砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

関屋記念登録馬チェック その4

既に金曜の夜。時間がない。

ラングレー~緩慢なパワータイプのディープ嵐猫マイラー

 2代母がKingmamboの全妹で、母父がStorm Catという良血の黄金配合ディープ。体形と可動域がマイルにぴったりなのだが緩慢な加速に不満が残る。年始の京都マイル2連勝がこの馬の特徴をよく表しているだろう。

 緩慢ではあっても靭やかではないから上がり勝負になると弱い。全弟と同じように速い馬場より渋った方が得意で、11月~3月の成績は3-0-1-4。複勝圏を逃した4戦は東スポ2歳、京成杯毎日杯小倉大賞典ですべて重賞。3着は後方から差し届かなかったもの。

 道悪が大好きなのはディープ嵐猫配合の特徴。キズナラキシスエイシンヒカリリアルスティール、みんな日本の高速馬場を好まないタイプで、国外でパフォーマンスを上げるタイプが多い。ラキシスもみんなが安心してキズナを本命にしていた不良大阪杯を突き抜けた名牝だ。(次走の宝塚記念で買いが殺到。犠牲者多数の壮絶な事故となった。)

 京都マイルが似合うなら新潟マイルだって・・・と思う。けれど靭やかでないからトップスピードに弱さがあり、本馬が差すことの出来る展開は想像しづらい。ラキシスが笑ってしまうほど勝ち味のない競馬をしていたのと通じるものがあり、おそらく一定の条件で化けるタイプの馬だろう。稍重京都マイルと3月の中山マイルあたりを狙い目としたい。

リーサルウェポン~ラトロ&Bull Leaピッチの夏女

 近親にはアドマイヤムーンプレイアンドリアルがある血統であるが、問題はそこではない。母父Gold LegendがSeattle Slewに対して相似配合をとっていることが大きな問題だ。なんだこれ。こんなのがディープの相手をしていいのか・・・?兄貴のDayjurの方がまだ理解出来る。

 小さくなキャシャリンディープ牝馬であるがその名は最終兵器。様々な条件を走って好走しまくる変なやつで、川田将雅がやってのけた阪神千四(1000万下)→阪神千四(降級初戦)→中京千四→小倉千八→小倉千八の5戦連続2着は競馬ファンを不安にさせた。6戦目の新潟千八で500万下を突破し、その2戦後には阪神千六で1000万下勝ち。その次走が愛知杯で、これが2着。なんなのだ。

 La Troienneの血が強く、母系にAlydarが入っていることもあって渋った馬場を好む。またピッチで走るから愛知杯2着の様な差しも得意であるし、また小回りで脚を使うことも得意。また基本的には夏馬である。

 ここ3戦は2桁着が続いていているが出遅れによって位置を取れないことが大きな要因だろう。福島牝馬S中山牝馬Sはこの馬に向いた条件であっただけに勿体無いことだ。

 関屋記念を使う意味はいくつか考えられる。「出遅れても深刻な問題とはなりづらい」「初めての条件に挑戦」「次走ローテ候補が豊富」「スローになりやすいので出遅れなければ勝負になる」などなど。ただクイーンSとの両睨みであった可能性があり、こちらを選んだのは調整に時間がかかったのかもしれない。

 出遅れ快勝&ドスローの条件を満たせば3着争いには食い込むかもしれない。だがSeattle Slewだから中京の方が狙いやすく、枠も嫌われた感があるだけに旨みは見出し難い。

レッドアリオンBold Rulerで切れる名繁殖の仔

 ディフェンディングチャンピオンであるがここ数戦はピリッとしない。もとよりスローに持ち込んでからの馬なのでG1などの上級挑戦はイマイチ。それを思えば前走の結果は復調の兆しとも見えて、この人気なら勝ってもいいかも・・・だなんて思ったり。

 トップハンデで鞍上が主戦の川須ではなく内博さんに。昨年と同じパターンでの好走を狙っている雰囲気が出まくりで、馬群を嫌う気性の馬がど真ん中の10番黄色帽に押し込まれてしまったら行くしかないし、元より行くつもりであろう。

 ウチパクさんはこの道のスペシャリストであるから鞍上強化という見方も出来る。逃げ争う相手もいないので単騎逃げが濃厚・・・と言いたいのだけれども、内に同じ橋口厩舎のピークトラムがいる。これもまた馬群嫌いであるからどうにか前へ出ようとするかも。またクラリティスカイの田辺が不気味で、エイシンヒカリのマイペース逃げをクラレントで潰しにかかったり、サンレイレーザーで毎日王冠を逃げ残したり、など厄介なことばかりする奴だ。

 そして最大の問題は外のヤングマンパワー戸崎。4角あたりで位置を取りにくるので気を抜いていたら被せられる。先んじて動くには切れすぎるのかレッドアリオンの難しさで、ウチパクさんにその繊細さを要求してはならない。この問題はすべて戸崎任せとなりそう。

ロサギガンティア~強いフジキセキBold Ruler千四馬

 昨年末に阪神Cを勝って、今春には京王杯SCを3着。マイル戦にもちょくちょく顔を出すのだが古馬になってからは0-0-0-3で驚くほどの負けっぷりを見せている。2歳3歳時は1-2-0-2-0で掲示板を外さない好条件であったのだが。

 差し出すように前脚を伸ばすBold Ruler男子であるがDanzigの道悪適性で渋った馬場も得意。小回り1400mでサラサラと動くのがベストパフォーマンスで、またフジキセキの仔だからスロー耐性はイマイチ。千四馬が届かせるならナスキロ柔い外回り馬・・・それこそレッドスパーダの様な東京千四マイスターであることが望ましい。稍重阪神C勝ち馬が関屋記念を戦うなら差しに構える余裕などないのでは。

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