このしょうもない格言は間違いじゃないかもしれん・・・。
正確に言うと「調教師がマイラーと思った馬を狙え」というわけで、マイル以下の距離で卸された馬が実に走っている。
1800mで卸された勝ち馬も多いし須貝調教師がマイラーとしたゴールドシップも1800mで卸されている。サンデー全盛の時代にマイルで卸すのはよっぽどでもある。
しかし胴の短さや脚の短さは有馬記念で要求される機動力に直結する要素であり、これを見て「こいつは短い距離かもな」と調教師が判断した馬が走っているのも事実で、マイル重賞勝ちの馬が目につくのも事実である。ドリームジャーニーとかブエナビスタとかダイワスカーレットとかオグリキャップとかグラスワンダーとかジェンティルドンナとか。
まぁ「それじゃ桜花賞馬狙えばいいじゃん、朝日杯勝ち馬狙えばいいじゃん」ということになるわけで、書きながらどうやって筋を通すか迷っている。でもさぁ・・・オルフェーヴルだってきさらぎ賞までの4戦を1400m～1600mで走らされていたわけであるし、本当に筋通るのよ・・・この理屈。
2000mで卸された馬はダイワスカーレットしかいなくて、これはまぁ桜花賞勝ちの実績と逃げという戦法が特別なものだから例外と見たい。有馬記念の逃げ切りは本当にインパクトでかい。
して、この筋が通ってしまうしょうもない格言を思い出したのはアルバートが原因なんだ。フォトパドックみながら「短足か短胴のブサイクいねぇかなぁ」とぼやいてたら「お、こいつなかなかじゃん」→母父ダンスインザダークのアルバートでしたというオチ。
そういえばこいつって外国人騎手からの提言が快進撃の始まりだったんだよなぁ、とまた思って戦績見たらマイルで卸されているわけよ。ステイヤーズSをあれだけ強く勝ったお馬さんがちょこちょこマイルに出走してはボロ負けしてるわけよ。「なんだこいつ」と思うじゃん？馬に対しても調教師に対しても。
でも母父ダンスインザダーク・・・。んー、ダンスインザダーク産駒自体は結構2000mで卸されれることが多いんだがデルタブルースはマイルで卸して惨敗しているんだよねぇ・・・。ダンスインザダークは有馬記念では不調というデータを覆しきれないよなぁ・・・。同時にステイヤーズS組のこともねぇ。
しかもSeattle Slewな胴長であるシンボリクリスエスが2連覇している以上は「胴長だから」じゃ説明がつかないんだわなぁ・・・。無理を通すなら「NijinskyとBold Rulerはニックスじゃないから」になるのかねぇ。Nijinskyって機能性の強いスプリント血統とあんまり相性が良くないんだわ。
その点ノーザンテーストってジャッジエンジェルーチとのニックスがあったりするからさ。血統のつながりが問題なのかと思う。またロイヤルスキーとかThe Minstrelとかの同族は中山2500mじゃ別に欠点とはならないからねぇ・・・ギリギリのところだ。
いや、実際NijinskyをTom Foolクロスで動かすというのは理にかなっているわけだからさ・・・。むしろ中距離血統のTom Foolで動かしてステイヤーズSを勝ったというのは非凡な内容というべきで、有馬記念においてアルバートはゴールドアクターよりずっと高いポテンシャルを持っている。
ダンスインザダークを機能的に動かすにはTom Foolしか活路はなく、グレートターフの牝系にダンスインザダークとMr. Prospector×Buck Passerを重ねてラブリーデイとアルバートの二頭が出たのは必然というもの。ただこのRed Godの使い方でテイエムオペラオーやサクラローレル、マヤノトップガンの様に有馬記念を勝てるのかが分からない・・・。
ラブリーデイはいいさ。距離適性の問題でスローにならない限りは怖くない。スローでもジェンティルドンナほどズバッとは抜け切れないから進路が狭くなればG1を勝てるほどのパフォーマンスは見せられない。中山2500mにおいてはG2レベルのパフォーマンスが精一杯だ。
だがアルバートは違う。東京2400mで33.7秒の上がりを使ってぶっこ抜く俊敏性とステイヤーズSを圧勝するスタミナを兼備している。普通こんだけのスタミナを持っていたら1000万下の東京で切れ負けしてもおかしくないんだが、今夏まで距離適性への疑念を調教師に抱かせなかったパフォーマンスがそれを支えている。
そのパフォーマンスの底は某騎手が函館で見せた騎乗によって見ることは出来るが・・・重馬場函館1800mを追い込んで上がりを使うこと自体が非凡オブ非凡なんだよねぇ。函館は後ろから追いつけ追い越せをやったらズタボロになって力尽きるのが当たり前で、それを最後まで脚を持たせているのは化け物の証明だ。ラブイズブーシェくらいしかそんなことしてないぞ。
ちょっとアルバートは距離を置くかな。もうこいつのこと化け物としか見られない。
[fin]
