新馬戦からほとんど人気を得ることなく走り続けた馬で、本命サイドへやってきたのは今年の東風Sから。それでも1番人気を得ることはなく、降級初戦の多摩川Sでさえ2番人気に留まった。相手がアンタラジーなら仕方がないとも思う。(アンタラジーは新馬戦から1番人気で走り続ける良血ディープ。母がSeeking the Gold✕Storm Catなのだからすんごい配合。)
一貫してマイルを走り続けた馬だが今春に福島民報杯にも挑戦している。この結果を受けてモチジュン先生が「福島2000mは距離延長が走っているぞ」みたいなデータを記事にしていた様な・・・。
マイルならどこでもソコソコにこなすのが厄介で、新潟は0-1-1-0で阪神は1-0-0-0で東京は1-0-0-2で中山は1-0-2-2で・・・てなもんだ。「お前どんな血統してんだよ!」と思うことだろう。面倒な、面倒な、スニッツェル産駒である。
3代母River Memoriesはセレスティアルストームの姪で、従弟にはSakheeがある名血。けれど2代母ルフィーラの枝葉はNureyev✕Riverman✕vaguely Nobleというヘンテコな配合形になってしまっているし、そこにサンデー直乗せという厳しい展開。「スナップショットさんってー、なんか良い家の出らしいですけどー、なんかしょっぱいですよねー」と陰口叩かれそう。
パッとみではゴールドアリュールっぽい感じもするが、Rivermanさんは非常に癖の強い種牡馬である。これを調和しようとするならLyphardとSadler's Wellsの手助けが欲しい。スニッツェルはDanzig✕Nijinsky≒Storm Birdだから全く関係がない。スニッツェルとスナップショットの関係は冷えきったものだ。
血統表だけを見たら「何だこいつ、何を表現されて重賞で馬券になってんだ」と思う。そもそも勝ち上がった時点で「ひょえ」ってなる。「これって中央競馬で戦える配合なの!?」と。正直に言えばヤングマンパワーの出るレースで予想はしたくない。「スニッツェルってなんだよ」→「ヤングマンパワーってなんだよ」→「スナップショットってなんだよ」みたいなループが繰り広げられるから・・・。
スニッツェルは4分の4NDで、特にNijinsky≒Storm Bird4*3のニアリークロスが強い。そしてLunchtime5*3のクロスがある。LunchtimeはSilly Season✕Hornbeamの配合形で「ナスペリオンTom FoolとSolarioのクロス」。
Solarioはかなり高い頻度で使用されている血統で、Sindなんかを経由して伝わっていると高い効能が期待できる。キタサンブラックなんかはそういった影響が感じられる馬体と戦績で、ビュンビュン切れそうな細身の中距離~中長距離馬体が実にしぶとく働く仕組み。
ヤングマンパワーにもその様子があって、決して切れはしないけれどジリジリジリジリと伸びる。ただG1を戦うのであれば、Worden≒Le FabuleuxとかTehranとかの血を使っておくと良さそう。Canny Ladの2代母Beautiful Dreamerが持つDodoma3*3は実によろしいのだがな。
新潟は直線が少々長い。Tom Fool絡みの強いクロスがあるから小回りを立ちまわった方が旨味がありそう。平坦小回りマイルという条件がベストだと思う。香港へ行こう。
ジリ脚の小回り脚という厄介さがどこでも好走できる玉虫力の源。スローの関屋記念が国内におけるベスト条件だと思うが、この類の脚で勝ち切った例があっただろうか。新潟記念でコスモネモシンアタックを決めた方が妙味がありそう。
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