砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ダンツプリウス論

ブライアンズタイムStorm Catにはキズナの半姉ファレノプシスがあり、これが桜花賞秋華賞エリ女勝ちの名牝。ウイポ7以降ではサードステージの母としても有名だろう。

それに近い配合ながらダンツプリウスは1600m以下の適性を見せる。これはRibotクロスかつBold ReasonNever Bendの血統背景から前脚の可動域が前に狭く、Roberto✕Storm Birdから曲飛節を受け継いだからではないかと思う。つまり前後の脚が狭く動く。

その上で胴が短い。これは母父マンハッタンカフェが伝えがちな要素だ。長い距離で定評のある種牡馬だがNijinskyなどのバックアップを受けての適正距離なのだ。Sadler's WellsやStorm Catを入れると短距離向きの産駒が出やすい。例外はAllegedクロスのショウナンマイティくらいだろうがこれも安田記念を2着3着している。

最も近い配合形はマンハッタンカフェブライアンズタイムStorm Catのトレンドハンターかな。「幻のオークス馬」とモチジュン先生も仰る様な馬だ。

Fairy King持ちのマンハッタンカフェ産駒はパッと思いつかないがジョーカプチーノレッドディザイアなどのSadler's Wells持ちはポンポン出てくる。これもやはりニックスだ。

マンハッタンカフェRibotクロスは一流どころの嗜みだがブライアンズタイムRibotクロスは・・・何があるかな。ははぁ、同馬主のダンツフレームがRibot4*5だね。そしてGraustark3*4のダービー馬タニノギムレットがおられたか。

やっぱブライアンズタイムの中距離馬はハイインローでがっつり決めてTourbillonで靭やかなタイプが多いな。自然な流れでLyphard使いも多い。もしかしてブライアンズタイムディープインパクトってニックスなんじゃねぇか?なるほどフリオーソを新種牡馬筆頭にあげるモチジュン先生らはタイムパラドックスを狙っているのか。

ブライアンズタイム産駒の観点からは他にRomanやEight Thirtyを弄りたい。これは余裕でクリアだなぁ・・・。そして当然ハイインローも欲しい。やはりこれも余裕でクリア。

文句のつけようがないじゃん。

マイラー気味に出たのは母母ハートオンウェーブがStorm CatFairy Kingマイラーマイラー配合が原因だと思うが・・・。ナスキロを3本持っているから1800mっぽいかもしれない。京都2歳はドスローであったし度外視していい。

Roberto✕サンデー✕Bold ReasonHail to Reasonクロスだから距離が長めに出てもおかしくはない。だがSeattle Slewが絡まなきゃ万全ではないな。Sadler's Wells✕Seattle Slew(あるいはBold ReasonBold Reasoning)こそHail to Reasoクロスにおける最高のスタミナ配合。

またRobertoの場合はNashua≒Nantallahの発生がありえるからなおさら難しい。中距離を走るならNijinskyのバックアップが欲しいところだわ。

Roberto✕Seattle SlewNijinsky✕Sadler's Wellsをやってのけた馬には・・・ジャパンカップの大楽勝を演じた菊花賞馬様がいらっしゃる。シンボリクリスエス産駒は2500m以上の大舞台を勝てないと言われたものだがハイペースの菊花賞ジャパンカップを先行押し切りで勝ったのだから文句は言えない。

さてここでようやく馬体を見たのだが・・・曲飛節じゃないね。マンハッタンカフェっぽい馬体だけれど胴はいささか詰まっているか。War Admiralの影響が見られる前脚のつなぎもよろしい。

レースを見る限りではそんなに前脚をゴリゴリしているわけでもないな。かなり靭やかに動いている。Bold RulerクロスにHasty Roadだからこんなもんかとも思う。

気になるのはBlue Larkspurの存在感な。Himyar系のBlack Toney系列であるこの血のつなぎが要所要所で強いんだ。この血はHail to ReasonやLalunに見られるし、特にBanish Fearを通じる形が厄介だ。

Banish FearはPrince Johnの母母でCosmic Bombの母だから脈絡してしまう。Prince John単体ならいいんだけれどRomanやEight Thirty、そしてHail to Reasonの母であるNorthirdchanceが関わってくると短距離へ傾きやすい。リアルインパクトミッキーアイルが顕著な例だ。

ここが表面化するかしないかで距離適性が違ってくる。表面化したのがSadler's Wellsに対するFairy Kingであろうし、ジェンティルドンナに対するドナウブルーではないかと思うのよ。

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