと思う。二頭とも勝ちきれなかったんだよなぁ。かといってミルリーフやラムタラニジンスキーダンシングブレーヴを母父なんかに持っているから良いというわけでもないだろうけど。

・・・ハービンジャーだと説得力はある。その年の凱旋門賞ワークフォースを17馬身差で抑えたくらいだ。

でも父ゼンノロブロイというのは線の細い産駒を出すから良くも悪くも日本的になってしまう。春天を好走したのはその線の細さが凱旋門賞馬たちと噛みあわったからとも受け取れる。

ベストパフォーマンスというのがどこにあるか掴みづらい馬だし戦績でもあるから・・・。だからこそ狙い目なんだけども、限界が読みづらいのは困りもの。

ただファタモルガーナに力負けしているという事実がある。少なくとも長距離戦では二度敗れている。これを限界と見るならば買うべきではないが・・・ファタモルガーナが長距離馬でネオブラックダイヤが中長距離馬とするなら話は別。

二頭とも母父を同じエリシオとしているが「Hyperion+Pretty Polly」の行く先が違う。ファタモルガーナは春天レコードホルダーであるディープインパクトのスタミナ源Burghclereへ向かうのに対して、ネオブラックダイヤはNearcticのスピード源であるLady Angelaへ向かう。サンデーと合わせると2000m的なスピードが生まれるはずだ。

Fairy King×Seattle SlewにRobertoを重ねていればステイヤーとして100点満点だった。それこそリアルシャダイトニービンノーザンテーストの間に挟めていれば。元来、サワーオレンジの牝系というのはそういうスタミナに優れているのだからそっちが正しいと思わないでもない。

なのでネオブラックダイヤはエリシオのスタミナで走る中距離馬~中長距離馬という見込みで良いだろう。宝塚記念の反応を見てもそんなにズブい感じはしないし、1800的なスローから差されても仕方のないことだ。G1レースを勝ち馬からコンマ3秒差、コンマ5秒差で走っているのだから悪い結果ではないだろう。

函館記念を見る限りでは中長距離馬だな。長距離レースでああいうレースをしているのだから当然か。函館2000mは蟻地獄みたいなコースで、前半でポジションを取りに行かなきゃならない。後半は登りで構成されているから前半で楽をしても後半の登りでは差は縮められない。逃げたトウケイヘイローなんて本格的に追い出したのは残り400mほどから。登坂区間を追わずにじったらじったらと余裕かまし馬なりで登っていた。

他の馬はと言えば差し勢は残り700mあたりから差を縮めに行っているわけで、登りながら差を縮める無理をしている。下り区間トウケイヘイローが得たマージンを後ろの馬は登り区間で縮める・・・そんな馬鹿げたことをしているのだわ。

それは登坂的なスタミナを要するのだからゴールドシップ的なスタミナが必要。アスカクリチャンだけがそれを持っていた・・・という図式かと。これに気づいていれば札幌記念でアンコイルドを逆転するのを読めたな。

その流れの中でネオブラックダイヤは差して13着。登坂力が足りないというよりトウケイヘイローの淀みないペースに負けたかな。やはり前受けスローでなければ2000mは勝負にならないか。

また、本調子というか本格化というか。良い状態になったのは昨年のレインボーSからなんだよな。馬体重を約2年ぶりに512kgまで増やしてオープン入りを果たし、それ以降は510kg台をキープしている。本格化したというより調教師がネオブラックダイヤを掴んだ感じだろうか。

Hyperion×Pretty Polly」を弄っているから7歳でも目に見えて衰えてはいないはず。先行さえ出来れば、そしてスローであれば中長距離のスタミナで残るはずだ。

でも・・・うーん。分の悪い賭けではあるかな。馬券になるかならないかの瀬戸際だもの。9番人気くらいで5着して「案外よくやったじゃん!」で終わりそうな気もする。コンマ3秒差の7着でも合格点が出る馬だし・・・。

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