砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ブラックエンブレムの何が素晴らしいのか

ヘクタープロテクターWoodman×Reverman×DamascusでBlue Larkspurクロス血統の累代。これはもうRivermanの力っぽさを抜群に引き出す配合。そのためにフランス最強マイラーとして君臨したわけだが、恐るべきはこのアホな配合で血を紡ぐに至った現在の状況だ。

これはキングカメハメハの後継種牡馬としては看過出来ぬ結果であり、キンカメ自身はNorthern Dancer4*4*6で、「4分の4ND」のキンカメ後継・・・例えばラブリーデイなどは5*5*7×5*6という配合となってしまう。次代に血統を繋げるとなるとヘクタープロテクター的な弊害は必ず生じるだろう。

逆を言えばヘクプロくらい突き抜けてしまえば問題ない。そして必ず未来にはその解決策が用意されているわけであり、ヘクタープロテクターにとってそれはOur Emblemウォーエンブレムという血統だったのである。

だがこの大技を受け入れるにしてもプリンセスデリーデ(非Blue Larkspur)の存在は大きく、いずれにしても近い代に異系的なものを取り入れる努力は必要だ。

なのでプリンセスデリーデを使った配合によってブラックエンブレムは好配合だと言えるわけだが、次世代において「4分の2Blue Larkspur」が内定している身の上なだけに難しい話。

4分の1異系が欲しい状態であるがディープインパクト種のテスタメントは本格化するほどに掻き込み走法へ傾いていった。Sweetest Ladyへの脈絡が大きかったのも理由であるが、何よりもヘクタープロテクターOur Emblemの影響が強いのである。Pocahontasクロスも手伝って力っぽさばかりが目立つ。そう、Princequilloを交えたパワーをPocahontasとRivermanで増幅しているために芝で靭やかに走るための方策を持たない。(RomanとPrincequillo

俺としてはブラックエンブレムキングカメハメハを配さぬ理由が見つからない。

キンカメ×ブラエン

結局のところHaloが入った時点でヘクプロのパワーがオンになるのは確実なわけで、サンデー系で靭やかさを増幅しても意味はないのである。ブラックエンブレムの持つ一定の好影響で良しとしている場合ではなく、これからもヘクタープロテクターの悪影響を調和する配合を続けなければならない。ブラックエンブレムという素材を覆さなければならないのだ。

ウォーエンブレムヘクタープロテクターの最高傑作である以上はブラックエンブレムの伝えるものは間違いなく砂の方向だ。サンデーを使うのであれば砂の種牡馬を配するべきである。

そして叶うならば、Sadler's Wellsの血を組み込んで欲しい。プリンセスデリーデの持つBig Gameのクロスは間違いなくSadler's Wellsによって輝く。サクラユタカオーが巡り巡ってSadler's Wellsと出会い、ビッグアーサーを輩出したように。

Friar's Daughterはいつもサドラーと共にあるべきなのだ。俺、メイショウサムソン×ブラックエンブレムがあったらベタ褒めする準備があります。

ただ・・・オルフェーヴルとの配合は褒め称えたいね。

オルフェ=ドリジャニの偉大さはRibotパワーとの高い親和性を見せるステイゴールドを相手に、それを使わなかったことだろう。もちろんこの兄弟がパワーを表現した時に、Ribotとの兼ね合いに問題は出るのだが。オルフェの靭やかさが表現されるのであればRibotを使う手がある。

またダイワメジャーとの配合を狙った様にPrincequilloクロスを諦めてPapyrusを狙い撃ちしているのも秀逸。もしブラックエンブレムPrincequilloを靭やかにする方法があるとすれば、それは間違いなくアルゼンチン血統が切り口となる。ゼンノロブロイ(Halo×Mr. Prospector×Buckpasser)から靭やかさと持続力を抽出したペルーサの様に、それは実現するはずだ。

長期的に考えるならSpecialの導入が先であるがノーザンテーストクロスの三冠馬にそれを求めるのは理に適う。エレクトロアート≒Nureyevという話もあるのだから、オルフェーヴルにSpecial的な要素を求めても良いはず。

エプソムカップはアストラエンブレムにとっても大きなチャンスだと思うが、古馬の身で重賞を勝つことにも大きな意味がある。ディープ産駒のテスタメントやネオユニ産駒のブライトエンブレムがダート的なパワーを表現し始めた以上、これらのHyperionではブラックエンブレムの呪縛に抗えないことが分かっている。だからこそダイワメジャー産駒が古馬になってなお芝のスピードを持ち続けていることを証明して欲しい。

33秒で上がり続ける限りはチャンスがあるし、この配合でHalo≒Sir Ivorの速さが表現できていることも是非証明したい。証明されているうちは、オルフェ×ブラエンを応援する。

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