砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

関屋記念登録馬チェック その3

寝落ち→Windowsアップデート→再起動のコンボが決まって書いたものが消えた。

マイネルアウラート~トウカイテイオーの千四馬

 多くの競馬ファンが夢見た「母父トウカイテイオーノーザンテーストクロスステイゴールド産駒」。おそらくドリームジャーニーの結果を受けて配合されたものだと思われ、牝系からもグランマスティーヴンスな様子が伺える。

 ステマ配合の長所は短距離馬かと調教師が見間違えるほどのノーザンテースト的な俊敏さを誇りながらも、日本の誇るステイヤーであるメジロマックイーンの距離的なスタミナと勝負強さ≒地力を受け継ぐことだ。相反する要素が見事に噛みあうからこその黄金配合。

 対してトウカイテイオーダンスインザダークを相手に短距離馬を出す程度には優れたスピードを供給する血統。そのスピード源はおおよそMilesianによるものであるが、この2代母Avenaがプリメロ=Harinaの全妹である。このあたりを刺激するとびっくりするくらいスタミナが表現される仕組みで、そのためにスペシャルウィークトウカイテイオーは逆ニックスの関係にある。トウカイテイオーの上等産駒にここを弄った馬はいない。ただしメジロマックイーンの大きなスタミナ源として活躍するクロスではある。

 Milesianってなんなのさ、と思っていたが想像よりずっと優れた血統であることが分かる。日本に実績のあるスタミナを母系に組み込み、Turn-to的なスピードを供給する立派なスピード血統だ。Hail to Reasonは父系として3頭の三冠馬を輩出したわけであるが、Milesianとて父系と母系の両面から2頭の三冠馬を輩出している。世界の競馬を縁の下から支えるHail to Reasonにも負けない成績には驚かざるをえない。(Sadler's WellsとSeattle Slewの存在は大きい)

 優れたスピードを持つ冬馬でマイルを好走する時は必ず冬。そういえばトウカイテイオーの血を近くに持つ馬は冬に激走することが多いかも。マイルCSトウカイポイント阪神JFヤマニンシュクル、ケントオーも年末に連戦連勝でオープン入りしているし、ステマの馬もまた冬の激走が多いかも・・・?

 ノーザンテーストクロスであることを考えても力のいる馬場を好むはずであるし、また登坂を駆け上がることも得意だ。ド平坦新潟かつスローでしか通用しないマイル戦。ここで馬券を買うのは少しむずかしい。

マジェスティハーツ~エアのハーツクライ

 「エア」はエアグルーヴを除いて多くの小回り強豪馬の名を冠した。中山でしつこく活躍し、有馬記念で2年連続の大穴3着を演出したエアシェイディ秋華賞エアメサイア。小回り内回りだけで重賞を4勝したエアエミネム。2冠馬エアシャカール。最近だとエアメサイアの息子エアスピネル。多くの馬がFair Trial+Bold Rulerでゴリゴリゴロゴロと小回り持続戦を差し込んだ。

 エアラホーヤもその系譜であるが、残念ながらこの繁殖はラッキーフィールド(以下LF)に見捨てられたもので、その仔に「エア」を冠した馬はいない。本馬もエアの名を冠することはなく、HBU所有の「マジェスティハーツ」として中央競馬を走っている。

 LF最高!HBU微妙!という話ではない。悪しからず。あくまで配合の話である。エアラホーヤはLFの目に適わなかったBold Ruler繁殖で、マジェスティハーツはHBUの目に適った馬なのだと。それじゃHBUの馬の特徴とはなんであろうか。

 一口募集をしているところで、G1勝ちはサンビスタサンドピアリスの二頭だけ。牝馬であることと大穴ぶちかましを共通点とする。日高の様々な牧場から競走馬の提供を受けているため、配合の共通点などはない。売れ残った馬を提供するということもあるのだろうが、走っているのは「手元においておきたい牝馬」が多いように見える。実際にメガミゲラン-チリエージェのラインからハクサンムーンってのが産まれていて、その妹ビービーゲランは母と祖母と同じようにHBU所有である。ハクサンムーンは冠名の通り河崎五市氏の所有馬だ。

 まぁハーツクライの10年産だからね。ウインバリアシオンが活躍し始めたのが11年の春で、トップサイアーとしての地位を確立したのは13年のシーズン。近親に活躍馬もないテンザンストームの牝系においては買い手はなかったのかも。それとも募集馬の目玉として提供した可能性も・・・あるっちゃある。この辺りは想像の域を全く出ない。

 何はともあれ重賞クラスで4度も馬券になったのだから立派な馬だ。勝ち負けするなら平坦であろう。森一馬が下手糞だとは思わないにせよ、どこかで1勝していてもいいんじゃないかとも思う。明らかにサトノギャラントの上位互換であるからなぁ・・・。

 良くも悪くも末脚の馬で、それを上手に使ってやらなきゃ勝負にならない。ほとんどハーツクライが表現されていない馬だからBold Rulerを活かしてスローの新潟外回りに勝負を賭けるしかなさそう。関屋記念はベター条件。人気次第では買い目に入れてもいいか。

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