砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

RibotはTom Foolに敗れる 有馬記念予想

THE Ribotと言えばタップダンスシチー

タップダンスシチーは辛抱強く脚を使うピッチ走法の馬だが有馬記念の勝ち鞍がない。

頭角を現したのは明け5歳の日経新春杯で、条件戦を勝ったり負けたりしていた頃にこのハンデ戦を3着と好走。それから条件戦を2連勝してオープン入りし、3番人気で迎えた日経賞を2着。それからオープン戦のメトロポリタンSで1番人気を裏切って3着となり次走の目黒記念も8番人気5着。物足りない成績が続いた。そのまま02年のシーズンを淀みなーく使われ続け、秋の8戦目朝日CCで念願の重賞制覇。この時の手綱を取った佐藤哲三騎手とは引退までコンビを組むことになる。

重賞勝ちの後もレースを重ねて京都大賞典3着AR共3着京阪杯(京都1800m)5着と掲示板を外さない好成績。そして有馬記念を13番人気で迎えることになる。シーズン12戦目というハイペースの出走が嫌われたのだろうか、俺もこんなのは買いたくない。

ところがここを2着して一気にG1級の評価を・・・得ない。ようやっと長期放牧に入り春の東京リニューアル記念(東京2400mのOP戦)を7番人気で1着。そして金鯱賞を勝利して有馬の2着をフロックではないと証明した。その後伝説のヒシミラクル宝塚を3着に粘りこみ春は3戦で終了。良心的なローテである。

秋初戦の京都大賞典では1番人気1着を決めて正真正銘のG1級へ。次走のジャパンカップタップダンスシチーのベストパフォーマンスで、後続に1.5秒差をつける大差勝ち。これが日本競馬史上最大着差のG1勝ちだったはず。満を持しての有馬記念だがここはザッツザプレンティアクティブバイオに執拗なマークを受けて8着の惨敗。年6戦とG1ホースらしい健全なローテーションで2003年のシーズンを終えた。

翌年の2004年は5月末の金鯱賞から始動してここをレコード勝ち。次走の宝塚記念をきっちり勝ち切ってG1を2勝目。凱旋門賞へ乗り込むが17着と惨敗してしまうのだが年末の有馬記念を堂々と逃げて・・・2着。05年のシーズンも始動は金鯱賞。きっちり勝って3連覇を達成。これがタップダンスシチーの見せた最後の輝きであった。

7歳の末に人気を背負って有馬記念を好走するというのが不自然な話であり、8歳の始動で1.4倍の支持を得てG2を勝つということも不自然な話である。次走の宝塚記念も1.9倍の1番人気であったことから競馬ファンにとってタップダンスシチーはどんな馬に映っていたことだろうかと思う。。不老不死だとでも思っていたのだろうか。残念、寄る年波には抗えなかった。

して、有馬記念は2着8着2着と勝ち切れずの成績である。シンボリクリスエスゼンノロブロイに対して苦手意識があったようには思えないのだが、どうしても差される運命だった様子。レース展開に問題などないのだがアメリカンな二頭には差されてしまった。

ボリクリはともかくとしてサンデーキラーのタップダンスシチーにとってゼンノロブロイに負けたことは屈辱的ですらあろう。しかしこのラップを刻んでサンデー産駒が反応してくるというのは不可解な現象で、有馬記念で合計3Fしか12秒台を刻まないレースをどうして、どうしてサンデー産駒が・・・?

しかも差し込んだわけではなく2番手に構えられて最後の最後にきっちり半馬身交わすという内容であるから本当に屈辱的である。シンボリクリスエスでさえ最後の最後にきっかしという帳尻合わせの差し切りであったというのに、ゼンノロブロイはほとんど同じペースを刻んで脚を残して来たのだ。Flower Bowlを振り絞ったタップダンスシチーをこんな形で交わすことが出来るのだからゼンノロブロイの秋古馬三冠には非常に高い価値があるのだわ。風よけのことを考えても同程度の能力で有馬記念を踏破しているだろう。

そして今年、RibotMr. ProspectorSeattle Slewを取り込んで再び有馬の舞台へ現れた。少し胴の短いRibotというイメージで、タップダンスシチーは血統としてのRibotを体現した馬であったが、こちらはRibot自身の姿に似ている。そう、リアファルさんです。Ribotクロスです。

母父エルコンドルパサーらしい長手の姿。前脚の可動域が狭いが脚長の分だけストライドは伸びる。サッと加速はするし外回りでもソコソコ切れる。しかしそれだけに乗り難しそうな馬でこれをきっかし間に合わせるのは簡単なことではないだろう。

それをやってのけるのがルメールってもんで、完歩ピッチの大きいハーツクライ有馬記念できっかし間に合わせた実績を持つ。トニービン持ちが勝ったのは昔も今もこの一例だけ。アドマイヤモナークとかエアグルーヴとかリンカーンとかルーラーシップとか、あとサクラチトセオーとか、色々と突っ込んできてはいるけどどうしても勝ちきれなかった有馬記念。それをディープインパクトを破って戴冠したのがハーツクライ。なんて偉大な馬でしょう。

だからラブリーデイとかアドマイヤドン赤帽子2頭とかダービーフィズとかワンアンドオンリーとかはハードルが高いんだよね。プラスNijinsky問題でしょ?Tom Fool問題でしょ?洒落にならないべや。

もちろんトニービンから勝ち馬が出た様に最初ってものは必ず訪れる。ラブリーデイみたいなBuckpasserNijinskyトニービンみたいな問題児が勝つ日もくる。それがいつになるのかはさっぱりわからないし、みーんな5代血統表から消えてしまったころかもしれない。それでも買う価値があるのか・・・というのはもう自己満足の領域で納得するまで突き詰めるしかなかろう。

単純に「Lyphardクロスでいいべや」と思ったことは数知れない。キタサンブラック菊花賞を勝つ前から思っていたくらい。でもサクラユタカオーの血が有馬記念で輝いた歴史もまたないのだよね。

でもサクラユタカオーの血統表を掘ったあの日(キタサンブラックスプリングS勝ち)から「Lyphardクロス+サクラユタカオー」というのは俺個人の夢であって、これが有馬記念で一泡吹かせる予想に関して納得している。血統予想ってそんなもんだろう。

だからもう一つの納得としてタイトルのことを有馬記念予想に関し提示しようと思うのだ。Ribot・・・今回の場合はGraustark=His Majestyのことになるが、これが粘りこみを図った時にTom Foolはやってくる。テイエムオペラオーの年にTom FoolNijinsky掲示板に大量発生したのだから。

なのでアルバートを買おうと思うのだ。

[fin]