砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

Relicに関して少々

ヴィクトリアマイルでRelicの差しをピックアップした。結果はデンコウアンジュが2着まで差し込んだわけだが、5代外の話なので偶然である。あんな半端な判断で来たのは。

メイショウサムソン産駒の母Relic持ちがニックスなのはメイショウサムソン自身がフォルティのからRelicを持っているからで、このRelicはWar Relic直仔としてはかなり靭やかな部類だ。

何故これをヴィクトリアマイルで買えるのか、という話であるが。これは単純に・・・ストレイトガールなんかを代表としてこれを持った馬が好走しているからだ。前受けはSwaps、差しはRelicてなもの。

中距離馬の追い込み、昨年で言えばミッキークイーンショウナンパンドラなどはこれを持たない。だがある程度位置を取ってから伸びるマイラー然とした差しは大抵の場合でRelicを持っているのだわ。

ストレイトガール Relic 11-10

ミッキークイーン なし 13-12

ショウナンパンドラ なし 13-14

スマートレイアー Relic 2-3

ルージュバック Relic 7-8

マジックタイム Relic 7-4

ウキヨノカゼ なし 18-18

昨年の傾向は顕著すぎて、例えば一昨年などはRelic持ちはストレイトガールくらいなもの。だから偶然だと。だが2連覇のストレイトガールが該当し、他にもアパパネウオッカメイショウマンボにも見られるものなのでボーダーラインとしての基準には使える。

また道悪適性という点でもエイシンヒカリがある。渋り馬場スローからの末脚勝負にも分のある血統で、それこそエイシンフラッシュにも見られるのである。

このRelicの従兄弟にはBlue Larkspurがあるので、おおよそは「Man o'War×Blue Larkspur」である。これをHalo≒Droneと共に脈絡させることから「メイショウサムソン×サンデーサイレンス×Relic」は黄金配合足り得る。デンコウアンジュの場合はNijinskyNever Bendも入るのでより素晴らしく、またプリメロ=AvenaやUmidwarのクロスも継続している。メイショウサムソンをこれほど使い切った馬は他になく、唯一の重賞ウィナーとして間違いのない最高級配合だ。

男馬ならサトノダイヤモンドの格落ちくらいには走るはずで、枠と馬場の有利があれば菊花賞くらいを勝てる。メイショウサムソンの後継種牡馬として使い様はあるんじゃないかな。

またRelicでもヴェンチア=Buisson Ardentを通すのがヴィクトリアマイルの王道パターン。これの該当馬はストレイトガールメイショウマンボフォルティノが準王道かな。Haloニアリー的にMan o'War×Mumtaz Mahal×Blue Larkspurを重ねるのが有効なのだわ。

ヴェンチア=Buisson Ardentとはハギノカムイオートウショウペガサスカツラギエースオグリキャップホクトベガタイキシャトルといった時代からスマートファルコンストレイトガールメイショウマンボの現代までズーッと最前線に立ち続ける血統なのである。

トニービンとサンデーが入るとワンアンドオンリーヴェルデグリーンカレンミロティックなどの中長距離馬に出る傾向があり、ハギノカムイオースマートファルコンを見ても「Nasrullah×Hyperion」の血統によって距離が伸びる様子がある。そしてこれらはジリジリと走るタイプに出ている。あとは短距離が多い。

流石にこれほど遠い血統で適性の判別は難しいが、スローで弾けるタイプ、スローで前受けして強いタイプ、Hyperionを山ほど蓄えて競り落とす競馬をするタイプなどで大別は出来るかな。またスマートファルコン以外は馬群を大体は嫌わない気性であるのも米血的だ。

広がっているのだから当然の話であるが、やはりこういった血統はポテンシャルが高い。スローで弾けるという特徴はHaloというよりもサンデーサイレンス的であり、つまりHaloからWishing Wellが抽出した部分である。

RelicがHalo的であるならヴェンチア=Buisson Ardentはサンデーサイレンス的だ。そしてその仕組みも同じくしているということであれば、これはなかなか現代日本において有用な題材かと思う。この血からサンデーサイレンスクロスを語る手はある。

こうした流れの中でMan o'Warの靭やかさではなく頑強を追い求めたIn Relityがどういう風に関わってくるのか。以前からこの血はたくさんの関わりを持っていたが主役級であることはなかった。イスラボニータロードカナロアエンパイアメーカーという血統の登場がサンデークロスの時期と被ったことは偶然ではなく、日本馬産業界の英断とも言えるかもしれない。

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