Nijinskyのダラダラ脚を効率的に動かすにはTom Foolしか手段がないわけだが、Tom Foolで有馬記念を勝った馬というのは全く思いつかない・・・わけじゃないんだが・・・それがゼンノロブロイというのが何のイタズラかって話なんだ。リアファルの親父さんなぁ・・・。
あとTom Fool持ち馬と言えばDrone経由でテイエムオペラオーだな。マルゼンスキーやダンシングブレーヴなどの名種牡馬がいながらもこれだけの例しかないというのは実に興味深い。
Blushing Gloomみたいにいつでもどこでもスッと動ける血統じゃないのかもしれないな。ゴーサイン出したら所構わずファイヤーするから困ったもんだよ。馬群の密集地帯からでもファイヤーするもん。燃えすぎる気性は伊達じゃない。
Nijinskyが入るとゴールドシップみたいに外を通って加速体制に入っておかなきゃ直線で置いて行かれてしまう。ところがステイヤーズSのアルバートは馬群に突っかかっていってなお鋭く飛んでいっている。登坂を勢い良く駆け上がり、その後の脚色も決して鈍いものではない。
アルバートの悩みどころはここよ。ダンスインザダークのステイヤーズSの勝ち方はゴリゴリとスタミナ勝ちするようなものなんだが、アルバートは上手い競馬で鋭くどっか遠くに行ってしまったという内容。これはダンスインザダークの競馬ではない。こんな弾け方出来るならダンスはダービー勝ってるわ。
上がり3Fは35秒0。公式の終い4Fが11.6-12.0-11.8-11.9で、アルバートが後続を突き抜けたのは登坂の序盤だから残り150mくらいか、あるいはそれより短いかもしれない。それで後続に0.8秒差をつけて勝っている。一昨年の有馬記念で見せたオルフェーヴルのパフォーマンスに近いかもしれない。だが馬群を割ってから突き放すという内容は秀逸で、地力の強さより俊敏な動きの方が目につく。
しかし・・・これはまぁあんまり根拠の無いデータなんだが。
Tourbillonを使わない馬は有馬記念向きではないのだわ。もうちっと正確に言うとMy Babu(≒Ambiorix≒Klairon)≒Turn-to的なスピード。
ジェンティルドンナ Raja Baba(My Babu)
ヴィクトワールピサ Klairon
ダイワスカーレット Raja Baba(My Babu)
マツリダゴッホ Bel Bolide(My Babu)
ディープインパクト ・・・
ハーツクライ ・・・
ゼンノロブロイ ・・・
まぁ・・・ココ6年のことかな。古くはナリタブライアンなんかが適合する。サンデー直仔にはあんまりそこらへんの弄りが必要なかった・・・という解釈も出来るかと。(マツリダゴッホは見ないふり)
あとTom Fool持ちの勝ち馬ってシンボリクリスエスがいた。それにTom Foolもまたサンデーの中距離スピードを弄る血統なのであるからTurn-to弄りにこだわることもないのだが・・・やっぱりHail to Reasonが強いレースだし。テイエムオペラオーで連勝は途切れているもののナリタブライアンから現在までHail to Reason直系馬が勝ちまくっているのだ。持っている、というだけのくぐりなら連勝は途切れていない。
そしてTurn-toを弄っているという事実。HaloではなくHail to Reasonを弄らなければならないだろう。
その観点において「8分の1サンデー」は不利とも言える。単純なHail to Reasoクロスではスタミナ化が強すぎるので上手いことやらなきゃならんよ。そのあたりの処理が上手い馬と言えば・・・ラスパクさんになるのかねぇ。それとゴールドアクター。
ラスパクさんは本格化を伺わせる見事な切れ味だったが・・・ゴールドアクターは余り奥行きのある配合ではなくてBlandfordに頼った配合ならばWild RiskやDonatelloを使いたかった。配合妙味に頼ったところが強いならG1での実績がなければ有馬記念では買いづらい。
やっぱりG1級ってのは追走時・・・有酸素運動時にどれだけ強い負荷をかけられるかに依るし、心肺能力に長けていなければならないだろう。これは名牝系を経由しなければ得られないものであり、配合だけではどうにもならない問題だ。AR共は強い勝ち方ではあったが無酸素運動の強さで、菊花賞でトーホウジャッカルとサウンズオブアースに突き放された事実は覆し難い。
アルバートも同様であるが距離適性外のレースぶりを思えば問題視することもないだろう。つい最近まで1800mを走っていた馬が3600mであれだけ強く勝てるのだから。と言えども条件戦で1800mを勝てたわけでもないから懸念は残る。と言えども1800mの鬼であるジャスタウェイが良馬場マイル重賞を勝てなかったことを思えば深刻な問題でもない。と言えども、
有馬記念においてはちょいと神経質になっちゃうんだよなぁ・・・。基本的にペースの上げ下げが激しいレースだからスローのステイヤーズSで上がりを使っただけじゃ材料として不足気味である。残り100mの再加速競争って脚が残っていることが前提になるからな。
「七夕賞はNijinsky」というのはラップの上下幅が少ないという関係もあるかもしれない。ラブリーデイもまた中長距離でラップの上げ下げが入ると崩れやすい馬であるし、この性質を思うと日本におけるNijinskyは快速の血統と解釈できる。。マルゼンスキーがまさにそれであるし、ダンスインザダークの産駒にも優れた中長距離馬というのは見当たらない。長距離馬とマイル~中距離の馬だけ。
・・・でもその性質は追い込みのロングスパートで解決するからなぁ。オルフェーヴルだってゴールドシップだってディープインパクトだって早仕掛けでごまかしているのだわ。アルバートにそれが出来ないとは言い切れないから困ってるんだよ。ラブリーデイは差し先行の馬だから展開に左右されるのだが、アルバートは後傾ペースの一本で差しに行くスタミナと距離適性があるから。
せめてもう少し外馬場へ差しポジが流れていけばいいんだがなぁ。ステイヤーズSと同じの馬場状況では前が塞がりかねない。3600mじゃ4角でみんなヘロヘロだったけれど2500mじゃ登坂までヘロヘロにはなってくれないから、前が塞がったら昨年のラスパクみたいに脚を余してしまう。
Nijinskyを配慮するならあと2頭分外からまくり差したい。
[fin]
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