例のごとく一頭一頭の血統を見ていく。可能な限り短文で済ませたいのでレースと馬体のすり合わせは行わない。(無謀)
とても格好良い血統だがMr. Prospector✕Roberto✕Specialが傷。芝を走るならこれにTourbillon祭りを提供したいのだがフジキセキがキンシャサノキセキがそういった配合をしていない。Lyphardにすらそれを提供しきれていないのに余計な需要を増やしてしまった形である。
体に硬さがあるはずだしピークと適正距離は短いだろう。マイルよりスプリント寄りではないか。
エクラミレネール
簡単ニックスのDanzigを使わないマツリダゴッホ産駒。2代母シャトールーカンの配合からするともう少しNorthern Dancerのクロスを組み込んでも面白く、非NDのマツリダゴッホでは少し妙味に欠けるかと思う。
どちらかと言えば繁殖牝馬として有能な配合形であり、さっさと引退させてアルシャヴィン・・・アイルラヴァゲインでもなく、アイルハヴアナザーな、これとの産駒を見たい気持ちでいっぱいになる。
この配合で中山巧者なのは母が非Ribotかつ非Princequilloであるからだろう。この血の増幅を行わないことでAlibhai≒Lady Angelaのパワーがストレートに表現され、それを活かしながらBold Rulerで走るのだろう。
アーバンキッド
母ちゃんの配合がパワー&靭やかに傾倒しているので父ハーツクライはベター。しかし欧州の芝パワーが基本だからスピードへ転化しづらく、米血統のスピード源を持たないハーツクライは思った通りの鈍重な馬に出る。
また母父Swainがキングジョージ2連覇の名馬で、ハーツクライと掛け合わせるにはあまりにも重厚過ぎる。3歳G1・・・ましてやNHKマイルCの速さと早さには不的確だろう。勝負は5歳春の大阪杯あたりかと思う。この厩舎は距離延長でこそ狙える。
血統も成績も完璧。問題は展開だろう。
Danzigを活かしたDanzigらしからぬ馬。中距離馬なのでメジャーエンブレムのペースに対応するのは難しく、競馬の質も軽めなので馬場も展開も合わないかと思う。しかし久しぶりの外回りでパフォーマンスをどれほど上げるかに大きな期待を寄せたい。
だが朝日杯へ向かわずにホープフルを選び、ダービーを選ばずにNHKマイルCを選んだチグハグさに不安もあり、コジシゲ調教師がこの馬をどれだけ掴んでいるかは謎。池添を配したあたりにも不信感がある。
ティソーナ
マイルは長いがまだ対応は可能かと思う。将来的にはRomanスピードとハイインローで前受けゴリゴリする1400mダイワメジャー産駒として本格化すると思うが、その時に問題となるのは母父シンボリクリスエスの貧弱さであろう。その弱さ故に今もマイルをこなせる根拠ともするのだが。
Kris S.✕Seattle Slew✕Sir Ivorのナスキロクロス群が邪魔なのだわ。Kris S.はRoberto絡みだからSeeking the Goldで調和するとして、Seattle Slew✕Sir Ivorはちょいと対応しがたいところがある。今回も好走すると思うし将来は阪神Cを勝つくらいには成長するだろう。しかしG1を勝つ素質は伺えない。
NHKマイルCではナスキロを持つことが必須条件となる。非ナスキロが勝ったのはロジックが最後で、それ以前ではラインクラフトやイーグルカフェくらいのもの。多くはナスキロ血脈で靭やかに勝ちきるものだ。
ただメジャーエンブレムの展開でナスキロ柔い馬が突っ込めるかというと怪しいものだし、イーグルカフェもロジックもよどみない展開をナスペリオンでしぶとく差しきった馬である。その点からしてSpecialクロス+テスコボーイの本馬は適当だろう。
だから体形ほど距離適性が短いとは思えず、マイルでこそ弾けるタイプだろうと思うのよ。サクラユタカオーも胴体ではなく足回りの靭やかさで走っていた。
マンハッタンカフェ✕Acatenangoだから靭やかな中距離馬だろう、とは思うのだがマンハッタンカフェはそこまで中距離適性の高い種牡馬でもなく、ジョーカプチーノなどの様に母父ダービー馬でもマイラーを輩出しかねない。(といっても母父フサイチコンコルドにはウキヨノカゼなどがあって短距離志向なとこがある。)
Acatenangoは中距離の名血統だから強い脈絡がない限りは本馬も中距離馬と言える。緩いドイツ古来のスタミナ血統には脈絡があるので長くはなっても短くはならないと思う。
マンハッタンカフェ産駒の多くはLaw Societyで走るからここの弄り方が重要。本馬はRibotとナスキロをクロスさせ、Nijinskyの甥The Minstrelを引くので外回りベター。菊花賞の様な限界ギリギリの中長距離戦となると面白いのではないか。NHKマイルCで好走するイメージはわかない。
シャドウアプローチ
トニービンは原始的な切れ方をする血統で、これがまた東京でズバッと決まった・・・というのが90年代の日本競馬における歴史というもの。ドゥラメンテの日本ダービーに血統ファンがわいたのは、トニービンの名牝エアグルーヴの切れを完全に受け継いだ牡馬がその血から誕生したことによる。
シャドウアプローチも経由も違えば格も違うのだがその類の切れで差し込む。そうなると中距離馬だと見たくもあるのだが・・・スプリントで卸して朝日杯3着だものね。するとフレンチデピュティの影響が強い馬と見たほうが順当かな。
仕方なくフォトパドックで馬体チェック。「細いフレンチデピュティ」って感じだね。また若々しい馬体をして大舞台へやってきたものだわ。どっかで一つレースを使いたくても馬が体を作ってくれなかったんだね。体制は整っているけれど上積みはないだろう。
ジャンポケ産駒なんて晩成でなんぼだから朝日杯できっちり素質を示しゃ十分よ。
2代母がStorm Cat✕Fairy King✕Shirley Heightsだから弄り様によって距離の長短は幅広い。そして配合全体を見てもモチジュン先生の仰る「幻のオークス馬」であるトレンドハンターと似ているのでなおさら判断が難しい。
ただマンハッタンカフェ✕ブライアンズタイム✕Storm Catのトレンドハンター、マンハッタンカフェ✕Storm Catのショウナンマイティ、マンハッタンカフェ✕Caerleon✕Sadler's Wellsのレッドディザイア、そういった配合馬がゴロゴロあったとしてもダンツプリウスの配合と全くの同じではないのだ。むしろ彼らがあるが故にダンツプリウスは1600m~1800m馬だと断じることができる。
だってマンハッタンカフェにマイルなND系を二つも連ねた挙句にBold Reason≒Never Bendでしょ?アウトブリーダーのマンハッタンカフェがマイラーを出さない理屈がないじゃない。しかもRomanにFlaresやNantallahを重ねてるんだもん。
してダンツプリウス自身はそのRomanを継続しつつNashua≒Nantallahだろ?そしてブライアンズタイム✕マンハッタンカフェ✕Fairy BridgeでHail to Reasonを継続してるんだもの。こんなの胴の長短で全部決まるわ。もしFairy KingでなくてSadler's Wellsであれば、ブライアンズタイムではなくシンボリクリスエスであれば、Storm BirdではなくNijinskyであれば、そういうイフの世界なら中距離馬説も取れたと思う。しかし、この血統でマイルを勝たれたらマイル千八でしょ。
マイラーとしても千八馬としても悪く無い配合形だわ。重賞勝ったのも納得できる。
ペルソナリテ
噂の「ダイナサッシュ≒アドマイヤマカディ」配合。しかしステゴ牝馬だから扱いは難しく、それを大知が繰るのだから気性の怪しいところがあるよねぇ。晩成配合だし秋まで最後方追い込みでおだてながら走らせた方がいいと思う。トントン拍子で阪神JFまで走ってしまったのは誤算だったかね。
走る気を失った牝馬が復活するには休養と折り合いの名手と雌伏の時を必要とする。とりあえずは長期放牧開けまでノータッチだね。
配合においてはウインファビラスよりこちらの方が上だと考える。といってもこの二頭の馬券を買うまであと1年ほどの時を要するのだから上下なんてあってないようなもの。のんびり登ってきて欲しい。
ハクサンルドルフ
アドマイヤムーンの好配合馬だがアルキメデスやハクサンムーンには劣る。これらでG1を勝てないのだから本馬が勝てるはずもない。
Miss Fullhouse≒Halo≒Bold Reasoning、その上でPokerのナスキロラトロクロスだから上記の馬よりよっぽど靭やかに動くだろう。距離は2000mまで対応できると思うがEight Thirtyを引けなかった分だけ反応の鈍さがありそう。War Admiralを3つ引くから必要十分だけれどPilateクロスを入れつつWar Relic≒Eight Thirty≒War Admiralの三つを引っ掛けたかった。
残念だが寝落ちして時間がなくなってしまった。ここまで。
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